「テーマが重いのにすごく面白い」サウンド・オブ・フリーダム 吉泉知彦さんの映画レビュー(感想・評価)
テーマが重いのにすごく面白い
すごく真剣で重いテーマであるため、劇映画としてとてもバランスが良く、登場人物も魅力的で、リアルでできがいいのだけど面白がっていいのだろうかと気が引ける。後半『ランボー怒りの脱出』みたいになる。特に元マフィアで児童を買い取っては解放しているおじさんが素敵だ。一緒にジャングルの奥地まで行ってくれるし、勇敢で有能で、何か表彰などしてあげて欲しい。被害者のお父さんも頑張ってほしかった。
児童人身売買で男の子も性被害にあい、ジャニーズ事務所問題を連想する。今も芸能界で活躍する皆さんは被害者であるのだけど、彼らの成功が被害の拡大に貢献もしていて問題の根が深い。男の子はテディベアと呼ばれていて、これから先の人生でその言葉を耳にするたびに心を苛まれるかと思うと、心が苦しくなる。お姉ちゃんが弟を健気にかばっていてとても切ない。彼女は歌をうたっていたのを絶賛されてオーディションに連れていかれて被害にあう。歌うたびにそのことを思い出してつらくなるのではないだろうか。
しかし彼らは被害にあったとはいえ救出されている。その裏では救出されないまま児童買春をさせられ続ける子どもがいると思うと本当につらい。ロリコンは絵やアニメだけにしていてほしい。
うちにも小学生の子どもがいるので気が気でないのだけど、娘はあまり容姿端麗ではないのでリスクが低いのだけど、お兄ちゃんはとてもかっこいいので心配だ。
映画の終わりに主演の役者から熱いメッセージがあり、QRコードをスマホで認識すると募金の呼びかけだ。映画をみんなに広めてほしいと言っていたので、チケットか割引券などの案内かと思ったら直接金を求められて、引く。
初めてまして。吉泉さんは町山智浩氏繋がりで存じております。
ご存知かもしれませんが、この作品はアメリカや世界的にも問題になっているQアノンの陰謀論者がインチキ陰謀論を基にして作った映画です。プロパガンダでフィクションです。
日本ではあまり報道されてないのでご注意下さい