「知られざるホロコーストの被害者たち」6月0日 アイヒマンが処刑された日 regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
知られざるホロコーストの被害者たち
ナチス戦犯アドルフ・アイヒマンに関しては、『アイヒマン・ショー』、『アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発』など、手法を凝らして描かれた作品が多い。本作もその系譜にあり、死刑となったアイヒマンの遺体処理に携わった市井の人々を描いた群像劇となっている。
死刑が執行されたイスラエルでは火葬が禁止されているという事実に驚く。急遽焼却炉を作らなければならなくなった町工場社長や偶然関わる事となったリビア系移民のユダヤ人少年、さらにアイヒマンを監視する護衛、彼らも間接的だがホロコーストの被害者であるといえる。
テーマ的にも地味な上にドラマチックに盛り上げる見せ場もないので、淡々とストーリーが進行してしまうのが辛いあたり。でも、ユダヤ人とアラブ人との微妙な関係や、ナチが滅んでも安住の地を求めて彷徨い続けるユダヤ人の辛い運命を垣間見れるという点は興をそそる。
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