「機械に奪われない仕事ランキング上位」月 ひとさんさんの映画レビュー(感想・評価)
機械に奪われない仕事ランキング上位
「ゴキブリが出たら殺すでしょ?」
劇中、サトくん(磯村勇斗)が重度障害者の事を
ゴキブリに例え、精神的な限界に達した時に
言い放った言葉。
ですが仮にゴキブリだとしても、人間がお金を払い
「このゴキブリは殺してはダメです。」
と言えば、そのゴキブリは殺してはいけません。
そういうシステムです。
"一般的な能力"と言われる物差しが、少し高く感じる現代
受賞歴のある小説家、魅力的な絵が描ける青年、リアルマニア、
コマ撮りアニメを作れるイケメン、等
私より遥かに才能に溢れた人間であっても
職業カーストの下層 と、されてしまう仕事に従事する
人間は少なく無いと思います。
言い方は悪いですが
社会のシステムとして、下層グループ側になってしまった
比較的健康な人間を許容する事の出来る職業、というのは
人間社会である限り必要必至であり、職業需要を生み出して
いかなければいけないのだと
それっぽい事を言う事はできますが
当人的にはそういう事では無いのだと
正論がどうだとか、堪ったものではない のだと思います。
ストレス濃度が高い職業は
ストレスから視野狭窄になりがちで、物事を俯瞰で見る事が
難しくなっていきます。
頭の良し悪しに関係無く、極端な発想に傾倒してしまうのは
仕方がないのだと思います。
月並みな意見にはなりますが、せめて職場の人間関係は良好に、
助け合って生きていきたいです。
職業偏見も、せめて声に出して傷つけ無いで欲しいものですね。
「頭お花畑かよ、ハハハ!」
と一蹴されてしまうのかも。
ですが、この作品に関してのサトくん(磯村勇斗)は周りの人間、
特に先輩方に優しさがあれば何とか防げた事件かもしれない。
この作品において最もドス黒い感情を抱いたのは先輩方です。
もう怒り心頭が止まりません。
それとも職場のストレスであのような性格になってしまった
ということなのでしょうか…
やはりあのキャラクター達にかけてあげられる言葉は無くて…
同じ職業に就いても、後輩の立場故に強く言っても変わらないし
陽子(二階堂ふみ)は本音が強い人間だと理解してあげても酒で
やられるだろうし、サトくんも人間の本質で納得のいく回答を
答えてあげられず、仕事のストレスでどの道ハッパでイカれちまう。
高齢出産は件は夫さんと話して頂くしか無いし、その辺のストレス
で微妙な心理状況だし…
この職場は遅効性の毒かいな
丁寧に詰んだ状況だなこりゃ…
昌平(オダギリジョー)さんのように
ギリギリでも前向きに
それが難しいけど一番大事だと、そういう事でしょうか。
多くの方々が知っている事かもしれませんが
月の裏側は起伏が激しく見た目が悪いそうですね。
扉一つ、丸い窓の後ろには隠したい事柄がある。
そう勝手に捉え
お酒は飲めないから紅茶で気持ちよくなろうと思います。
あとアクション映画みたいなカメラワークになる所も
結構好みで気持ちいいです。
最後に
従事者の方々には頭が下がる想いです。
必死に働く人間と、何かに必死で打ち込んでる人間は
称賛されるべき、なんだと思います。