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「どういう観方でこの手の映画を見るのかの相場が難しい」Moonlight Club in 長寿庵 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5どういう観方でこの手の映画を見るのかの相場が難しい

2024年3月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年99本目(合計1,191本目/今月(2024年3月度)17本目)。
(前の作品 「コットンテール」)

 もともとこのシリーズは、コロナ事情が深刻だったときに、いわゆる「チェス座りルール」がまだ適用されて映画館も「半開き」程度の状況だったときに「どうすると感染リスクをさけて漫才を楽しんでもらえるか」というシリーズで始まったということです(前作の舞台挨拶で)。

 その映画の続きという事情もあるので、コロナ事情のこうしたことは残っているし(ただ、コロナという語は出ない)、ほぼ漫才を映画館で見に行くのと同じような扱いなので合理的な範囲で笑いは起きるし、それは映画館も了知済み(ある程度「うるさい」映画であるのは知っているはず)なのだろうというところです。

 本映画は3作品に分割されていて、見に行ったのがVer1,2の2つですが(Ver3にあたる最終編は2週間後の同じ火曜日)、どのシリーズからみても楽しめるかなと思います。ストーリーというストーリーはないに等しいし、成り立ちの特殊性から「映画館で漫才を見る映画」なので、何が(漫才の)ネタなのか等を書き始めるとネタバレどころか著作権上好ましくないところも出てきます。

 もちろん、ここのページや予告編、公式サイト等で見られる通り、LGBTQに関することを扱っているので(当事者がその役。ただし、LGBTQの問題提起の映画でも漫才でもない。そのような話はほぼ出ない)、そういう枠で見に行くのは違うのかな、といったところです。

 上述のようにこのような事情なので、あまりあれこれ書けない事情はありますが、「どのシリーズから見に行ってもおすすめ」といったところです。漫才といえば大阪(関西)が有名ですが、どこででも広く放映されればよいな、と思った一人です。

 採点に関しては以下を考慮しました。

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 (減点0.3/事務管理に関する解釈関係)

 この映画では、二条駅までおばあちゃんを連れて行くところですが、これは法律上の事務管理にあたります。したがって報酬は要求できませんが費用は請求できます(この場合であれば、二条まで運転したときに消費したガソリン代)。ただ、この映画で出てくるこのおばあちゃんはどうも認知症か何かで、そうした方に費用を要求しても支払いが期待できない一方、そもそも「本人の意思がわかるか推知できる場合」にはそれに従う必要があるものの、認知症と思われる方の場合の「本人の意思がわかるか推知できる」ということは少ないので、何をもって管理者の適正な対応とするかが観念しづらい点があります。
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yukispica