劇場公開日 2023年12月1日

「筆舌しがたい名作」ナポレオン まだまだぼのぼのさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5筆舌しがたい名作

2023年12月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

158分という長尺を全く感じさせない圧倒的没入感。とにかく凄い作品です。言葉にするのが難しい…。

数々の名言を残し、名画にも刻まれ、歴史に名を残した希代のカリスマ・ナポレオン。フランス革命以降、数々の闘いで手腕を発揮し、皇帝に上り詰め、そして衰退していく。彼がどう闘い、何を思い、何を求め、犠牲にしたのか。
名優と名監督により映し出されたその様は凄まじく、同時に切なくもありました。

巨額の予算を掛けて描かれるとんでもない迫力の戦場シーン、美しく煌びやかな貴族たちの衣装や家具・装飾品、各シーンを盛り上げる楽曲、名優たちの演技合戦…もう目を離す隙がないとはこのこと。いやーーー凄かった!!
特に戦争描写は凄まじく、大量の兵士が統率のとれた陣形を保つ一方で、容赦なく人も馬も消耗品のように吹き飛ばされていく様が、様々な画角で映し出されることで残酷さが際立っていたように思います。気温、臭い、砂埃、血、肉、そんな戦場の空気がこちらにも伝わるようでした。

一方で、ジョセフィーヌとのやりとりを中心に描かれるナポレオンの人となりも印象的。戦争のカリスマも、恋した相手に対しては奥手というか中学生男子みたいな反応なのが意外だったし、ナポレオンとジョセフィーヌの関係性が単純な愛だけではなく複雑なものであり表現が難しいにも関わらず、本作がラブストーリーにも思えるほど余韻に二人の姿が強く残るのは、ホアキン・フェニックスとバネッサ・カービーの素晴らしい演技があってのことだと思います。

これ程までに大きいスクリーンで観る価値のある作品も稀だというくらい、物凄かったです。
ちなみにナポレオンの史実をサラッと予習すると物語に集中し易くてオススメです。

あーー良いもの観れたーーー!

まだまだぼのぼの