「スパイダー恐怖症」クレイヴン・ザ・ハンター サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
スパイダー恐怖症
これにてSSU終結かぁ。
ヴェノムはどんどんつまんなくなっちゃったし、モービウスはわりと好きだったけどマダムウェブは今年ワースト級に酷かったし、スパイダーマンを出演させないという強行突破をしたせいで、まあ色々ありましたねぇ。
果たして本作は、有終の美を飾ってくれるのか。専ら期待していなかったんだけど、意外や意外。なかなかに面白かった!全体的なクオリティは相変わらずなんだけど、何よりもアーロン・テイラー=ジョンソンが最高にカッコよくて、この映画で終わらせちゃうのはあまりにも惜しいくらい良かった。
ストーリーは...うーんって感じ。どうしてもSSUクオリティだなと思っちゃうし、序盤の話運びの下手さが結構目立っていて上手く乗れず、入り込むのに時間がかかってしまう。最初からアクセル全開でいてくれたらいいのに、なぜだか抑制しちゃっていて見ていてすごく歯がゆい。もっとこう...あるやろ!
演出面においてもCG処理がかなり粗かったり、いくらフィクションとは言えどリアリティが無さすぎて、上手くやれば大興奮するだろうにどうもそこまでは至らないという残念で勿体ないことになっている。ぶっ飛びアクションは大好物だけど、ワクワクが最大限伝わってこないんだよね。
ただ、弟を救出するシーンから急激に面白くなっていく。作り物感は否めないけど、ド派手なカーチェイス、無謀すぎる救出作戦にテンション爆上がり。アーロンの肉体美に惚れながら、彼の役に対する向き合い方に興奮超えて感動。コミックを読んでいない者にとっては知り得ない、かなり知名度の低いこのクレイヴンというキャラを世に知らしめる素晴らしい演技。クリス・プラットのスターロードを思い出してしまった。いやぁすごいな。この1本で一気に好きになってしまった。
SSUにしては珍しく、スパイダーマンと関連する部分も少しだけ見られたし、これは是非ともトム・ホランド主演の次回作に出演して頂きたい。これで終わりは勿体なさすぎる。ヒーロー映画に多数出演しているアーロンだけど、このキャスティングはナイスすぎる。どうかSSUを救ってくれ!
スパイダーマンの宿敵、悪役の誕生秘話としては面白味に欠けるし、終盤の駆け込み方がかなり微妙でもっと面白くできるだろうとツッコミたくなるけど、登場人物がみんな個性的で魅力的というのは大きく、これまでとは比にならないほどキャラに対する愛を感じたから満点では無いものの、すごくいい作品になっている。豪華キャストだったことが功を奏している。
でもマダム・ウェブの大コケが影響してか、本国でも日本でもかなりの大爆死。もっとSONYが最初からちゃんと向き合っていれば...。採算取れないから慌てたのか知らないけど、1年で3本は多いて...。
色々言ったけど、結構好きな映画。本編スパイダーマンでこれらのキャラをどう絡ますのか、はたまた全く登場させないのか。動向が非常に気になります。だけど、このクレイヴンだけはいつか絶対登場させてよね!?アーロン・クレイヴンをもういっぺんおがみたいんだって!