映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)のレビュー・感想・評価
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「音楽」をテーマにした意欲作
<ネタバレ無し感想となります。>
【総評】
近年では珍しさを感じなくなってきた完全オリジナルの劇場版ドラえもん。
今作はドラえもん初の、「音楽」をメインテーマに据えた物語として注目を集めました。
公開前の情報からは、原作に音楽を主軸に据える要素が乏しく、さらには小学6年生の平野莉亜菜さんがメインのゲストキャラクターを演じるという情報もあり、失敗作になる未来を心配するには十分な材料が揃っていました。同じように考えていたファンも多かったと思います。
しかし、その心配は杞憂であったことを先に述べておきたいと思います。
最も懸念していたのは、「音楽」をメインに据えることが、劇場版ドラえもんの体裁を崩してしまうことでした。しかし、幸いなことに、ディズニー映画や演劇のように、急にキャラクターが歌い出すような不自然なシーンはなく、劇中でのび太達が演奏するシーンもしっかりとした理由付けがあり、尺も調整されていて飽きさせない構成でした。
また、もう一つの懸念点であった平野莉亜菜さん演じるミッカについても、彼女の演技は小6とは思えないほど素晴らしく、可愛らしさとキャラクターへの適合度に驚かされました。
視聴前の期待値が低かったことを考慮しても、今作は「傑作」として評価できる素晴らしい出来栄えでした。しかし、過去作と比較して☆5をつけるラインには至っていないと考えられる為、☆4評価としたいと思います。
【シナリオ】
劇場版ドラえもんとしての基本の流れをしっかりと押さえながらも、メインテーマの「音楽」を前面に押し出した見事なシナリオになっています。特に面白いと感じたのは2点あります。これらは、物語の中で欠かせない要素でありながら、自然にシナリオに溶け込ませられていた点が秀逸でした。
まず1つ目は、リコーダーの失敗音を「のび太の"の"」の音として物語に絡めていった点です。誰もがリコーダーで経験したことがあるであろう"ピー!"という金切り音。のび太が望まず乱発するのは想像通りでしたが、五線譜に含まれない音階で、世間的には認められていない音だとしても、その本質は1つの音楽。この視点で物語に絡められていたのは、凄い発想の転換だと感心しました。
次に2つ目は、何でも有り系道具の1つである「あらかじめ日記」の使い方です。これもネタバレになるので詳細は述べませんが、1つの道具を使い分けて複数のギミックにしているのは、かなり珍しいと感じました。
その他にも、のび太達がヴィルトゥオーゾとして見初められた理由が、作中で十分に語られていなかった点についても触れておきたいと思います。ミッカ達にのび太達はヴィルトゥオーゾとして招かれるのですが、勿論のび太達は音楽の専門家ではないので、この点を強引な展開だと感じてしまった人は多いのではないでしょうか。なぜ、下手なリコーダーを練習していたのび太が選ばれたのか、明言はされないものの、後半でちゃんと匂わせがあるので、まだ視聴していない人は、その点にも注目して貰えたらと思います。ミッカが「ピピっと響いた!」のにも、ちゃんと理由がありました。
【演出】
目を引くのはやはり、演奏シーンのキャラクターの動きや音楽の可視化でしょう。ミュージカルアニメにならない程度の、コミカルなアニメーションは非常に楽しく、美しいものに仕上がっていました。
ちなみに私はミュージカルが大の苦手で、ディズニーアニメ全般は苦手だし、遊園地のパレードなんかは5分と見てられないくらい、歌と踊りだけで話を紡がれることに嫌悪感があるのですが、そんな私を飽きさせない程度には、高密度な演出と、長くなり過ぎないような配慮があったと思います。
オリジナルの秘密道具「音楽家ライセンス」も素晴らしかったです。各楽器が意思を持ってコミカルに動くのはドラえもんらしさを感じさせ、楽器の習熟度が可視化されるのは分かりやすくなっていました。
一方で、ファーレの殿堂を復活させる過程は、RPGを彷彿とさせる流れで、所謂「お使いイベント」のような面倒臭さを感じました。この点は製作陣も理解していたのか、まきで終わらせてくれたのは満足でした。あまりにもゲーム的な要素が強かったので、ゲーム化の予定があるのかと思っていましたが、残念ながらその予定はないようです。
【ゲストキャラクター】
・ミッカ
劇場版ドラえもんで、明らかに年下キャラクターがゲスト参戦するのは珍しかったりします。しかし、ミッカは我儘だったり生意気な描写が殆どなく、素直で純真なキャラクターとして非常に可愛らしく描かれていました。のび太への「のほほんメガネ」という優しいニックネームもとても良いセンス。
先述した通り、小6の子が演じているため、演技力に一部不足を感じる箇所もありますが、地の声質と歌声が素晴らしいため、まったく気になりませんでした。
・その他のゲストキャラクター
今作でも多くの著名人がゲスト声優として採用されていましたが、特に気に障るような棒演技は見受けられませんでした。強いて言えば、芳根京子さん演じる歌手枠のミーナがちょっと下手だったかなというくらい。彼女の役割が歌手であることから、台詞が少なかったのが救いと言えるでしょう。逆に一番印象的だったのは、一人でオーケストラを演奏していた石丸幹二さんです。流石本職と感じる素晴らしい歌唱でしたが、本人提案の演出と聞いて二度びっくり。
【テーマ】
「音楽は楽しい。下手でも良い、好きだから、楽しいから、恐れず音楽に触れて欲しい。」このテーマに加えて、「好きだから、楽しいからという気持ちを大切に」というのが土台のテーマのようです。近年、SDGsだの多様化だの堅苦しい意識が高まる中で、このようなシンプルなテーマが提唱されるのは意外でしたが、そのシンプルさが逆に力強く、心に響くものでした。
【余談】
嬉しい悲鳴ではありますが、ここ数年の劇場版ドラえもんは、面白さの最低ラインが上がり、高いクオリティを維持できていると感じています。特にオリジナル回の出来栄えが安定しているのは、ファンとしても喜ばしい限り。来年も恐らくはオリジナルのようなので、楽しみに待ちたいと思います。
オリジナルは難しいナリ
正直なところ、90周年記念!の割には、そんなワクワク大冒険ではなかった。大きなストーリー展開がないのが物足りない原因か。キャラが立ったわかりやすい、悪役がいなかったし。音楽がテーマらしいので、音楽を楽しむのが良い。その点で映画館の大音響で楽しむのが良いと思います。
次回作はあのリメイクかな?
音楽に重きを置いた新しいドラえもん!
レビューが二極化していたので怖々観に行きましたが、とても面白かったです!
作中通して音楽を全面に出しているので、シンプルに音楽を楽しめる人なら間違いなくハマると思います。私は見ていて心がウキウキしました。
一方で、ストーリー性を求めている人にはイマイチ響かないかもしれません。伏線が細かく張られていたりと話はしっかりしているのですが、近年の完成度の高い作品と比べると小ぢんまりした印象です。
とはいえ意欲作だと思います!最近のドラえもんはメッセージ性が強かったりプロットが練り込まれていたりとストーリーに重きを置いている印象があります。私も勿論それらの作品が大好きです。そんな中で本作のような、感覚的に楽しめる作品が出てきたことを新鮮に感じました!来年はどんなドラえもんが見られるのか今から楽しみです!
今までより。。
素敵なお話だった。
でも、今までより泣けず。。
主題歌ともマッチしてる感じもあまりなく。。
ゲスト声優の芳根さん、すごく出演部分が少ない気が。。。!
途中ウトウトしてしまったり、なにか今作は入り込むことが出来なかった。
面白ければ自然と集中してしまうよね。
120の春の最初の映画はドラえもん!
今日は映画ドラえもん のび太の地球交響楽を見てきました。
最初予告が発表したときは正直あんまり期待はしていませんでした。でも今日見てみると意外と面白かったです✨僕が見たときは子供が多くて皆笑ったり泣いたり驚いたりして楽しいそうにみていました😊
子供がいる方ぜひ見た方が良い映画だと思いました。
あと今年も出木杉はオープニングしか出て来ませんでしたww
来年のドラえもんを映画を期待してます。
とても面白かった
まず音楽というテーマ設定がとても良かった。
筋運びの上で、いくつかの御都合主義的展開はあったが、とりあえず脇に置いといて、まずは個々のシチュエーションそのものを楽しむことができた。ミッカ、チャペックなどキャラクター達の魅力が強く立っていたからだと思う。
ディズニー「ファンタジア」を古典とする、音楽の躍動をアニメで表現する映像作品の系譜としてもなかなかなレベルなのではないか、と感心した。
シナリオを回るRPGのよう?
子供が観たいと言うので2人で鑑賞しました。
次々にエリアを解放していくながれがRPGのシナリオをこなしているような流れで、あまりストーリーで楽しませてくれているとは言い難い。
子供にとっては分かりやすい話なのかもしれないが、若干退屈でした。
なんかいまいち
話の展開上「あれっ?」って思うことが多かったです。
・のび太がひみつ道具とほぼ同じデザインの手帳を持っている。
・ドラえもんがのび太くんにはこの道具はわたしちゃいけないと言いながら、玄関に放りだしてしまう(どら焼きに目がくらんだのはわかるが、この道具は使い方が難しいと最初から言っているし、ポケットにしまいかかっていた)
・手紙の時間が指定されていないのに、みんな同じ時間に来る
なんとなく、この話にするために無理やりそうした展開にしたような・・・
音楽演奏という話のせいか、いつものようなワクワク・ドキドキの冒険展開ではないのでのめりこめなかったかな。
途中、気になってチラッと息子の顔見ましたが、のめり込んでみてたので子供的にはその辺は気にならなかったようです。
お別れシーンが、エンドロール上でなんで??と思ったら、上映時間がいつもより長かったんですね。それならもう少し他のシーンをまとめたほうが良かったんじゃないかと思います。
音楽コンサートに行った気分
友達から「普段とは異なるので覚悟してみた方がいい」と言われて観ましたが…
個人的にとても楽しかったです!
同時に、今年のドラえもん映画は観る人によっては賛否両論になると思います(実際に、他のコメントを見てもそうなっています)。
【ファーレの殿堂】を完全に復活させるまでの過程で、ところどころで話をギュッと詰め込んでいたり、道具の使い方や場面で「こうしたらいいのに…」「うーん」とやや首を傾げる点がありました。普段の冒険活劇を好む人には物足りなさや肩透かし感があるかもしれません。
そういったマイナス面を差し引いても、今回の物語はよかったと感じました。
音楽がメインという事で、冒頭から様々な音が流れてきて、聞いているだけで楽しい!
特に、後半のオーケストラは凄い!
映画館で観て聴いて音楽コンサートに来ている体験でしたね。
昨年の【空の理想郷】はひとつのエンターテインメントとしては完成された良作でしたが、中盤のシリアスさが濃くて胸にずしーんときて、苦手意識もありました。
今回のように、音楽に特化した楽しめる作品があるのはいいのではないでしょうか。
それから、エンドロールも見る事をお勧めいたします。
本編のその後の展開等が描写されていて、本編では散々な目にあったとあるキャラの結末もあったりとミニイベントとして楽しめますよ。
主題歌の【タイムパラドックス】も物語の幕を閉じる上で、いい余韻に浸させてくれます。
次回作は、またオリジナル作品になりそうです。
来年も、ドラえもん映画を観る予定です♪
観るに耐えない駄作
子供の付き合いで鑑賞しましたが...とにかく つまらない。音楽をテーマにするためにキャラ設定を改変するのはまぁ目を瞑ってもいいけど、それを差し引いても酷い。確かにこのテーマで冒険させるのは無理があるっちゃある。企画段階で辞めといた方が良かったのではないか。同様のプロットでビルとテッドの時間旅行の最終作があるが、あっちの方がキャラ達が元々バンドやってた分説得力があり、まだ良いだろう。対してこの作品は30分で納まるストーリーに無理やりキラキラ演奏シーンで尺を延ばしたような冗長さを感じて最後まで観るのがしんどい。
ドラえもんキャラ達が演奏するたびに辟易とする音楽が繰り返され苦痛でしかない。本作内の設定とも矛盾する会話がある。楽器の描き込みもいい加減。(背景に置かれたストラトのいびつさには笑えた)地上波ならまだ許せるけど酷いんじゃないか。子供達も明らかに退屈そうだったが連れてきた親に気を遣って 面白かった と言わせるような作品は二度と作らないで頂きたい。
ストーリーの複雑さがちょうどいい
10年以上ぶりにドラえもんの映画を拝見させていただいたが、ストーリーの複雑さのレベルが子供にあわせてよく作られている印象だった。具体的には最後に伏線の回収に対しの解説があったりなどちゃんと子供にも理解できるよう工夫されている点が多々見られた。
かといって、脚本の筋がテキトーなのかというときちんと通っており一通りの伏線回収は見られた。
しいて残念な点としては今回の映画オリジナルキャラとのお別れシーンがエンドロールで流れたのみだったこと。こういったシーンは個人的には映画のストーリー上大事な部分だと思うので、入れてほしかった。
自分みたいな大人でも楽しめる丁寧に作られたいい作品だと思います。
ストーリーは薄めですけど、何となく好きな映画
今回は音楽がテーマ、ということで全編にそれが散りばめられていて、とっても良かったのですが、ストーリー自体はかなりあっさりしている印象でした。他のレビュアーさんのコメントも納得な感じなので期待しないで観に行った方が良いとは思います。
ただ、テンポはとても良く、子供が観ていても退屈する場面はそんなに無い気がします。ワクワク・ドキドキの映画ドラえもんらしさはありませんが、安心して観れる良い映画だと思いました。
2千円出す価値かどうか
最初からそういうものだと思って行けば良かったのだとは思いますが昨年の理想郷があまりにも良くて自分も子どもも大好きすぎて何度も映画館に通い、来年もドラえもん映画に絶対行こうと楽しみにして行ったため落差にがっかりしました
子どもも途中からごそごそし始めて寝てしまったし私は所々のひっかかりが気になりすぎて最後まで感情移入出来ませんでした
テレビで見るなら良いけど2千円出して行く価値があるかと言えばないかな
音楽は良かったけどそれなら地域の子どもコンサートの方が良いしな…と思います
初めてドラえもんを見に行くとか、少なくとも昨年見ていないか昨年分が大人向けに感じて面白くなかった人には刺さるかもしれません
来年からは口コミを見てから行くかどうか決めようと思いました
親愛なるドラえもんに難癖はつけたくないのだが…
子どもたちにせがまれて、映画ドラは実に5年連続の劇場鑑賞。音楽がヒトにもたらす力、というテーマは悪くない。
7歳娘は満足げ。対して5歳娘は小一時間で飽き気味。確かに前半はあまりに冗長。上映時間がおそらく映画ドラ史上最長の115分。長く感じたのではなく実際長かったのか。キャラの言動も全編に渡りツッコミどころ満載で大人はのめり込めず。子どもたちに悪影響な描写が見受けられないことが救いか。
微妙
まず、今回の映画は今までとは全く違く音楽がメインの映画だと思って観た方が良い。
第一印象は都合のために無理な設定になってしまってるシーンが多いと感じた。
ジャイアンがわざわざポケットの中で手を拭くという謎の行動、笛に関してはマエストロがあの笛でなければスイッチは起動出来ないとか言ってたのに、最終的にのび太のリコーダーで良かったという矛盾。どらえもん治すのも笛要らなかった。
OPに昔の演出した割に笛探しに行くシーンあっという間だし笛役に立ってなければ欠けたのを直す訳でもない。多分ミーサにも返してない。
MISIAからミーサって役作るならVaundyにすれば良かったのに。
音楽をメインにしてそれぞれの個性も表されて無かったり細かい演出が全部カットされてるのが個人的に残念だった。
今までで1番好きな映画
音楽の授業があまり好きでなかった方、気分が落ち込んで若干鬱気味な方におすすめです。逆に子供向け映画なのでストーリー重視の方にはおすすめできません。
音楽がテーマなだけあって、特に音楽にこだわられている気がします。映画が終わったあと、凄く楽しい気分になってもう一度見たくなりました。
ですがストーリーが簡単であることも相まって、細かい点まではよくわかりませんでした。伏線はしっかりしていましたが、考察の要素だとか(特に)新キャラに感情移入まで出来るものではなかったです。
確かに他の方々が仰っているとおり、いくつか不自然なところはあると思います。ひみつ道具も多少活躍するものの楽器が主なので、オーケストラを見に来ている感覚に近いです。ですが、これまでの映画とは一味違う点があり、本当に音が綺麗で、映画館ならではの音響設備の良さが活かされています。「へーそうなんだ!」「私もドラえもん達と一緒に演奏したいなぁ…」と感じられて鑑賞者に感覚的に楽しいを与えてくれます。
最後に言うと、タイトルの「のび太の地球交響曲」でした。非常に素晴らしい作品です。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
伏線回収が鮮やか
元々ドラえもんは伏線回収が上手い。特にこの映画は近年と比べて回収が鮮やかだった。そして、滝廉太郎モデルのロボットが悲しんでいるのに楽しい音楽ではダメ、その理由が今いる場所が墓場であり、悲しいメロディでもそれは鎮魂歌であることが分かった時は心がギュッと締め付けられました。
ラスボスの正体不明感はかなり新鮮でとても怖かったです。
でもラストシーンの音楽は圧巻でした。その中には現実と重なる部分もあり……。
そして、あらかじめ日記が騒動の元凶になるかと思いきや、逆に解決の糸口になるのは予想外でしたね。「みんなで風呂に入った」の『みんなで』と言うのはタイトルの地球交響楽とも繋がっていると思います。
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