「◇自然に身体が上下するレゲエ音楽」ボブ・マーリー ONE LOVE 私の右手は左利きさんの映画レビュー(感想・評価)
◇自然に身体が上下するレゲエ音楽
今年もまた猛暑、酷暑、灼熱の季節がじわりじわりと近付いてきているのでしょうか?私にとってのレゲエは季節モノ「冷やし中華はじめました〜♪」真夏の気怠さの中でふらふら漂う感じの音楽です。
物語の中心は、政状不安のジャマイカ🇯🇲キングストンでボブ・マーリーが狙撃され、身の危険を感じてロンドンへと移り住む1976-77年。『エクソダス』(#Exodus)が出来上がっていくプロセス(テンポが少しずつ緩くなって、開放的に変貌していく曲調、政治的メッセージを抜け出て「愛」を中心に据える歌詞)。やがて、欧州ツアーの成功によって、人気と金を手に入れる日々。
製作に遺族が名を連ねているせいか、家族愛というテーマがクローズアップされてます。ラスタファリ運動やドレッドヘアについては、断片的に触れられますが、もう少し知りたかった気もします。カリブ海の人々は植民地時代の奴隷貿易の名残りでアフリカにルーツを持つこと、ボブマーリーはイギリス人と現地人の混血であること、などこの映画で初めて得た知識もいくつかあります。
改めてボブ・マーリーの伝記映画を体験することで、音楽の世界が広がります。劇場の細密な音響で聴く名曲の数々は鳥肌もので、ゆったりとしたリズムとうねるようなベースラインに感覚が研ぎ澄まされて、視界が開けるような解放感と浮遊感が溢れ出して、トリップしていくようでした。