「実話だというのがイイ!」ロスト・キング 500年越しの運命 山川夏子さんの映画レビュー(感想・評価)
実話だというのがイイ!
1400年代の英国王で、薔薇戦争の最終戦ともいえるボズワースの戦いで戦死して、遺体がどこにあるか分からないとわれてきた「英国王リチャード三世」。
まさかまさかの大展開で、リチャード三世の遺骨探しに成功した女性・フィリッパ・ラングレさんの実話を元にした映画で、これは「面白かった~!」と、見終わった後、喜びが心からあふれだす映画でした。
私も歴史オタクで、よく歴史書を査読して、「これは〇〇なんじゃないか?」と勝手に推論して、証拠を探して、ゆかりのある場所を訪問して、博物館で「やった!推論が当たってた!」と喜んだり、「予想と史実は違ってたなあ」と推理が外れて残念に思ったり…という趣味を持っている、いわゆる「歴女」(郷土史に限定してますが)とよばれる側の人間なので、フィリッパ・ラングさんが他人とは思えませんでした。
この作品に出会えたことがとてもうれしかった。
シェイクスピア劇「リチャード三世」で、背中にコブのある醜いせむしの悪人と描かれている王で、私も悪い王様のイメージがありました。フィリッペさんも腰が悪く、脊椎の病気を持つ人で、脊椎に難のあるリチャード三世が、なんとなく「悪者」にされてる感に強い拒否感を持って、以降、リチャード三世に惹かれて行き、リチャードに恋こがれるように彼にまつわる史実を調べ尽くして、とうとう「骨が埋まっていそうな場所」を特定するところまではよくある、歴史愛好家の話で、そこからの大展開が面白かったです。
感動!感動!感動!
フィリッペさんがリチャード三世の遺骨を発見したのは2012年で、当時は世界的な大ニュースになったようです。
確信を持ったことを、周りの人に説明して納得してもらうまでに、どれぐらい長い時間がかかったのか。何度もくじけそうになったり、歴史オタクで頭がいかれてる人といったような、「いたい人」扱いも受けたようですし、大変だっただろうなあと思いました。
チームワークで仕事をすることの大切さ、産官学の人や組織を巻き込み、大きな事業に拡大していくまでの試行錯誤が、ビジネスの参考にもなるし、起業を考えている方や学生さんにもおすすめの作品だなあと思いました。