「 ナポレオンの半生を描くにあたって、ジョゼフィーヌを一種彼の「幸運...」ナポレオン sugsyuさんの映画レビュー(感想・評価)
ナポレオンの半生を描くにあたって、ジョゼフィーヌを一種彼の「幸運...
ナポレオンの半生を描くにあたって、ジョゼフィーヌを一種彼の「幸運の女神」のように位置付ける視点が面白い。人生の最高点は自分と彼女を戴冠させる時であり、エルバ島からの帰還は彼女の死とともに失敗に終わる。この題材を2時間半でまとめるには適切な構成ではあるが、ドメスティックに小さくまとまってしまっている感は否めない。浮気がバレて泣き叫んでも、一夜を共にすれば立場を逆転させているジョセフィーヌのしたたかさは、痛快ではある。戦闘シーンもナポレオンが頭角を現すトゥーロン、アウステルリッツ三帝会戦、そしてワーテルローと必要最小限だが、銃弾砲弾が容赦なく人馬を吹き飛ばす迫力は、劇場ならではの圧巻。砲弾の降り注ぐなか、直立不動で太鼓を叩く軍楽隊が特に印象的。それにしても、こういうヨーロッパ全土を跨ぐ歴史劇で、(ほぼ)英語のみの使用というのは、ヨーロッパ各国の歴史文化の厚みを相当減ずるもので、大作であるだけに勿体ない。
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