火の鳥 エデンの花のレビュー・感想・評価
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名作「鉄コン筋クリート」のSTUDIO4℃だからこそ実現できた、「火の鳥」の魅力を最大限に引き出せた作品。
「火の鳥」は手塚治虫の代表作の1つですが、正直なところ良さがさっぱり分からずに、「名作」ではなく「迷作」なのでは、とずっと思っていたので、本作への期待感はそんなになかったです。 しかも、手塚治虫のキャラクターは昔のキャラクターなのでキャッチーではなく、作品の世界観に入りにくいんだろうなと想定もしていました。 ところが、どんどん面白くなっていき、エンドロールが流れる時には「いや~良い作品だった!」と感じている自分がいました。 「火の鳥」は、「迷作」ではなく、間違いなく「名作」でした。 では、どうして1954年から連載が始まり、(手塚治虫が亡くなる前年の)1988年まで続いていた「昔のマンガ」の良さが今さら分かるようになったのか。 これは、何といってもSTUDIO4℃が作り上げた作品だから、というしかないでしょう。 STUDIO4℃といえば、松本大洋の代表作の1つである「鉄コン筋クリート」を見事にアニメーション映画化したスタジオですが、まさに本作とメインスタッフが同じなのです。 「鉄コン筋クリート」と「火の鳥」の共通点は、キャラクターデザインでは、癖の強い原作通りのキャラクターをそのまま採用している点です。 そのため、原作の世界観を一切壊さないのです。 ただ、それでもキャラクターに「魂」を入れるべくクオリティーの高いアニメーション表現によって他とは圧倒的に違うレベルの作品に昇華させているのです! 例えば、手塚治虫作品では「典型的なキャラクター」の少年「コム」が出てきます。 これまでの映像表現では、魅力を感じなかったのですが、本作で初めて親近感を抱くことができました。 他にも「チヒロ」なども魅力的なキャラクターでした。 宮沢りえが主人公「ロミ」の声優を務めていましたが、これもとても良かったです。 これまでの映像表現では良さが分からなかった人も、本作で印象がガラッと変わるような、最新鋭のこだわりを貫いた名作アニメーション映画です。
ちょっともったいない出来
原作未読。 非常に壮大な物語ながら、95分にまとめたためかキャラデザのシンプルさも相まってあっさりした味わい。 手塚絵をそのままキャラデザに落とし込めなくても、もうちょっと何とかならなかったんだろうか。 また、原作はもっと踏み込んでえぐい話もしているそうなので、そういうのを観たかったな。 人間の愚かさを描きながらも希望を持たせるラストには好感が持てた。 あとキャスト、窪塚の声の演技NG、宮沢りえは下手ではないが若い頃と年取ってからが同じ演技なのでやっぱりNG。その他は概ね良かった。
火の鳥だ、あゝ火の鳥だ、火の鳥だ
良くも悪くも「火の鳥」でした。 手塚治虫の原作を上手くイメージを崩さず、手塚テイストを活かした良作です(冒頭、声の演技に違和感はありましたが)。 人の業を描く「火の鳥」シリーズである本作は、希望と絶望、愛と憎悪、欲と優しさなどが混然と描かれ、観るものの感情をゴチャ混ぜにします。 ただし、この世界観に触れたことのない人が予備知識無しで本作を観ると、「ん、火の鳥って?」とぽかんとしてしまうかも。この機会に原作を読む、または再読するのも良いかも。
古典名作漫画翻案
劇場版と、ディズニープラス配信版、両方観た
ラストシーンが違うだけで、そこに大きな驚きはない
原作漫画は、火の鳥望郷編で半世紀程前の作品
なので真新しさを求めてる人には不向きだろうね
どっかで観たシーンがあったとしてもこちらの方が原典としては先って事ですね
原作漫画からして何回も改稿があるので、今風にするなら思い切った改竄があってもいいのかもしれない
…が、映画.comの作品検索でも既に10本の火の鳥の映画タイトルが確認出来るので、これを本腰いれてやるならこの配信時代に、シリーズの最初から全部作り直せばいいのにとも思う
それと作品自体にある毒を抜くと色々スポイルされてしまうのでそこは何とかしてほしい
いっそ、考察研究動画も公式で出してほしい
直接描写の回避は妥当だけど、脚本を変えすぎるなら、原作ではなく翻案とすべきだからね
火の鳥は手塚治虫さんなんだ
ずっと見てるんだ、この宇宙を。 分かってる、火の鳥を想像し創造したのは手塚治虫さんだから本人だけじゃなくて火の鳥は複数いるんだと思う。 えワシ?いやあ、ワシはならんでもいいかな🤔それよりはまた人間に生まれ変わってイケメンになって世界中の美女やりまくりたいかな基本毎日、気分が乗るんだったら1日に10回くらいプレイしてから ここからドットコムが生まれたのか… ✨「火の鳥」観ました。これから会社に行って辞表を提出します。 20年務めた会社もほぼ毎日社長から怒られた日々も、この長い長い宇宙の時の流れの中ではただのアスファルトの花と同じ様です。 あっ!💦泪で辞表用紙が…… 何でしょうもない事でウーじゃパーじゃ怒られにゃならんのや!○○の完璧主義者め、そして金に追われる小者め! …そんな社長もコレを観ればちっとは優しくなってくれるかも…… そうかぁ!、会社に提出するのは辞表なんかじゃなくて火の鳥のDVDだったんだ‼️…………………………………………… そうして私の壮大な物語は幕を閉じたのでした… 手塚治虫さんはもっと評価されていいと思う。彼は漫画家して最初に売れた人という事じゃない。彼は人類を代表する人間の候補だ!。子供が生まれる前は自分の子を人類代表に育てる空想もしていたが 初めて火の鳥を見た時の壮大さレベルでは猿の惑星いらんやわ、というか壮大の大きさ自体は猿惑の500億倍くらいあるわ。 生き抜かねば。死ぬまで。 大竹まことまだ生きてたんだ(笑)なんでこの映画より翔んで埼玉の方が上映スケジュールが多いんだよ!💢ヽ(`Д´)ノこの映画は世の中の人全員が観るべきなのにっ‼️ 始め窪塚洋介わらビルから落ちたのに案外普通に大御所になっててワラ声優はプロでやってくれよと思ってたのにストーリーが重厚すぎて男のキャラ喋ってても途中から全く気にならなくなってた(笑) 何で宮沢さん出てんの(笑) (富一じゃないよ) エレンの薗 永遠 手塚治虫は何気にさりげなく資本主義にも何か言ってて背中がゾワッする恐ろしさすら感じる 手塚治虫さんって本当に人間だったのか…… あ、ていうか地球から逃げてきた理由って結局何やったん?
火の鳥風味
「望郷編」記憶には殆ど留まっていなかったが、映画が始まって暫くして軽いトラウマと共に思い出した。思い出したのだが、かなりのマイルド仕様に出来上がっており、手塚治虫独特の胸糞悪さは控えめでございましたね。だもんで、漫画を読み始める導入としては良いのではないかな?なんて思いました。DISNEY+の配信版も後追いで観ましたが、個人的には配信版の方が良かったし、コレを劇場でみたかった。エンディングは勿論編集や小ネタ等々意外と相違点があるので、片方だけでは勿体ないかもしれませんね。お試しあれ。 イッセー尾形以外は声優さんでお願いしたかった…。どうしても(そこそこ上手くても)"良く出来た朗読"感が否めず、入り込み辛かったよね。
火の鳥で何をテーマとしたいのか?
可能な限り忠実に再現しようとしたのでしょう。手塚先生の絵をCGにキレイに落とし込むことに成功しています。これは素晴らしいです。ただ、長大なストーリー全てを2時間内に詰め込もうとするあまりに、肝心のテーマがぼやけてしまい、結果として「手塚先生の絵がキレイなCGで甦った」だけの作品となった気がします。 1980年代から90年代にかけて作られた火の鳥OVAシリーズは、「手塚先生の絵は再現してはいないが、原作のテーマは良く伝わった」作品でした。どうしても、それらの作品との対比をしてしまって、結果このような評価です。こんなことを書くと懐古主義者と言われるかもしれませんが。 もしも火の鳥シリーズをこれまで未視聴の方なら、違った評価かもしれません。
「マンガ少年」に連載されていた「火の鳥 望郷編」。マンガ少年、今も持っています。
冒頭からすこしまでは、宇宙空間にずっと独り……、【圧倒的で絶望的な孤独】が伝わってきた。2001年やインターステラ、あるいは、マサトが地球にずっといた時の孤独のように… 「火の鳥」を知らない人には、ロミや牧村やコム達と、火の鳥の関係(というか、因果、世界観)がわかりずらかったと思う。 「火の鳥」って、 ① 神 手塚治虫先生(大好き!)の、 ② 他を寄せ付けない壮大なストーリー(振り子のように過去と未来が交互に描かれて、だんだん現代に収斂してくるようにできている(「鳳凰編」と「未来編」と「復活編」が大好き))で、 ③ かつ、手塚先生のライフワーク(「最終話は『アトム』を登場させるストーリーにしたい」と、話しておられたそうです。……ブラック・ジャックも登場してたら……などと想像がずっとふくらんでいる)で、 ④ 「火の鳥」に影響を受けた人達はとても多く、特別な作品だと思っている人が多い(silent majority)点、(わたしの半分は「火の鳥」でできている)。 だから、ひとつの「エピソード」を映画などの作品にするのは、なかなか大変だよね。が、観おわって、まず思った感想。 パンフレットを読むと、声優さんやスタッフの皆さんは、「光栄」、「永遠の憧れ」、「これだけは絶対に…」、などなど、火の鳥に関われることに最高の喜びと、気合が入ったことが伝わってきたけれど… いっそ、「火の鳥」全編を「大河ドラマ」でやったら!? あるいは、「北の国から」方式で数年にわたってやったらどう?って思ったりする。 じゃあ、「シン・火の鳥」をつくったら? いやいやありえない。だって、「シン」が枕詞につくほどの多数勢力、(ゴジラやウルトラマンや仮面ライダーと比べると)メジャーではない。そもそも、原作火の鳥は、すでに「新らしく、真であり、すでに神の領域で、深淵である。心。 読者の我々は、初見から震えて見ている」から。 ひとつ、とても良かったこと。 久しぶりに、「チヒロ」に会えたこと。 チヒロから、ロビタや、「復活編」の(無機質でせつない)ストーリーが、ぶわっと蘇ってきた。 あと…、「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」でインディアンの平和な世界が白人によって崩壊したのは、ズダーバンが、絶対一枚噛んでいると思う。
タイトル「火の鳥」ではなかったかも。そんなの有り?
手塚治虫原作の火の鳥だから見た。 しかし直ぐ後悔した。ジョージの棒、そしてコムの声。子供役だから子供に当てさせる。ム〜、やっぱ受け入れられない、ムリ。 何かメッセージがあるのか? 1300年も時を経ていれば大きく変わっているのは当たり前。それなのに地球に帰りたい。案の定とんでもない世界だった。今度はエデンに戻りたい。いつまでも「無い理想」を追い求めるな!現実を見ろ!しっかり物事を慎重に分析せよ。少なくとも他人を巻き込むな。 ムーピーはロミのために火の鳥が変貌した又は創作したのかなと思ったけど違うかな。 火の鳥って、よく語りかけて見守ってくれているイメージだけど。 悪徳商人のシーンは、たぶん欲望まみれの人類は醜い争いをするということだろうが、私はたった一人でも悪の指導者が人類を滅亡させるのだと思った。 パンフレットの監督インタビュー記事で、当初ロミの強い女性を描きたいから、タイトルは「火の鳥」ではなく「ロミ」しよう。しかも火の鳥を劇中に出さないことも考えていたと。ならそうしてよ。どうりで火の鳥の扱いが空気だった。「火の鳥」でなかったら見なかった。Disney+のみでひっそりと公開しておいてよ。手塚治虫先生の作品では無い。原作ではなく原案だね。
あの頃のまま
156本目。 高校の授業中に読んでた、火の鳥。 ちゃんと勉強しろと、今になっては思うけど。 絶望と希望の隣合わせ。 儚さ、切なさに、なんて言葉表そうかと。 まあ、語彙力がないだけど。 映画観終えた後に感じた事は、高校の頃と同じなのかな。 成長してんだか、どうだかと。
終映で観ることできた
最後の回ぎりぎりで観ることできた。原作未読。壮大な時系列で物語を楽しむことができた。ただ、当方誤解していて、皆さまのレビューを見て正せたのであるが、復活したあの人自体が火の鳥の化身なのかと見終わったあとも思い込んでいた。
「永遠の命」をテーマにした手塚治虫のライフワークが原作です。扱い難そうなエピソードをどう映像化するのか気になり、つい原作と比較してしまいました。
原作は、手塚治虫のライフワークともいえる作品です。
いくつかの雑誌を渡り歩いて連載してきたように記憶
しています・_・ (「COM」や「マンガ少年」)
過去にもOVAや劇場版、TVシリーズ等で何回か
アニメ化されてきました。
古いところでは「火の鳥 2772コスモゾーン」。
新しい所ではNHKのTVシリーズ。(…新しくない気が・_・;)
※一番記憶に残っているのは「鳳凰編」(OVA)かなぁ 。
◇
今回映画化された作品は「望郷編」ベースのお話。
若い一組の男女カップルが地球を逃れ、エデン17
という星に移住する所から始まります。
男の名は、ジョージ。 ※原作では漢字で”丈二”。・_・;
女の名は、ロミ。訳ありで地球に居られなくなり、
人が暮らすのには条件の悪い星を格安で買って出発します。
到着を喜ぶ二人でしたが、手持ちの水はおよそ1年分。
その間に水源を掘りあてなければ生き延びることが出来
ない事が到着後に分かりました。 …あらー。
懸命に水を探すジョージ。探す。探す。探す…。
そしてある日、ついに水を発見。…しかし
ジョージは事故で命を落してしまうのです。あらー
そのときロミのお腹の中には、二人の子供が…。あらー
やがて誕生。男の子で「カイン」と命名。
ジョージが見つけてくれた水のおかげで、ロミとカインの
母子二人は生き伸びることができたのです。
しかし…
" この子が、この星の最後の人間になってしまう… "
ロミはカインの将来を案じてある決心をします。それは
自分の肉体を冷凍睡眠で保存し、カインの成長を待つ事。
そしてカインが7才になった時に、計画を実行。
" 冷凍睡眠で眠り、13年後に目を覚ます "
ロミが目覚めたとき、カインは20才。
目覚めたロミと、年回りのよいパートナーになれる。…はず。
コールドスリープ開始。
…したのだが、実はトラブルが発生していた。
13年の眠りの予定が、1300年に設定されてしまう。 ひぇぇ
残されたカインは、お世話をするロボットと共に
13年の年月を過ごす。そしてロミが目覚める(はず)の日。
冷凍睡眠装置の前でロミの目覚めを待つカイン。
" …目覚めない "
" 装置が故障したのか? "
お世話ロボが答える。
" 装置ハ正常 " " 目覚メハ今カラ1287年後デス "
…混乱。 そして絶望。
錯乱してお世話ロボに八つ当たり(というか、破壊…・_・;)
放心状態のカイン。
と、空を飛んでくる(落ちてくる?)物体が…
追いかけるカイン。
落ちた非行物体の中からアメーバ状の生物が現れ
見ている間にロミの姿に。
カインの元にやってきたのは、ムーピーだった。
相手の望むものへと姿を変える事の出来る生命体。
それが「ムーピー」。
こうして出会ったロミ(ムーピー)とカイン。
一緒に暮らし始めます。
やがて子供が生まれ、その子供たちがまた子供を作り、と
どんどんとこの星の人口が増えていくのでした。
そして1287年後。(…長い)
ついにロミが目覚めます。
見渡すと沢山の建物。そしてすごい数の人が暮らす街。
ムーピーから、自分の子孫で繁栄している事。そして
自分が「神」になっていることを知らされます。
全く知らない世界で目覚めたロミは、次第に
” 地球を一目見て死にたい ”
と思うようになります。 そして…
とまあ
ロミが地球に戻るための旅に出るのが後半のお話。
さあ、どうなるのでしょう。
◇
実は「望郷編」がベースのお話。…と知って、
一抹の不安がありました…。・_・;
というのも、原作はロミが息子たちと「近親相姦」で
子孫を残していくというお話ですから。
倫理的に如何なものか? と期待…もとい、危惧してました。
( どきどき )
で。
そこは上手く回避したと思いました。
ロミが1300年寝てしまうため、代わりにムーピーがやってくる
とはそうきたか。 0_0 なるほど
そして、最後の場面ですが
再びエデンに戻ったロミをジョージが出迎えたのにはびっくり。
(もちろんムーピーが化けたジョージな訳ですが)
で。
ちょっと待って と。
ロミも途中で若返ってるし、ムーピーが長命なのならば
二人でもう一度エデンで人口復活も出来てしまうのでは?
なんてことを想像してしまいました。
◇
原作の設定を、微妙に変更している今作
どちらが心に響いてくるか比べてみるのも面白いかも です。
※魂が故郷に帰った という感じの原作エンディングの方が
情緒感があって好きかなぁ…。
あ、あとひとつ。
火の鳥がほとんど自己主張していない気がしました。
(原作の火の鳥、相当「世話焼き」してます ・_・)
◇あれこれ
■火の鳥といえば…
ストラヴィンスキー。 違う。…いや、違いませんけど。
曲名を知っているけど聴いた事がない気がして、サブスクで
聴いてみたのですが、途中で寝落ちしてしまいました @_@ アレマ
科学忍法 火の鳥。…はガッチャマンですね。
言わずと知れたタツノコアニメの名作ですよ。 ラジャー!
※前に” ブ ” をつけると野原しんのすけです。ブラジャー ^~^
■火の鳥といえば…その2
過去の話と未来の話を交互に描いて
遠い過去(未来)の話から次第に現代に近づいてくる、という
構成で作品が描かれていたものと記憶しています。?_?…確か
完結していないと思ったのですが、最後に描かれたのは
何編だったのかなぁ。 と、再び遠い目…。
-------- 2023.11.17追記 -------- 書き忘れた~ @_@
■もっと優しく起こしてあげて
読み返して、気になった点があった事を思い出しました。
そんな大したコトでもないのですが…(でも書いちゃえ)
コールドスリープから目覚めるロミ。
冬眠装置は縦長の円筒形。素材は透明、中は液体で一杯。
その中で立った状態で寝ているようなのですが
解凍時は、円筒形の容器が上に上がり、腋芽溢れ
液体の中で漂っていたロミは、浮力(?)が無くなり
崩れるように、床の上に倒れていきます。そして目覚。
…なのですが …アタマとか打ちそうで怖いです +_+
起きるときを考えたら、ヨコ向きに寝かせた方が良いのでは?
と、思ってしまうのですが、タテの方が良いのでしょうか?
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
宇宙移民が地球への望郷の念に駈られて広大な宇宙を旅する。タイトルにある火の鳥は顔見せだけで物語に全く絡まない。
原作は「望郷編」も含め一通り読んでるが、内容はほぼ忘れてしまった。 映画は壮大な物語で面白い。90分しかないから話がどどんどん進み、あらすじを描いただけみたいな感じで感動するということはなかった。 しかし、ロミの望郷の想いと人間の欲望が文明を壊してしまう恐ろしさ、悲しさは伝わった。
この宇宙は小さい
※注 本レビューは「原作」のネタバレも含みます。
手塚治虫漫画の大ファンだが、今まで手塚治虫原作の映画で「良かった」と思えたことはほとんど無い。それでも懲りずに観に行ってしまうのは、「今度こそ」と期待してしまうからだ。
結論から言えば、今回も残念だった。原作を知らない人がこれを観て、原作までつまらないと思われてしまうことを怖れる。
僕にとって「火の鳥」は特別な作品。中学生の頃だったと思うが、図書館にあった「復活編」を読んだときの鮮烈な感動を今でもありありと思い起こすことができる。漫画やSFの面白さ・すばらしさを開眼させてくれた。
原体験である「復活編」が最も好きだが、「鳳凰編」、そして今回の映画の原作である「望郷編」も漫画史に残る名作だと思う。
しかし本作はその魅力がことごとくつぶされているように思った。
映画としてそれなりに観れるものにはなっている。作画のクオリティは高いと思う。有名人が声をあてていることについてはどうでもいいので、そこに予算をかけるべきではないだろう、などと思うが…。そもそも、「望郷編」という壮大な物語を、95分の尺に収めることが土台無理だ。
もし、「95分の制約の中で望郷編を映画化しろ」というミッションだったのであれば、良くやった、といえるのだろうが、つまらないものはつまらない。
「火の鳥」の面白さの本質とは何だろう。その1つは、スケールの大きさだと思う。気の遠くなるような過去から気の遠くなるような未来へ。人間の意識で到底想像できない無限の宇宙が描かれている。「望郷編」でも、1つの文明がはじまり、滅ぶまでの壮大なスケールの物語となっている。
そしてもう1つは、徹底的な悲劇と困難の中であがき、必死に生きる人間を描くこと。手塚治虫は、「悲劇」の天才だと思う。死ぬよりもはるかに恐ろしいこと、耐えがたいことを、なぜこんなにも思いつけるのか、不思議に思うほどだ。
本作は、「尺の短さ」のため、この2つが完全につぶされている。展開を急ぎすぎて、まるでダイジェスト版のようなので、エデンから地球への旅にまるで広大さを感じない。この作品の宇宙は「小さい」。
そして、ロミの人生の悲劇性も大変うすまっている。原作では、近親相関のタブーをくり返してまでも子孫を絶やすことを選択できなかったロミの悲壮な思いや絶望が描かれていた。
もちろん、「全部原作どうりにしなければ認めない」などと言いたいわけではない。かなり昔の漫画なので、絵もストーリーも演出もリアリティも、全部イチから構築すべきなのだとは思う。しかし、それは「火の鳥」の面白さの本質を核にしていなければ意味が無い。
また本作は、原作ファンに対しても、初見の人に対しても、どちらにもささらないような作品になってしまっているのも残念だった。原作ファンを対象にするのであれば、「なぜ原作どおりにしない?」と思えるところが多かった。もちろん尺を短くまとめるために必要なところもあるにはあったが、変える必然性の無いところも多かった。たとえば、主要キャラはコム、牧村、チヒロ以外はキャラデザが変わっていたが、変える必要があったのだろうか?(変えたから良かったと思える要素が見当たらない)
また、原作ファンサービスのつもりなのだろうが、「復活編」「生命編」「未来編」につながるシーンや、それらを思わせるシーンを入れているが、ストーリーの面白さが伴わなければ、むしろ安易に思え、かえって腹立たしいい。
初見の人にとってはよりしんどい。火の鳥の世界観を知らない人にとっては、ムーピーやチヒロがなんなのか理解できないと思う。一番謎なのは「火の鳥」だろう。映画のタイトルになっている「火の鳥」が何なのか、映画の中でほとんど触れられていない。
ストーリーは終盤が特にひどかった。地球に着いてからの展開は説明不足で意味不明に思えただろう。終盤はとくに原作を変えたところが多かったが、中途半端に変えたものだから、若返ったあとのロミの寿命に対する牧村の発言が矛盾していたり、コムが死んだのか死んでいないのか曖昧だったり、触覚の変形が何を意味してるのか分からなかったり、チヒロが人間の姿をしていることについての説明が不足していたり、もうぐちゃぐちゃだと思った。
また、原作の「望郷編」はエデンの崩壊がクライマックスで、映画としても見せ場になるべきシーンだと思うが、本作ではまるごと省略されているから、初見の人には特に意味が分からないだろう。
原作厨みたいにボロカスに言いまくってしまったが、本作で1つだけ評価したいところは、「テーマ」だ。本作では、「地球が宇宙でかけがえのない美しい星であり、それを守っていかなければ悪夢のような未来になる」というところにテーマをしぼっていると思う。そこは良いと思った。
『火の鳥』? 『火の鳥』を『鉄コン筋クリート』と比べないで
版権の問題とは思うが、何故望郷篇なのかと思い見に来た。
僕がライブで連載を読んだ最初の作品が『望郷篇』だった。しかし、テーマがタブーそのもので、長い事好きではない火の鳥の『一つの巻』。
だから、鳥つながりで、酉年の僕は見る亊にした。
この映画は火の鳥ではない。
永遠の命なんてないのだから、一瞬一瞬を大事に生きなければ駄目だ。そう思った。まぁ、この映画を見る時間くらいは、無駄とは言えない『つかの間の夢』なのだろうが。
僕にとって、今日は。
『岩船』が二度出てきた。
追記
『ズダーバン』は『ディープスペース9』の『クワーク』だぜ!
一つの時代に触れる・感じる作品。
恐らく、ギリ手塚治虫作品に少年期に触れた世代です。小学生の時、図書室で貪り読んだなぁ…(今でも記憶にあるのが神代日本の火の鳥とブラックジャック❗️) さて本作。50年前(多分)に、この内容とは恐れ入ります。映像美も相まって文学作品調です。個人的な感想として星新一っぽいです、オチも含め! ただ、超絶現実主義の手塚氏のエグみがあるのも事実で、少しだけ観る人を選ぶかもしれません。性や精神、宮崎駿の源流を感じました。後、展開も若干昭和です。 アニメーション自体は4°C、流石のクオリティーで楽します。 これこそ映画館で是非ご観賞ください!!
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