ナポレオンのレビュー・感想・評価
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日本人にはベースとなる予備知識が不足して少々消化不足になるかな。
私が、日本で置き換えたら勝手な創作邦題ながら「新・豊臣秀吉と妻たち」と言ったところ。冗談抜きに、本作で描くナポレオンは、まさに豊臣秀吉って感じでした。
豊臣秀吉の天下統一と・世界進出を目指した道のりと、寧々や茶々といった女性との関係を2時間40分の尺に押し込んだ感じ。NHK大河ドラマとかで描かないと厳しいですよね~。
それでも日本人の少し歴史好きなら、豊臣秀吉の一般的な人となりとか、茶々との関係の成り立ちを省略したとしても何とかなる。
豊臣秀吉であれば、日本人なら、仮に唐突に本能寺の変や、朝鮮出兵、小便漏らしなどのシーンに展開したとしても、視聴者は置いてけぼりにならない。
一方でナポレオンとなると、よほどの世界偉人好きでもなければ生涯の逸話を知っている人はいないと思う。
本作では、話しの展開が早く、ある程度、ナポレオンの基本知識がないと置いてけぼりになる。
まぁ、それでも私的には当時のフランス上流の結婚や離婚の形や、戦争の雰囲気を知ることができたりして、ツマラナイということはなかったのですが、うーん、恐らく全く万人向けではないですね。
単に迫力ある戦闘シーンや、高揚するようなスーパーマン的な活躍を主に期待した人には2時間40分は厳しいでしょう。
戦闘シーンは迫力あるが、それは全体としては一部でしかない。
「へぇー、ナポレオンって、そんな人物、生涯なんだ」と学習したい人にはお薦めします。
映像 ★★★★
音 ★★★★
物語 ★★★
役者 ★★ (全般的に印象薄い、編集と脚本の問題かも)
編集 ★★★
粗さ ★★★ (合格レベル)
総合 3.0
余談
エンドクレジットのスタッフ紹介の役割のところで「HOD・・・」というのが多かった。「HOD」って何でしょう。今まであまり見たことない。知ってる人居たらコメント下さいね。調べると「石炭入れ」とか「北海道onデマンド」が出てきますが、そんなことはないでしょうし・・・。
映像はスゴい。でもエモーションが無い。
「地獄の黙示録」や「乱」のような、実写ならではの迫力ある戦闘シーンの数々は圧倒的で、これは映画館で観なければ味わえないスケール感だと思う。
が、一方で恐怖も高揚もない、淡々とした映画であることもまた事実だ。
監督インタビューによると、大軍を率いて敵国の首都を目指し遠征に出かける男が、妻がパリで何をしているのかということに心乱される、その二面性に心惹かれた。との事だったが、そこでリドリー・スコット自身はナポレオンの中に何を見たのだろうか。
ナポレオンの類まれなる戦術家という一面が映画の一本目の柱であること、そしてジョセフィーヌとのシンプルに「愛」と呼ぶには些か奇妙な結束感、というのが映画を支える2つめの柱であるのは間違いないが、この2つが撚り合って出来たものに、肝心の魂みたいなものが乗ってないのだ。
最初に戦闘シーンの圧巻さについて書いたが、戴冠式の再現度の高さや、ナポレオンを演じるホアキン・フェニックスの表情の捉え方など、映像の力についてはこれ以上ない素晴らしさだ。
なのに、全く胸がときめかない。
「英雄か、悪魔か」という問いのようなキャッチコピーに対し、「いや、ただの人間だ」というのがリドリー・スコットの描きたかったナポレオン像なのだろうか?
小学生の頃に父の蔵書「男の肖像(著・塩野七生)」を読んだ。カバーは「サン=ベルナール峠を越えるボナパルト」で、本書の中にもナポレオンは取り上げられているのだが、内容についてあまり覚えていない。
どうもこの頃から私自身がナポレオンに対してあまりにも興味がなかったらしく、巨匠リドリー・スコットをもってしても、やっぱりナポレオンに対して情も興味も湧かないという、決定的な問題点があるのかもしれない。
監督は観た人それぞれに「ナポレオンとはどんな人物だったのか」を感じ、考えて欲しくて、あえて起伏を抑えたストーリーテリングを仕掛けているのかもしれないが、彼の半生を詰めに詰めた2時間半はあまりにも呆気なく感じられてしまった。
素晴しい! 代表的な4大バトルを再現したスペクタクル映像に圧倒される158分
小中学生の時に「エイリアン」「ブレードランナー」を観て衝撃を受け、以来大ファンになったリドリー・スコット監督の最新作
とても楽しみでかなりハードルの上がった状態で観ましたが、期待通りの見どころ満載の作品に大満足です
本作は何と言っても大迫力のバトルシーンの数々に圧倒されるのが魅力ですが、その前に本筋を。
ナポレオンの栄枯盛衰と彼が生涯愛した妻(子が産めず無念の離縁となるが)ジョゼフィーヌの歪んだ愛がベースとなりストーリーが展開します
ジョゼフィーヌは感情をあまり出さず何を考えているか判りにくく、更にナポレオンが留守中に愛人を連れ込んで快楽にふける様な、かなり”イっちゃってる”女性、そんな女性を愛し続けたナポレオンも相当に普通じゃない人だったんですかね、二人の関係は全く理解できませんでした
そんな二人を演じるホアキン・フェニックスさんとヴァネッサ・カービーさんの演技が圧倒的で素晴らしかったです
そしてとにかく映像が素晴らしすぎる
19世紀初頭のヨーロッパ、特に数々の宮殿内外のロケーション、そして灼熱のエジプトから極寒のロシアまで、強いハイコントラストの重厚な映像で魅せまくります、これを劇場の大画面で観るだけでもうっとりします
そして確実に映画史上に残るであろう、ナポレオンが指揮した下記に記す代表的な4大バトルを再現したスペクタクル映像がとにかく凄まじすぎます、その風格は生涯ベストの1つ名画「ベン・ハー」の戦車バトルと互角に感じました
若きナポレオンが武功をあげ出世した”トゥーロンの戦い”
氷上に敵をおびき寄せ、大砲攻撃で大軍勢を湖底に沈めた”アウステルリッツの戦い”
60万の兵で出兵するもロシアの極寒の地での苛酷な環境に大勢の兵を無くし、わずか4万の兵での帰還となった”ボロジノの戦い”
イギリスとプロイセン連合軍に完膚なきまで叩きのめされ流刑となり、人生最後の戦闘となった”ワーテルローの戦い”
ナポレオンはこれらに代表される全61回の戦いを指揮し、それによる戦死者は300万人以上を数える、というラストクレジットに驚き、それで得たものは一体何だろうか、と心が痛みました
この様な作品が劇場の大画面と大音響で観られる事が素晴らしい体験だと思ますし、つくづく映画って本当にいいなあ、と思わせてくれる、最高に幸せな時間を過ごせました
ジョセフィーヌ
ナポレオンの妻が浮気ってビックリです。
ジョセフィーヌが、子供が産めなかったんですね。
ナポレオンは、完全な英雄だと思っていたんですが、苦惱、挫折がいろいろあったんですね。
最後の言葉、ジョセフィーヌ。
【”フランス、陸軍、ジョゼフィーヌ。”フランス革命後、一気に皇帝にまで上り詰めた男の終生一人の女性へ愛を捧げる人間的な姿と、戦での非情な姿を描く。数々の戦場の迫力溢れるシーンも見事な歴史大作である。】
ー この物語は、冒頭フランス革命により断頭台で斬首されるマリー・アントワネットの姿から始まり、混乱のフランスの中勢力を拡大し皇帝にまで上り詰めるナポレオン・ボナパルト(ホアキン・フェニックス)の姿と、若き頃見初めたジョゼフィーヌ(バネッサ・カービー)を終生愛し続けた姿を、並列に描いた作品である。-
◆感想
・この作品は、ナポレオン・ボナパルトを英雄としては描かずに、一人の悩める男として描いている。そして、可なり史実に忠実に描いている。
■ジョゼフィーヌを演じたバネッサ・カービーの妖艶な美しさは見事である。
一目惚れしたナポレオンが初めて二人で逢った時に、椅子に座り足を開けて”覗いて御覧なさい。”と言うシーンの妖艶な表情や、子が出来なくてナポレオンと別れる儀式の際のやつれた表情も印象的である。
・ナポレオンがエジプトへ出兵している時に、ジョゼフィーヌに愛人がいる事を知ったナポレオンが戦を部下に任せて、フランスへ戻る姿。
ー どれだけ、愛してるんだ。戦地からせっせとジョゼフィーヌに手紙を書いている姿。
ナポレオンが寝ている時に、ブルーチーズの匂いを嗅いで、”ジョゼフィーヌ、今宵はもう満足じゃ・・。”と言ったという艶っぽい小咄を思い出す。-
■今作のもう一つの魅力は、彼が名を挙げたトゥーロンの戦いや、ロシアとオーストリア軍とのアウステルリッツの戦いや、ワーテルローの戦いでの、迫力溢れるスペクタクル映像である。
現在、これだけの映像を撮れる監督が何人いるであろう。
流石、リドリー・スコット御大である。
・一度はロシア遠征で失敗し、その後も斜陽となって行くナポレオンがエルバ島に一度は流されるも、ほぼ単身フランスへ戻るシーン。
ー 彼の前に立ちふさがる銃を構える大隊の兵士たちに対し、怯まずに語りかけ、最後は大隊の兵士たちが”ナポレオン皇帝!”と叫び、彼を受け入れるシーンは沁みたなあ。-
・だが、”百日天下”の後、ワーテルローの戦いでの広大な平原での英国軍との一騎打ち、そして駆け付けたプロイセン軍に敗北し、ナポレオンはセントヘレナ島に幽閉されるのである。
<今作は、一人の野心触れるフランスを愛した男が、一人の女ジョゼフィーヌを終生愛しつつ、一気に皇帝にまで成り上がる姿、そして、その後徐々に勢いを失って行く姿を、数々の戦の迫力溢れるスペクタクル映像と、ジョゼフィーヌへの愛憎に苦悩する人間的な姿とを並行して描いた歴史大作なのである。>
IMAXで観た甲斐があった!
予習ゼロだからナポレオンといえば戦争でたくさん犠牲者をだした冷酷な人って大雑把なイメージしかなかったが、リドリー・スコットとホアキン・フェニックスによって作り上げられた彼は人間味溢れていてイメージが一変した
ホアキンの演技の幅に感心したし、ジョセフィーヌとの微妙な関係も心に響いた
売りの戦闘シーンは迫力が凄く、迷った末にIMAXで観た甲斐があった
スペクタクル映画ファンにはお薦めのスペクタクル超大作
ナポレオンと妻・ジョゼフィーヌとの交わりを中軸に置きながらナポレオンの伝記を描いた2時間半の超大作であり近世一代叙事詩です。久し振りに観る近世スペクタクル戦闘シーンには興奮しました。
特にラストのワーテルローの戦いの超絶スペクタクルシーンは8千人ものエキストラを集めて撮影したただけあって圧巻です。
相当にお金もかかっているんじゃないでしょうか。少なくとも映画の大画面で、できれば
IMAXでご覧になることをお薦めします。
日本語吹き替え版がいい
リドリー・スコット監督の歴史超大作を初めて日本語吹き替えで劇場鑑賞できました
すごく観やすく分かり易いし長時間でも楽でした
絶滅に瀕している洋画上映ですが何の拘りで字幕上映ばかりなのかわかりませんが
基本を吹き替え上映として一部字幕上映を小さなスクリーンでやれば十分ですし
それが観客の洋画離れを防ぐ最良の方法だと思います
昔TVで夜の9時から2時間番組に編集された吹き替え映画をみんな観ていたし
洋画自体の人気も非常に高かった
ショーン・コネリー、クリント・イーストウッド、
エディ・マーフィー、ジャッキー・チェン
みんな名物吹き替え声優で本人の声を知らなくてもキャラクターが親しまれていたし
今も再び名物吹き替え声優が次々に登場してくればそれもまた盛り上がると思います
さて本編ですが有名なエピソードもかなりそぎ落とし
登場人物も彼はどこに行ったの?という感じで
ソリッドに本題だけをしっかりと描いているのは如何にもスコット監督らしいです
特に本物語の主役ともいえるジョゼフィーヌ役の女優さん誰だったかな
良く知っている顔だけど何で観たんだっけ?と考えていると
すぐにあっ!そうだMIシリーズのホワイト・ウィドウだと思い出しました
まさに何となく共通点がありそうなナイスなキャスティングで
ジョゼフィーヌという人物を理解するのに手っ取り早かったです
壮大な歴史超大作でありながらナポレオンとジョゼフィーヌに絞り込んだ物語は
とっ散らかることなく観やすい作品に仕上がっています
ジョゼフィーヌ
リドリースコットがナポレオンを撮るというので楽しみにしてました。
ナポレオンの生涯を描き切るには流石に時間が足りない。
その分ナポレオンの妻のジョゼフィーヌとの関係を描く事でナポレオンという人を描いているのは流石。
歴史に詳しくないとなかなか分かりづらいところもあるがそれでもワーテルローの戦いのシーンなどは迫力満点。
それとやはりナポレオンの戴冠式のシーンはダヴィッドの有名な絵画そのもので素晴らしいの一言。
これからのリドリースコットはどんな作品を生み出すのかますます楽しみ。
ナポレオンの半生を描くにあたって、ジョゼフィーヌを一種彼の「幸運...
ナポレオンの半生を描くにあたって、ジョゼフィーヌを一種彼の「幸運の女神」のように位置付ける視点が面白い。人生の最高点は自分と彼女を戴冠させる時であり、エルバ島からの帰還は彼女の死とともに失敗に終わる。この題材を2時間半でまとめるには適切な構成ではあるが、ドメスティックに小さくまとまってしまっている感は否めない。浮気がバレて泣き叫んでも、一夜を共にすれば立場を逆転させているジョセフィーヌのしたたかさは、痛快ではある。戦闘シーンもナポレオンが頭角を現すトゥーロン、アウステルリッツ三帝会戦、そしてワーテルローと必要最小限だが、銃弾砲弾が容赦なく人馬を吹き飛ばす迫力は、劇場ならではの圧巻。砲弾の降り注ぐなか、直立不動で太鼓を叩く軍楽隊が特に印象的。それにしても、こういうヨーロッパ全土を跨ぐ歴史劇で、(ほぼ)英語のみの使用というのは、ヨーロッパ各国の歴史文化の厚みを相当減ずるもので、大作であるだけに勿体ない。
長編ですが語るには短い
英雄である!
忠実に再現されているかはわかりません
胃に手をあてるポーズはなかったように思います
英雄ナポレオンの良く知らない部分が少しわかったように思います
しかしまだまだ謎だらけで伝えきれてないように思います
撮影など色々大変ですよ時代劇は…
ここまでが限界なら仕方ないですね
ナポレオンがこの映画を観たら文句を言わないかな?
英雄(or愚将)と怠惰妻ののっぴきならない関係
予想通り、リドリー・スコットのこれまでのフィルモグラフィをおさらいしたような内容だった。
大いなる権威や象徴を得た者の悲劇という視点で『ゲティ家の身代金』、『ハウス・オブ・グッチ』が重なれば、男共を手玉に取る女という視点では『テルマ&ルイーズ』、『ハウス・オブ~』、『最後の決闘裁判』を、男と男の真っ当からぶつかり合う闘いという視点だと、デビュー作『デュエリスト 決闘者』や『ブラック・レイン』、『エクソダス/神と王』などを想起。兄弟の絆を描いているあたりは、実弟の故トニー・スコットとのそれだろう。
小柄なナポレオンをホアキン・フェニックスが演じると知った当初は驚いたものの、DC展で展示していた『ジョーカー』の衣装の小ささに驚いた事を思い出し、適役だったんだなと認識(ホアキンは175cmぐらい)。
歴戦の英雄なのか?それとも死者を多数出してしまった愚将なのか?見方によってどちらとも取れるような曖昧な人物像のナポレオンを演じきったホアキンは流石の一言。ただ、年月経過を体重増加とカエサル(シーザー)カットになっていく頭髪で把握するしかなかったのは、ちょっとおざなり感。それよりも何よりも印象深かったのは、妻ジョゼフィーヌを演じたバネッサ・カービーの怠惰妻ぶり。性欲発散よりも子が欲しいという願望が強いナポレオンを、半ば事務的に受け入れる彼女のけだるさが絶妙すぎた。
大スクリーン映えする戦場シーンを含めてゴア描写が満載なのも、とても86歳が撮ったとは思えないほど才気走っていたスコットだが、『グラディエーター』で『スパルタカス』オマージュを詰め込んでいただけあって、やっぱりキューブリックが好きでたまらないんだなというのがよく分かった(劇中での仮面舞踏会のシーンは『アイズ・ワイド・シャット』オマージュか?)。とにかくスコットには、亡くなった弟の分まで映画を撮り続けてほしい。
虜になってますやん。
ナポレオンの功績はもちろん見られるけれど、
それよりも妻ジョセフィーヌとの関係を描いた
男ナポレオンのドラマ要素を強く感じました。
だからこそイギリスとの戦いでは人間味が増して、
感情が揺さぶられ…見応えありの3時間弱。
最後にも出てきますが数々の戦で戦死した人数がとんでもない。それほどまでにナポレオンが求めていたものとは…。
とにかくホアキンがたまらなく良い。
音楽も良い。
(語彙力のなさが露呈)
ナポレオンケーキを思い出して久しぶりに
食べたくなりました。
運命の人
ランペルールというゲームがたぶんナポレオンとの出会いだったと思います。
あれだけ有名人なのに俯瞰的に人生を見ることがありませんでした。
マリーアントワネットの処刑から始まるこの映画はダイジェスト版ではありましたが彼の人生の光と闇を描いていました。
にわかは置いてけぼりヲタクには物足りない
ことごとく説明を省いて
淡々とナポレオンの生涯を描く伝記映画の為、
この時代の歴史を知らないと全く意味のわからない映画です。
かといって我々のようなヲタクが見ると
活躍した主要なフランスの元帥や
対仏大同盟の将軍たちや貴族がほぼ出て来ない
ロシアやオーストリアは皇帝のみ
プロイセンは一瞬映るだけ
ゲプハルトは!?クトゥーゾフは!?カール大公は!?
あげるとキリがありませんが歴史ヲタをくすぐる要素がないのはリドリースコットらしくなく残念
良いところは見惚れるほど精巧な衣装凝り具合
なんといってもホアキンの圧倒的な演技力
今までの戦列歩兵時代の映画ではなかった最新の凝ったカメラアングル
ナポレオンの半生記みたいな感じ。
この手はなんとかシアターみたいなより大きい画面の方が楽しめると思う。これから見る方はIMAXなどをオススメします。
馬が大砲に当たって死んだのが、なかなか…
後継、後継って…その後、お子の成長は?
ジョセフィーヌとの話みたいな
映画前の広告しか見てなかったので、もう少しアクションぽいのかと思っていたが、どれだかナポレオンがジョセフィーヌに惚れてたのかみたいな、フォーカスした伝記の話。何回か見るとより楽しめそう。
衰えを感じさせないスコット監督の見事な歴史スペクタクル
字幕版を鑑賞。今年 86 歳になるリドリー・スコット監督の最新作である。スコット監督の代表作には、「エイリアン」や「ブレード・ランナー」に代表される SF ものと、「グラディエーター」「最後の決闘裁判」などの歴史ものがある。「エイリアン」シリーズでスコット監督が撮った第一作こそ大傑作だったが、この作品の出来の良さは脚本家のダン・オバノンの力量によるもので、オバノン没後の「プロメテウス」と「エイリアン・コヴェナント」では物語の世界観を潰しかねない展開を見せて、目も当てられない惨状を呈するに至った。その一方で、歴史ものには一切駄作がなく、極めて洗練された美意識が画面の隅にまで徹底していて、かつての「十戒」や「ベン・ハー」級の名作を世に送り出して来ている。
本作も、まさに歴史的な瞬間を観客に目撃させているかのような画面作りは非常に見事である。ヴェルサイユ宮殿などを使ったロケーション撮影は有無を言わせぬ圧倒的なリアリティを見せている。戦闘場面も息を呑むほどの出来上がりで、両軍の行動や顛末が良くわかる。戦場を俯瞰した画面の壮大さもさることながら、兵士レベルでの視点でも徹底したリアルな画面作りが行われていた。
物語はナポレオンが頭角を現して以降の生涯をなぞりながら、本人の内部の悩みや葛藤を描くのに力を入れている。身長が 168cm と小柄だったナポレオンを 175cm のホアキン・フェニックスが演じているのだが、ダンスシーンなどでは女性の方が大きく見えるような撮り方を工夫しているのも配慮が感じられた。歴史上の偉人には小柄の人が多く、モーツァルトやベートーヴェンやワーグナーも 170cm 未満で、西洋人の中では平均以下である。
ただ、少し説明不足のところも気になった。序盤のトゥーロン攻囲戦の見せ方は実に見事だったが、ロシア戦やワーテルロー戦で何故負けたのかの描写は不十分だと思った。ロシア戦でロシア側が仕掛けた焦土作戦は非常に良く描かれていたものの、大多数の死者を出した撤退戦がほぼ省略されており、ワーテルロー戦ではプロイセン軍の到着のみが敗因のようになっていたが、ナポレオンが中央突破にこだわり過ぎたのが原因である。また、ジョセフィーヌの浮気が新聞沙汰になっていたのは、ナポレオンがジョセフィーヌ宛に書いた手紙を乗せたフランス軍艦がイギリス軍に拿捕されて読まれてしまったからであるが、その描写はなかった。
ジョセフィーヌは、夫の留守に若い将校を連れ込んで浮気に耽っているばかりのように描かれていたが、宮廷の庭にバラ園を作って 250 種ものバラを育成したほか、バラの専門家に命じて新種の開発にも功績を残し、そのお陰で 200 種もの新種が生まれているのである。また、写真がなかった時代のため、画家のピエール=ジョゼフ・ルドゥテに詳細な絵を描かせた功績も忘れ難い。せめて庭のバラに囲まれた姿を撮って欲しかった。
ナポレオンの功績には現代にまで残っているものがあり、欧米では通りを挟んで番地の末尾が奇数と偶数に分けているのだが、これを始めたのはナポレオンである。また、法の前の平等、私的所有権の不可侵、個人の自由、信仰の自由などを基本原則としているナポレオン法典は、現代フランスの法律にほぼそのまま受け継がれているのだが、こうした事績が省略されているのはやむを得ないことだと思う。
それにしても、ナポレオンが起こした一連の戦争で戦死したフランス兵は 300 万人にも及んでおり、青壮年男性を中心とする生産年齢人口の低下によって、国力でイギリスやドイツ、のちにはアメリカにも抜かれる要因となった。まさに「一将功成りて万骨枯る」という典型であった。ちなみに、今年ナポレオンが着用していた帽子の一つがオークションに出されて、3億円ほどで落札されている。
音楽はハイドンやモーツァルトなど、同時代の作品を選曲してあって時代の空気を感じさせていたほか、オリジナルの楽曲も非常に見事であった。特にエンドロールで流れる曲はメドレー風になっていて聴き応えがあった。スコット監督の演出は実に冴えていて衰えを一切感じさせなかった。次回作も非常に楽しみである。
(映像5+脚本5+役者5+音楽4+演出5)×4= 96 点。
彼は英雄?それとも侵略者?【55点】
IMAXで鑑賞。
偶然にもフランス旅行の前日に観ることが出来た。
ナポレオンと言えばフランスでは英雄的扱いをされているが、他国とくに日本人の自分から映画を通して見てみたら独裁・侵略者としてのイメージが強く残った。戦死者がとんでもない数…
本作は残虐なシーンがいくつかありちょっと驚いたけどPG12なのか。ナポレオン関連史を勉強してから観に行ったが、やはり彼の半生を描くには時間が足りないと感じる。戦闘シーンも多かったが中でも、アウステルリッツの三帝会戦が迫力大。
ナポレオンがいなかったらどうなっていたのか気になった。
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