「ホーキンスを通して見る世界は美しい」ロスト・キング 500年越しの運命 talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
ホーキンスを通して見る世界は美しい
ホーキンス演じるフィリッパは、ガーリーとボーイッシュを行き来する服装でとても自由でかわいい。ショートカットのホーキンスは初めて見たと思う。後頭部の形がよくてショートがとても似合っていた!でも心の中は辛い。二人の息子と元・夫ジョンともいい関係。元・夫は元・妻のこと一番よくわかっている。フィリッパは自分が「ノーマル」でないことが職場でも問題となっていて仕事も休む。でも息子と見た「リチャードⅢ世」の芝居で頭の中で何かがカチッと鳴った。リチャードⅢ世は私と同じだ!彼は誤解されている、彼をちゃんと理解したい!
アマチュア歴史家とか郷土史家は専門家なりアカデミックの人間からはまともに相手にされないのが殆どだと思う。でも彼らの情熱と勉強と研究は、大学の雑務や金集めや昇進でヘロヘロになっている「大学関係者」に比べたらずっと純粋で真実で素晴らしいことが多いと私は思う。
外見に対する偏見はどこの国でもある。それが王や支配者関連であれば隠蔽されるか嫌悪されて悪者になるか根拠なき噂まみれになるだろう。司馬遷もシェイクスピアも司馬遼太郎もそれからは逃れられない。だから考古学、発掘作業はとても大事だ、キングダムと兵馬俑発掘が密接に関係しているように。
本を沢山読み考え仲間達と交流する。でもアマチュアだから、女だから、感情的だからと、公的な場所(大学とか議会とか)では排除され軽くあしらわれるフィリッパ。そうなんだよ!でも女性と若い女子生徒たちはちゃんと見ている、わかっている。
リチャードⅢ世をテーマにしながら、グローバル化や競争研究費のせいでグチャグチャの大学、一方でスマホ、ズーム、クラウドファンディングの有り難さに今だなあ、ダニエル・クレイグのボンド三作目「スカイフォール」(最高!)やカンバーバッチが言及されるなどはイギリス🇬🇧だなあと思った。ホーキンスを通して見るイギリスは好き。彼女は本当に素晴らしい俳優。この映画に出会えて良かった💕
共感ありがとうございます。
王様の容姿が大分普通だったのは、さもありなんと思いました。正史として残るのは常に勝利者側・・。
事実に即した部分が無くても日本版出来そうですよね、蘇我入鹿や平将門が突然現れたり・・。