イノセンツのレビュー・感想・評価
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個人的には好き。
息を抜けない張り詰めた展開、そして怖い
あの4人であることの意味
子どもの無邪気な暴力性や残虐性ってたまに題材にされるテーマ。子どもたちが持つモラルみたいなものは不安定で脆いものだったりするところが怖いし切なくなったりする。本作はそこに超能力がからむから個人的には見逃せない。
登場する4人の子どもは、移民系が2人、それと引っ越してきたばかりの姉妹(姉は自閉症)という構成。それぞれの家庭で何かしらの問題を抱えているというやつ。バカンスで不在となっている家族が多い中、団地に残っていた彼らが知り合い仲良くなっていく設定が絶妙。それぞれ孤独だった4人が関係性を深めていく過程は、子どもたちの成長物語に見えて、ちゃんと不穏でホラーな雰囲気も出しててバランスがいい。
あの年代だと虫の羽をむしったり、蟻の巣に水を入れたりした経験を持つ大人も多いだろう。それくらい遊びの延長で虐待やいじめが行われてしまうということ。さらにあんな能力を持ってしまったらエスカレートするのも当然の流れかもしれない。ベンの母親のことを考えるとあの生活と4人の関係が破綻するのはそう遠くなかったよなと思ってしまう。出会いがもう少し歳を重ねてからだったなら、なんて妄想もしてしまった。そんなことを考えるくらい4人ともとても演技が上手なことに驚く。そうだよ、この子たち演技してるんだったって最後に思い出した。
ホラー的な怖さももちろん見せてくれたけど、それよりも切なさを感じてしまったのは私だけではないんじゃないか。あの年代の少年少女の関係性もまた不安定で脆いということなんだな。超能力ものとして楽しみにしていたのにこんな切なさを感じる映画なんて!
何がテーマなのか
サイキックバトル映画ではない
タイトルなし
AKIRA方式も良し。
子供って怖い
猫が死んで犬も死ぬ
猫は元々テレパシーが使える女の子の飼い猫で、逃げ出したのを物を操れる男の子に見つけられ、尻尾を掴んで嫌がっているところを身動きが取れないよう拘束し、階段から落として骨折して逃げてうずくまっているところを頭を潰して殺します。
犬は死んでいるのを発見します。
親の知らない子ども
覚悟してたけど、覚悟足りなかったみたい。
マジでゾッとするほど怖い。最近見たホラーが「忌怪島」だから、余計ビビる。心にチクチクと刺さる恐怖。間違いなく、今年トップのホラー映画でした。こういうのが、無性に勧めたくなるんだよな...。
開始1分で察する。あ、ヤバいやつだこれ。
驚かせてくる訳じゃないのに、何かが常に迫ってくるような気がして、鳥肌が止まらない。重力を無視したカメラワークと天気はいいのに気分が晴れない演出。何をしれかすか分からない子どもたちの奇妙な動きが、目を逸らしたくなる。ああ、やめてくれ。それ以上過激化しないでくれ。見たくないはずなのに惹き付けられる。自分もそっち側に行ってしまったってことなのか...。
主人公のイーダが「外に行ってくるね」とか「アナと遊んできていい?」と言う度に、やめたがいいよと止めたくなる。なのに、母親はそんなことも知らずにいってらっしゃいと声をかける。しかも、大事な時に限って晩飯だからと止める。親ってのは、子どものことを全部理解するのは不可能なんだ。親に限らず、自分の兄弟や友人のことだって。「意地悪してくる子が居たらどうする?」というイーダの質問に対しての返答も残酷だ。言葉数が少ない映画だからこそ、ひとつひとつのセリフが心を砕く。
エスパー少年・ベンはかなりのサイコパス。
死というものを理解していないのか、理解しているけど死への恐怖より探究心が強いのか、どちらにせよテリファーのクラウンと並ぶ、今年トップクラスの悪です。度々叫ぶのは、抑えきれない自分の力に怯えているのか?それとも、後から恐怖が襲ってきているのか?正体が掴めない不気味さがたまりません。この映画に出てくる子どもたち、異常なほどに演技上手くて心臓飛び出る。イーダは、成長したら驚くほどの美人になりそう。
ラストなんか芸術的で見とれてしまうんだから。恐ろしいのに美しいんだもん。もっとぶちかましてくれても良かったんだけど、この湿っぽい感じがいいのかも。あとひとつ、不満を言うなら、もっと要素が欲しかったかな。中盤は結構同じことの繰り返しだから、ちょっと退屈。アナ、めちゃくちゃいいキャラだから、もっと見せ場があってもいいと思う。
でも、かなりの大満足。正直、ここまでとは思っていなかった。レビューを書いているうちに、楽しくなってまた見たくなってきたので、星4.0からひとつランクアップ。小規模だけど、めちゃくちゃ面白いです。覚悟の上、ぜひ。
違うじゃん
23-097
雰囲気良し
80点 不気味な演出がクセになる。
不気味で不快で気味の悪いスリラー
最初から最後まで、とんでもなく恐ろしいことが起きてしまうのではないかという緊張感が続くサイキックスリラー。不気味な子どもたちによる静かな超能力バトルが繰り広げられる不快指数高めの作品です。
「ネコが酷い目に合うので注意」という事前情報により覚悟して挑みましたが、キツかった…。あの時点で、ヤツに対する同情の余地はゼロになりましたね…。
メインキャラクターの4人の子どもたち(一人はティーンっぽいけど自閉症)、序盤は興味本位だし、子どものタチの悪戯…でしたが、どんどんエスカレート。無知が故、善悪の区別が付かず、その場の感情に任せて取り返しのつかないことをしてしまう。その悪気の無さや無邪気さの表現が上手なので、ずっと不快な展開でもやもやしました。(褒めてます)
そしてキャッチコピーにもなっていた通り、大人はコレに気付いていない。ややネグレクト的な親もいましたが、決定的な毒親ではないし育児放棄ではない。でも、やや無関心だったり、やや親として未熟だったり、少し不安要素がある家庭。この辺りの家庭環境描写と伴う子どもの心理描写が絶妙で、淡々と地味な画が続くのに緊張感と集中力が続き、観た後の疲労感もたっぷりでした。
ラストの結末がちょっとぶっ飛び展開というか、雑に感じてしまったり、ネコちゃんの一件など、好きなタイプではありませんでしたが、この夏の胸クソ作品として味わうことができたので良かったかな。
ジワジワくる北欧サイキック・スリラー
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