「単なる「印象操作」じゃないと信じたい」ナポレオン Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)
単なる「印象操作」じゃないと信じたい
『ナポレオン』と単純明快なタイトルをつけた映画としては、3作目らしい(出典:映画com)。初回作から97年、2作目から68年経過している。
さらには、ナポレオンを登場人物とした映画の本数は177を数え、これはギネス世界記録らしい(出典:Wikipedia)
″ナポレオンの人物像に関する新解釈″、という前宣伝
86歳になったリドリー・スコット御大の魔法やいかに
なにより、ホアキン・フェニックスの新作!
という要素が私を映画館に連れていったのだが、
なにが、″人物像の新解釈″に当たるのか、判然としなかった。
ナポレオンを「偉人」や「英雄」として扱いたくない意図は伝わってきたが、作りて側がナポレオンをどう″解釈″したか、については観客に判断を任された、と受け取るのがよいだろう。
私はどう受け取ったのか?
故・安倍晋三さんが国会答弁で好んで使ったフレーズ、
『印象操作』というワードを思い出してしまった。
事実の積み上げだけでは決定的なものに行き着かないので、状況や動機を想像で埋めている。
事実としてハッキリしてるのは、
「偉人や英雄ではない」としても
「世界の歴史を動かした人物の一人」ということだ。
愛妻家で別に構わないし、ヤキモチ妬きでもok、
後継ぎが欲しいのも単に個人の感情だけではなかろう。
ジョセフィーヌを手放したら運も尽きた???
ホンマかいな(笑)
ホアキン・フェニックスが主演を演じてなくて、
リドリー・スコットがメガホンをとっていなかったら、
敬意を欠いた評価が乱れ飛びそうな、そんな映画だった。
【好きなシーン】
エジプトでミイラと対面するシーン
アウステルリッツ・ワーテルローの戦闘シーン
もぬけの殻になったモスクワで玉座に座るシーン
ホアキン版ナポレオン、全体通して良かった!
VFXのクォリティの高さ!
【個人的に好まないシーン】
ジョセフィーヌとの濡れ場?(笑)
冒頭のマリー・アントワネットのシーン
全編を英語で貫いたこと
ホアキン・フェニックス、やっぱ上手いわ!という感嘆を込みで、★2.0(辛すぎ?)
共感ありがとうございます。
この映画は今ひとつ物足りなかったですね。
「異人たちとの夏」
なんとも言えない甘酸っぱい懐かしさに、私も胸いっぱいになります。
鶴太郎さんと秋吉久美子が、そこに行ったら居そうで、
子供に返ってしまいますね。
新解釈というか、世界史的な覇王とか独裁者という人種は、おしなべて何処か小児的だったりナルシストの夢想家なのだろうなぁとか、本作のナポレオン像を観てもそんな事を感じました。