アントニオ猪木をさがしてのレビュー・感想・評価
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かなりライトな内容でした
予想していたよりもかなりあっさりテイストな作りで、自分のような猪木さん世代では無い&ライトなプロレスファンでも、良い意味で軽く楽しめる内容だったかと思います。
逆に言うと、熱心なアントニオ猪木ファンの方にはだいぶ物足りない内容ではないかなとも感じました。
後者のファンの皆さんをターゲットに作られた映画かと思っていたので、驚きです。
個人的には、ブラジルの農場や市場の取材シーンが興味深く印象的でした。
自身はライトなプロレスファンなので、猪木さんのバックボーンまではあまり知らず、純粋に「へ〜そうなんだ」と思いながら鑑賞していました。
ただ他の方がコメントしていた通り、ドラマパートでの違和感がやや残念でした。
(ドラマを見るはずがTVから流れているのはバラエティの音だったり、少年の後ろで父母が戸を開けているはずが、少年をメインに映す画角だとその戸はしっかり閉まっているように見えたり…)
猪木と関係した人たちのインタビュー集
という内容。幼少期ブラジル時代の関係者、デビューして間もない頃からのファンの写真家、新日創世期からの仲間レスラー、猪木ファンの芸能人ら、等のインタビューが8割。そして猪木ファンだった一少年の小学生時代、高校時代、大人になって人生で挫折して、の各時代における、猪木からもらった勇気、の物語(フィクション??)が挿入される。新日ファンなら見といて損はない、という感じではあり、多少ウルウルしましたが、万人受けするかと言われると、微妙だな、という感じではありました。講談師の神田伯山の巌流島対決の講談が、流石だな、と感心しましたね。
皆さんが言われているようにドラマパートは全く必要ないですね。猪木さ...
皆さんが言われているようにドラマパートは全く必要ないですね。猪木さんには数多くの名勝負があります。アリ戦や巌流島以外も裏話を含めてほっと掘り下げて欲しかったですね。これではファンは納得しないと思います。
猪木探したら迷子にされた
僕の今年ワースト映画、アイドリッシュセブンとリボルバーリリーの双璧に、強力な対抗馬が出てきたなという感想です。
これはどのターゲットに狙いを定めて製作したのかがまずわからない。そこまで猪木やプロレスに精通してないですが、全く刺さりませんでした。ファンだとしても、過去の試合映像あんな短いものだけで、果たして満足してるのか?
藤原組長の話くらいじゃないですかね、見どころ。
ドラマパートも予算をゴリゴリ削ったような雑な作りで、ツッコミどころしかない。
これじゃ猪木探しても迷子になるよ…。
すごい映画ではないけど、これを見て卒業しよう
猪木さんを卒業して、猪木さんに胸はれる人生を生きよう
そういう映画だと思う
猪木さんに囚われてしまった人は、今のプロレスに文句ばかり。猪木さんはそんなひとではない。そう思う。
観る価値なし
いったいどの観客をターゲットにこの映画を作ったのだろう?
アントニオ猪木を知らない人にとっては重要な東京プロレス、日本プロレス解雇のいきさつから後のUWF関連の話からUFOなどすべてスルー。ファンが追体験したい肝心の過去の名勝負〔本編ではストロング小林戦、IWGPハルクホーガン戦、巌流島など紹介はされるが〕はすべて短い映像、写真のみで映画がすすんでいき〔版権の問題か?〕尺が足りないからか架空の猪木ファンの再現ドラマを3回も挿入する始末。内容は夕方のTVニュースの特集レベルで非常に失望しました。お金を払って観る価値なしです!
ドラマパートは要らない
猪木のバイオグラフィーのようなドキュメンタリーを想像してたが、完全に肩透かしをくらった。
ドラマ部分は当時のファンの心情から猪木のキャラクターを炙りだす意図なのだろうが、あまりにもチープな構成で全くの逆効果。
それに、インタビューする相手の人選も疑問。
藤波や藤原のような猪木と長い時間を過ごしたレスラーはともかく、ほぼ接点のない棚橋やオカダ・カズチカや海野に何を語らせるの?(新日本プロレスに協力を仰いだから宣伝的要素もあったのだろうが)
坂口征二や前田日明や新間寿や古舘伊知郎やターザン山本など他に深い話を聞けそうな人はいるだろうに。
江本孟紀に政治家・アントニオ猪木を語ってもらっても良かったと思う。
プロレスという枠を超えた稀代のエンターテイナー・アントニオ猪木のことをよく知る方々が健在であるうちに証言を集めた猪木一代記のような泥臭いドキュメンタリーを作ってくれることを期待していただけに残念な出来。
アントニオ猪木をさがしに行けなかった製作陣。 たが、これをロードショー公開した意義は認める。
正直言って、期待外れ。…いや、そもそも製作委員会に新日本プロレスとテレビ朝日が名を連ねていることで推して知るべしだった。
追悼番組としてテレ朝の◯曜スペシャルで放送する程度の内容であり、巨星が墜ちた悲しみもまだ癒えぬこの時期を、新日本プロレスが50周年記念事業に利用したことは明白だったのだ。
だが、幼い頃、TVの向こうのヒーローは王でも長嶋でもなく、貴ノ花でも輪島功一でも沢村忠でもなく、紛れもなくアントニオ猪木だった自分としては、観なければならなかった。
内容はともかく、一人の人物を追うドキュメンタリーが全国一斉ロードショー公開されたのは、凄いことだ。
出だしは良い。
ブラジル時代の猪木を知る3人の老日系ブラジル人が、順に猪木との思い出の地を紹介する。
人間アントニオ猪木の原点を掘り起こすのか…と期待させる。が、それはそこまで。
後は猪木に心酔する人たちが交互に猪木感を語るのだが、直弟子ではない棚橋弘至、オカダ・カズチカに尺をとって喋らせていることで、50周年新日本プロレスの宣伝の意味が強いことが分かる。
だが、現代の新日本プロレスで座長を張った二人だけあって、感心する言葉もあった。
「プロレスに市民権を」と言ったのは若かりし頃の猪木。棚橋はプロレスを「マイノリティだからこそ」と語っている。
オカダは「猪木さんは誰にも捕まえられない」とテーマに即して締めくくった。
アントニオ猪木という人は、清濁が混在した奇人であり、彼を本気で非難する者もいなくはない。
そもそもプロレスという常人が理解しがたい虚実一体のジャンルで名を成した人である。
この映画は、そのアントニオ猪木をいったいどこに探しに行ったというのか。
プロレスラー猪木の何かを探すなら、伝説的な試合か疑惑の試合のどれか一つを深堀りするとか…
人間猪木の何かを探すのなら、日本プロレス除名事件、国政立候補、イラク人質開放、ブラジルとの親交、北朝鮮との親交、永久電池騒動、新日本プロレスの株譲渡、他にも知られざるエピソードは多数あるはずで、そのどれか一つを深堀りするとか…
海外の対戦相手、当時近くにいた人、対極にいた人、それらの人たちが故人なら親族友人など話を聞いていた人など、取材先こそ探さなければならない。そこから、意外な証言を引き出せたり、お宝的な何かを見つけたりできるのではないか。
手近な相手へのインタビュー集で、新たな発見は皆無。つまり、ドキュメンタリー映画の体を成しておらず、全く物足りない。
ミニドラマは取材力のなさを誤魔化すものでしかない。
重ねて、福山雅治のナレーションは…「実に面白くない」
だが、追悼番組であろうとも、これを劇場公開させたのは、日本人におけるアントニオ猪木の存在感の大きさだと思う。
各劇場も話題作並みの上映回を組んでいる。
アントニオ猪木のファンで良かった…と、思わせる映画ではある。
BOM-BA-YE❗
観る前に駄作だと考える馬鹿がいるかよ!
還暦前の私には、子供の頃から猪木はウルトラマンと並ぶヒーローでした。
皆さんご指摘の通り、ドキュメントの体を成していないとか、掘りが浅いとか、ドラマが要らないとか、聞くべき人を間違ってるとか、ツッコミどころは満載ですが、、、大きなスクリーンで炎のファイターをバックに拳を握る姿や、頭をかすめる延髄切りを見てるだけで涙が溢れて来ます。
余り期待はしてなかったものの、それだけでも見る価値はありました。
病床の姿が出なくて良かった。あれだけはとても見てられないので。
願わくば谷津デビュー戦の映像が欲しかった。
あの時の、割れた瓶を片手にハンセン、ブッチャーの両怪獣に対峙する猪木が一番好きです。
佐山や長州にもインタビューして欲しかった(長州は字幕付きで)
2023年映画館鑑賞56作品目
10月14日(土)イオンシネマ新利府
dポイント300→1500円
『カメラを止めるな!スピンオフ「ハリウッド大作戦!」』でプロデューサーを務めた和田圭介の初監督作品
ドラマ監督には『ヒロイン!なにわボンバーズ』『オレンジランプ』『高野豆腐店の春』の三原光尋
アントニオ猪木のドキュメンタリー
ブラジルまで足を運び猪木の少年時代を知る老人たちの証言
藤原藤波棚橋オカダら新日の後輩たちへのインタビュー
新日が年に一度熊本にもやって来るのだが楽しみにしてたのに猪木もタイガーマスクも故障のため欠場中でその日のメインが木村健悟だったという有田のエピソードトークが面白かった
棚橋の判断で外したアントニオ猪木の等身大パネルを再び道場に掲げるやりとりは感動的だった
マサ斉藤との巌流島無観客試合は六代目神田伯山の講談
ファン目線のドラマパート3話
小学生時代と高校生時代と落ちぶれた中年時代
小学生時代は猪木ホーガンの再戦だがチャンネル争いで姉に負ける主人公
友人の協力で電話でテレビ音声を聞き足りない分は友人の実況という今の時代では考えられない80年代
残念なことに長州の乱入があり試合が荒れたと記憶している
姉は裏番組のドラマ鑑賞だがおそらく『太陽にほえろ!』だろう
猪木ホーガンの再戦は84年
この頃はたしか渡辺徹が出演していた頃だが姉は彼のファンだろうか
高校生に成長した主人公とガールフレンド
同じ部活に所属しているようだがそれを具体的にはわからない
2人はアミューズで福山雅治のバーター丸出し
隣の席に座っていたサラリーマン風のおじさんに徳井優
最後は家庭離散で再就職した廃品工場で働く中年になった主人公はナビゲーターでもある安田顕
上司には菅原大吉
VHSに収録されていたプロレス中継を観ながら応援する姿に感動した
表情に積みかねた人生が垣間見える
安田顕はいい役者だよ
この人はうまいよ
たとえ多少モヤモヤしても猪木のテーマが流れたら納得してしまう不思議
今日も負けてしまいましたがみなさん一緒にご唱和ください
1・2・3・ダー!
あんまりよくなかった
猪木のファンだった時期は短い。見始めるとすぐにタイガーマスクが現れて、その後は長州や前田に夢中になったので、猪木は乗り越えるべき壁という存在だった。引退試合の辺りはもうあまり見なくなっていた。しかし本はよく読んでいて古くはワニの豆本から数回、糖尿病の本も読んでいる。サインをしてもらったこともある。
そうは言っても大きな存在だけに、映画は評判が悪くて恐る恐る見に行くと、確かに見たいものが見せてもらえない。話を聞くならもっとゆかりの深い人選があっただろう。途中のドラマもつまらない。特に、家庭で少年と姉がチャンネル権争いをする場面で、テレビは消したままだ。描くなら、プロレスと金八を交互にチャンネルを回して映し出されるべきだ。権利的に無理なら、再現映像を作って欲しい。それすらしない、予算の都合なのだろうか、とても貧しいものに感じる。おじさんになった時に工場で働く主人公が猪木とベイダーの試合に感極まって声を絞り出して猪木を応援する。そんな人いるか、と白けた気持ちになる。
猪木の映像ももっと見たかった。冒頭のブラジルを訪ねるところはよかった。おじいさんが途中の運河で青いバナナを食べて死んで川に死体を流したことには触れられていなかった。
平日の午前中で、見に来てる人はおじいさんばかりだがけっこう入っていた。
エンドロールが最大の見せ場
内容は他の方々のレビュー通り。
本映画のいちばんの見どころは「炎のファイター」流れるなか猪木の様々な熱い写真が流れるエンドロール。客席に「これだよ、これが観たかったんだ」という空気が感じられた。
エンドロール終わりまで誰ひとり席を立たない映画は久しぶりです。エンドロールに⭐️2つ。
まあこんな程度の作品だと
みなさん酷評でかえって観たくなったが思ったほど酷くなかったかな?昔の入れ替えの無い時代は二本立てでメインの作品のオマケの1本に良くあった様な作品 あまり経費もかかってなさそうだし大半が思い出話のシーンのみでよくネットの番組でやってる様な出き!
猪木さん探す気あるのかな?
酷評ばかりだったので期待値を激下げして鑑賞したところそこまで悪くなかった。
ブラジルのところやイラクの人質解放なんかは興味深く見られた。
探すからにはどういう猪木を探すのかテーマがなく、総花的で色んな人の色んな意見を聞きすぎたせいなのか落とし所のないものになってた。
個人的にはハイセルとか本気で世界平和や環境問題に取り組む猪木を探してほしかった。
キャスティングも新日50周年事業的なところもあるのでオカダ、棚橋、海野なぜか後藤っていうのもやむを得ないんだろうけど探したいならこの人たちじゃないよなあ。
藤原組長とたっつぁんはやはり桁違いに話に惹きつけられた。
タレントもいらないし寸劇は邪魔だし尺の無駄。
もう一度ちゃんと探してほしい。
ぼくも大の猪木ファン、プロレスファンです。
アントニオ猪木をさがして。
辛口評価が多いけど、ぼくはよかったと思うけどなぁ。猪木信者やプロレスファンを自負している方々は猪木さんやプロレスを扱うドキュメンタリーならもっとこうでなきゃ、あーでなきゃっていうご自身の希望みたいなものを持って観てしまってるのかな…って思ったり。
映画なので老若男女不特定多数の方々に、クセのある猪木さん、クセのあるプロレスを観てもらうことを作り手も試行錯誤しての今回の内容なのかと。決して作り手を贔屓してるわけじゃありませんよ。
猪木さんがブラジルに渡ってコーヒー農園で働いてたことは勿論知ってたけど、本や記事で写真は観たことあったけど、映像で、しかも一緒に働いて人や現地で猪木さんと過ごしてた方の証言を聞けたこと、猪木さんがどんなふうに過ごしてたか知れたオープニングは、若い猪木さんが想像できて、この映画にすんなり入っていけました。
試合シーンが少ないと思うなら、DVDで思う存分堪能すればいいし、インタビューのメンバーもあの人この人と希望を言えばつきないけど、不特定多数の方々にはゆかりのレスラーで占めるより、今回の出演者はよかったのではと思ってます。神田伯山さんの巌流島もお見事だし、皆さん辛口のドラマシーン3作も、自身に置き換えて観ると、子供達のドラマはジーンとするし、青春期、そして社会に出てうまくいかないとき、猪木さんに勇気をもらったという、それこそ猪木ファンの代弁をしてくれてたと思います。
この作品はアントニオ猪木、猪木寛至という職業プロレスラー、そして政治家にもなり、事業もやり、常に猪木寛至はアントニオ猪木の演出家でもあり、世間と闘い、叩かれても立ち上がり、その姿に魅了された沢山のファンがいて、少しでも自分の人生、生活にちょっとでも猪木イズムをもらって勇気を宿して明日もがんばる!っていう経験をした方いるでしょ。猪木さんってどんな人だったんだろうと不特定多数の方々が観終わって考える映画と捉えています。海野にも辛口多いけど、猪木問答の時のメンバーも、海野よりもキャリアあったレスラーが、海野よりはっきり言えてなかったんじゃない?
棚橋さんの証言が猪木さんを探してるテーマのストーリーテーラーになってると思いました。
辛口風当たりも想定内で、猪木さんを題材に作りきったこと、素直によくやりはったなぁと拍手やけどね。
ぼくはよかったと思うけどなぁ。
支離滅裂ですいません。
今一度考えてみた
アントニオ猪木という存在、器が大きすぎて、そもそも映画一本ぶんのドキュメントで描けるものではない。大河ドラマでも無理なぐらい
ドラマパートの存在意義やタイトルなどもう一度考えてみて、私なりに何か答えが出た気がする。
アントニオ猪木という存在は唯一無二で、もうこの世にはいない、
が、
アントニオ猪木の信者、ファンの数だけ猪木像や思い出があるわけで
表題は『アントニオ猪木を探して』と「探す」となっているものの、
探さずとも、既にみんなの心の中にいると思う。
ドラマパートの意味は、
「あなたにも、こんな猪木にまつわる思い出エピソードはありませんか?」という問いかけにも思えてくるし
自身の猪木を好き気なったルーツ、いつ、何で、好きになったか?
猪木に影響されあなたの人生はどうですか?
今一度、思い返し、整理して
自分の中の『アントニオ猪木』という存在や記憶を整理してみませんか?
という意味合いでの「探して」なのではないか?
猪木を探す旅は各々の心の旅なのじゃないかな?
迷わず行けよ、行けばわかるさ
新日ファンより
ドラマパートが余計だ、とっ散らかってる、猪木の人物像が伝わってこない、色々語ることは語るべき人が語ってると思うので、現在の新日を見ているオジサン新日ファンの視点から。
この映画の文脈は2018年の「パパはわるものチャンピオン」に遡る。新日本プロレス×アミューズ、その人脈を活かして、失礼ながら役者としては大根もいいところの棚橋弘至を中心とした、原作の絵本はあるけれども新日の選手が架空のプロレス団体の選手役を行ういわばファンアイテムのような映画に寺田心、大泉洋、木村佳乃、仲里依紗、マジかよってレベルの豪華共演陣がなんと「助演」としてサポートする、違和感だらけの摩訶不思議な作品。
(誤解のないようにいうけど私は長年の棚橋ファンです)
その違和感の文脈に、何だか今回の映画もハマっていたような気がするなぁ。つまるところ、今の新日のキャパにアントニオ猪木が合っていないんだ。
アントニオ猪木は、令和の専門化が進んだ世の中における「プロレス」ではなく、ボクシング以外のプロ格闘技がほぼ存在しなかった時代(相撲の解釈は分かれると思いますが)、人々の「戦う男の姿が見たい」需要を一手に引き受けていた、まさしく昭和のスーパースターだ。彼を考察しようとするのはある種現代史に似て、テレビ局、新聞社、週刊誌、メガメディアを動かしての一大プロジェクトになる。そんな座標の出来事だと自分は認識している。
しかし今回の映画の座標は、出発点がサブカルたるところの現在の新日本プロレス。繰り返すけど私はその現代新日本プロレスを存分に楽しんでいるんだが、そこからしても明らかに「猪木」という存在は次元が違いすぎる。その座標のずれが今回の映画の違和感の根源だと思う。その上で、主題歌福山雅治という強烈なアミューズ感。神田伯山、有田、安田顕はしっかり令和の現代でもプロレスを愛してくれていて本当にありがたいと思うが、アントニオ猪木はそこを出発点に語る存在ではない。
現代新日本プロレスを猪木と無理矢理繋げようとしすぎて、アントニオ猪木の存在を不必要に矮小化してない?と気になったのだ。棚橋弘至は本当に偉大だし、今回のパネル云々のくだりも、新日の歴史からするとものすごく大きなことだと思う。ただ、猪木の存在のレベルはそれとはまるで違うところにあるんだと思う。
だって、「昭和のスーパースター スポーツ」で検索すると、王、長嶋、千代の富士、アントニオ猪木、くらいの次元で出てくる存在なんだから笑 そのレベルの資料、視点、考証は、正直なかったと言うのが本音。
別に猪木に傾倒してるわけじゃなく、今の新日を見ているからこそそう思うんだ。申し訳ないけど、海野翔太の出演は流石にバーターが過ぎるでしょう笑 怒りだ何だ言わせるのはかわいそうだよ。
ただ、その無理難題に対して、自分なりの答えを出そうとする棚橋弘至の言葉の繊細さも、今の新日好きな私にとっては尊い見どころの一つではあるんですよね。「マイノリティ」と言う言葉が彼から出てくるとドキッとするし、猪木の問いかけとは?という命題に対し、やはり一番本質的な理解があるのは棚橋弘至だと思っています。だから、個人的にはこの映画の軸は、アントニオ猪木と、令和に唯一残された猪木の対立概念である棚橋弘至という価値観だったんだと思います。
今の新日ファンとしては複雑。あまりに今の新日と猪木とのスケールの差が明らかすぎるのが一つ。でも、猪木と棚橋という軸を一つの映画で浮き彫りにしてくれたことへの驚き、感謝が一つです。
色々考えるんですけど、今の新日と全く切り離したところで、昭和のスーパースター猪木の伝記映画は別で作った方がいいと思いますよ笑 今のプロレスファン以外に向けた作品を作るのが、アントニオ猪木にとっての最適解だと思います。現新日勢は、黙ってみていましょう。そして、本来の自分たちの仕事をするのが適切だと思います。
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