劇場公開日 2023年10月13日

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「見て見ぬふりをすること」月 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0見て見ぬふりをすること

2023年10月23日
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鑑賞方法:映画館

あの事件を題材に石井裕也監督が映画化すると聞いて、本当にできるの?公開できるの?と危惧していたが、ミニシアターながらほぼ満員のお客さんの中で観ることができ、そのことだけで素直に良かった。
実際の障害者も出演しているようだし、ナチスや優生思想という言葉もはっきり使われていて、現在の日本映画ではタブーというか、忌避されてきた部分を真っ当に取り上げている。その点は、放送禁止用語が飛び交う「福田村事件」と同じ。
多分、石井裕也監督でなければ、観なかっただろう。この題材をゴリゴリの社会派作品に仕上げられたら、あまりに観るのが辛い。辺見庸の原作を換骨奪胎したようだが、石井監督ならではの軽みと希望が加えられている。ただ、これだけの題材を扱うにしては軽すぎる、という批判はあるだろう。そもそも現実の事件からまだ7年という生々しい時期に映画化するのはどうなのか、という思いが拭えないところはある。
俳優陣は、出演すること自体に悩んだだろうが、宮沢りえをはじめ、みな力は入っていた。磯村勇斗は、近頃の問題作の常連という感じ。特に良かったのが、オダギリジョー。ちょっと情けなく、危うい感じの役をやらせたら比類がない。
この作品の大きなテーマである「見て見ぬふりをすること」については、自分の考えがまとまらない。そのことを「嘘」だと言い切るのは違うと思うし、「だから自分が何とかする」というのは独りよがりになってしまうのでは、としか言えない。

山の手ロック
宇都宮トチコさんのコメント
2023年10月24日

いる人、いらない人ー
誰がいつ、決めるの?
じゃあ、わたしは?

赤児の時から、
実親に…親戚宅に置き棄てられた私は……

けっして、その暮らしが貧し過ぎた訳では無い。
寧ろ、裕福な方に入るしー健康状態も良好だった両親。
なんで。
母親に、育児能力と其の気力が、
無かったから〰
愛情も、ね。

でもね。
優しく穏やかな養母に、
彼女が急死する迄ー育てられたよ。
私、
ふつう!の子だったよ。

ほんとうに、
誰が、
いつ、
どのような基準でー
決められるの?

教えて欲しい。

何とか夢中で、
子育てを終え、
養母の魂を支えに、
今を〰
小さな生き物達経と、
自己肯定を見付ける役を、
移してる私に。

宇都宮トチコ