「分厚いだけのナポレオン伝記本」ナポレオン シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)
分厚いだけのナポレオン伝記本
出来具合に波のあるリドリー・スコット監督の歴史大作でナポレオンが題材ときたら期待半分不安半分だけど、結果としてはスペクタル画面以外はなんとも大味な作品でした。ナポレオンとジョゼフィーヌとの関係にポイントを置いてるのが新しい試みみたいだけど、子宝に恵まれない中年夫婦のドラマがダラダラ続くんで盛り上がりに欠けます。歴史物が得意なリドリーだけに、戴冠式での衣装やセットは豪華絢爛だし、戦争シーンも大迫力で色調を落とした硬質な画面もリアルです。ただ、映画の中であまり当時のヨーロッパの政治情勢などの説明がないので、戦争の背景も分かりにくいのが残念。役者では、ホアキン・フェニックスが感情を抑えたナポレオン役を好演、バネッサ・カービーも力強い瞳が印象的でした。
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