劇場公開日 2023年9月8日

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「個々わかりにくい点はあるが、今週の本命枠。」6月0日 アイヒマンが処刑された日 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5個々わかりにくい点はあるが、今週の本命枠。

2023年9月8日
PCから投稿

今年303本目(合計953本目/今月(2023年9月度)13本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。

 東京テアトル系列さんの映画とのことで、大阪市では主にシネリーブル梅田で放映されていましたが、tohoシネマズ系でも放映されていました(マイルがたまるし、6回みたら1回無料になるのでお得)。

 存在はよく知られた人物ですが、そのときイスラエルでは何があったのか…ということは意外に知られておらず、ここに焦点をあてた映画になります。なお、イスラエルの建国をいつに取るかはそれこそ歴史上かなりの争いがありますが、一般的な近現代での成立以降ということを想定した場合、イスラエルで死刑が宣告・執行されたのは彼が2人目で(1人目はこの事件とは無関係な方)、その後50年以上死刑は行われていないので(死刑自体が回避される傾向にあるようで、一般的には無期懲役(日本相当の言い方)で回避されるようです)、国連の資料等においては「事実上の死刑撤廃国」とされることもあります。

 趣旨的に、死刑は決まっていたものの、そのあとどうするのか、つまり、墓地埋葬法(日本基準の法律)にそってお墓でも立てるとそれこそ「信者」(ここでの言い方は、当然表現を考慮したものです)の「聖地」になりかねないことから、絶対に「信者」が現れないように、徹底的に「地球上から存在を完全に消し去る方法」を考えていく、という趣旨のストーリーになります。これが決まればあとはとんとん拍子に進んでいきます。

 日本では6~9月頃、毎年何らかの意味でナチスドイツものは放映されますが、こうした映画により、戦争の悲惨さを各国(もちろん、日本は加害国でもあると同時に、原爆による被害国であるともいえる)から発信される映画文化が今後も続けばよいな、と思った一人です。

 なお「6月0日」が何を指すのかなどについては、映画の最後のほうにちゃんと説明がありますので大丈夫です。

 採点に関しては以下を考慮したものです。

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 (減点0.3/「上告したって新しい証拠が出るわけじゃないんだし…」)

 ・ ここは日本であり、日本で見る場合、日本の法律をある程度念頭に入れてみる(もちろん、現地の法を知っていれば、そちら優先になる)ことになりますが、上告、つまり、最高裁への刑事裁判への上告は、法律審であり事実審(あることが真実である、証拠が何だのといった事柄を争うもの)ではないため、この部分はやや若干混乱を招きます。

 ※ ただし、日本においても、国民の興味関心の高い事件や、主に死刑・無期懲役が言い渡されることが想定できる上告審においては、慣例的に上告先の最高裁でも事実審の役割を担うことがあります(裏をいえば、単純な万引きほかで死刑になるようなことがない場合、刑事事件においては「事実上」二審制だ、ということです)。
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yukispica