バジーノイズのレビュー・感想・評価
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音楽に疎くても楽しめる
原作未読というか、あることも知らず、さほど興味はなかった本作ですが、何度も流れる予告に惹かれて鑑賞してきました。音楽に造詣の深くない自分でも共感できる部分が多く、なかなか後味のよい作品でした。
ストーリーは、マンションの住み込み管理人をしながら、PCを用いたDTMに一人で没頭する青年・清澄が、彼が毎夜流す音楽を楽しみに聴いていた上階に住む女性・潮と出会い、彼女が撮影して投稿した清澄の演奏動画がネット上で注目されたことをきっかけに、清澄の音楽人生が大きく動き出すというもの。
人との関わりを断ち、音楽の世界に一人で浸ることが好きだった清澄が、もう一度人と関わって変容していく姿が、周囲の人物の心情とともに丁寧に描かれているのがとてもよいです。正直言って音楽に疎くて、流れる楽曲に感動したり、そのよさを理解できたりということはなかったのですが、音楽を通じて人々が結びつき、そのこだわりゆえに袂を分つというのは、とても共感できます。
そういう意味では、音へのこだわり、演奏の楽しさ、音楽性のズレ、バンドの将来、自分の立ち位置、仲間との距離感、ビジネス視点など、異なるさまざまな価値観に基づいて行動する登場人物たちが、それぞれに人間くさくてよかったです。清澄だけでなく、潮も陸も航太郎も、それぞれの心情が伝わるようにきちんと描かれていたと思います。なにげにマザーズのリーダーも、イキってるだけのように見えて、実は心中に大切している思いがあるというのも、なかなか熱くてよかったです。
クライマックスは、序盤で潮が窓ガラスを割るシーンのアンサーとして、清澄から歩み寄る姿が熱く沁みます。この二人の関係が下手に恋愛に発展していかなかったのも好印象です。そういう気持ちももちろんあったと思いますが、そこを直接描かないことで、本作の視点がブレずに済んだように思います。
タイトルの「バジーノイズ」とは、虫の羽音のような雑音の意味らしいですが、音楽用語としては、楽曲に変化を与えたりエッジをきかせたりするノイズという意味もあるようです。独りの音楽世界に浸る清澄にとって、初めは煩わしい雑音だったものの、結果として彼の音楽と人生に大きな影響を与えた、潮や陸や航太郎たちは、まさに「バジーノイズ」です。それはまた、彼らにとっての清澄の存在もそうであったと言えるでしょう。
主演は川西拓実くんで、演技経験の少ないアイドルのようですが、それがかえって清澄のキャラによくハマっています。同じく主演の桜田ひよりさんも、関西弁キャラの潮が意外にハマっていて、一皮むけたような好演です。脇を固めるのは、井之脇海さん、柳俊太郎さん、円井わんさん、奥野瑛太さん、佐津川愛美さんら。
登場人物がみんなリアルで共感度が高い
私は音楽業界の人ではないけれど 明も暗もすべて そこで生きる人たちの苦悩が「なんかわかる!」だったし、それぞれのキャラクターの明も暗も愛おしく感じた。
良かった!楽しめた!!
また見に行きたい音楽青春映画
1人を好み音楽だけで生きてる青年清澄と、誰かに必要とされたい女性潮
正反対の2人が出会い、2人になってそこから少しずつ清澄の世界が
音楽を通じて広がっていき1人もいいけど仲間もいいと
海の底から青空の広がる海面に上がっていくような感覚が
良かった。川西拓実くん演じる清澄の瞳や表情でその
心情が上手く表現されているし音楽をしている清澄が
なにより音楽が好きだと分かる。音源もきちんとあって
よりリアル。歌も曲も良かった。
潮、演じる桜田ひよりさんの危うい感じや
ぐいぐい来るけど繊細だったり純朴な清澄を振り回す
感じも面白かった。ちゃんと2人に感情移入して泣ける
恋愛要素無しに爽やかな青春音楽映画、映像がきれい
配役が皆様はまっていてまた見に行きます。
原作の漫画見てみようと思います。
音楽用語
だったんですね、てっきりハルフウェイと同じ感じかと。前日「Love Letter」の引用を観たし、以前そっくりの予告篇も見ていたので、岩井俊二の呪い、怖! と思っていたのですが・・
ヨタ話はさておき、ベタベタシーンが全く無くてスッキリ。ただ手招きする桜田さん、魔性だ・・
バンド・業界あるある色々でしたが、この作品最大の落涙ポイントはマザーズデイの古参ファンの下りでした。
ストーリーにこだわらず音楽を楽しむ作品
JO1の川西拓実演じる海野清澄(きよすみ)は、マンションの住み込み管理人。だが、自分で曲を作る時にスピーカーから大音声を出していたので、周囲からクレームを受け、再発させると首だと叱られる。それで音出しを遠慮してたのに、ある日、上の部屋に住む、桜田ひより演じる岸本潮(うしお)が曲を聴かせてくれとやってくる。そりゃ断るよなって思ってたら、音が聴こえてきた潮。なんでサッシのガラス割っちゃったのよ。それ訴えられるよ。これで首になった清澄を同居させる潮。こりゃ一目惚れのラブストーリーだと思ってたら、違ってた。
清澄が何曲も作り続けていて、その曲がシアターに流れていた。ボーカルは無いし、ほんと映画のBGMだった。とても綺麗なメロディで心地良く、ソコソコ楽しめました。
ただ、ストーリー的にはずっとモヤモヤしてしまった。他人の映像を勝手にSNSに投稿。それまずくね?自分の好きな曲を作っているのに人に聴かせたくないってか。こんな天才的な作曲家なのに自信ないのかよ!何で誰も清澄の事を海野って呼ばないの?1人が良いって言ってたのに、元バンドのメンバー大浜陸と再スタート。それ、仲直りできる?何より不思議だったのが初めて聴く曲に合わせてベースを弾く陸。出来過ぎでしょ。練習シーン無しでステージへ。謎?えっ、清澄がボーカルを!かなり上手い、謎?ちゃんとバンド続けろよ!
生きるのに不器用でも奏でる音や音楽は人に感動を与える
映画館で楽しむべき映画です。とにかく音と音楽が素晴らしかった。全ての曲が心地よく胸をうちました。軽い気持ちでみたのにこんなに感動するとは思いませんでした。素晴らしい映画でした
繊細に表現された作品
SNSでバズることで多くの人に届く音楽。その反面、そのコメント欄での批判が直接刺さってしまう。1人でも音楽はできる。でも理解者もいないとつらい。ずっと音楽を続けるには求められるものを作る必要がある。だけど好きな音楽だけをやっていきたい。仲間は所詮他人。だけど大切なかけがえのない人たち。それらの葛藤が繊細に表現されていた。清澄役の川西拓実くんはその心の機微を嫌味なく演じていた。潮役の桜田ひよりさんは感情の浮き沈みが激しいキャラクターを誇張なく演じていた。そして音楽がよかった。私の好きなおしゃれなR&Bっぽいテイストが素敵。
メンヘラ女子の情熱と迷惑さを希望
なんやろ?なんで私の心はこんなにも反応しなかったんやろ?
まずサッシ窓のガラスを割って入ってくる女ですよ…
めっちゃメンヘラで激しい性格に違いないと思うわけですよ。
それが…その後メンヘラ女子の情熱も迷惑さも出てこない。
翻弄される主人公もまったく表情が動かない、感情が出ない…。
ちゃんとした役者だったら良かったのか?監督の狙いなのか?
その上、恋愛要素がまったくないのが致命的。
「猟奇的な彼女」ぐらいのメンヘラと恋愛要素希望!
音と俳優陣が素晴らしかった
まず、音楽映画ということもあって音が素晴らしい。自然の音、劇伴、そしてライブシーン。ここだけでも観に行く価値があると思う。音楽の好みはあるので、受け入れられない方もいるとは思うが…。
また、俳優の演技も良かった。主演の川西拓実さんの真面目でピュアで繊細さを感じさせる演技も映画初主演とは全く思えなかったし、普通だったらヤバイ奴になってしまうであろう役を桜田ひよりさんの演技でなんだか憎めない奴になっていたのも良かった。また、柳さん、井之脇さんの演じる陸と航太郎のお陰で、海の底にいるような鬱々とした気分からから抜け出せたし、少しの台詞と表情だけで、岬はただ冷たい人ではなく、ぶっきらぼうだけど正直な人なんだなと円井さんの演技ですんなり受け入れられた。
ストーリーについても青春映画ではあるけれど、大人だからこそ刺さる台詞もあって考えさせられた。もう一度観に行きたいと思う。
映画館で観て良かった
原作を読んでいたので大体の内容は知っていて漫画ならでわのちょっと突飛もない潮の行動は把握していましたがこれをどう映画で表現するのかな?実写だと違和感にならないかな?と楽しみに観に行きましたが桜田さん演じる潮のまっすぐで透明感のある演技でその実写になった時の違和感が少なくなりうまく映画として表現出来ていると感じました。また音楽も漫画では線と水玉のような画で表現されていたものがどんな音楽なのか楽しみにしていきましたが、これも想像以上に素敵な音楽で主人公の内面までをセリフのように表現していたのには感心しました。あと1番すごいなと思ったのは清澄を演じた川西拓実さんです。セリフが多くなく内向的な性格感情を微妙な目の表情や仕草で演じられていて清澄そのものでした。清澄が陸と初めて音を合わせた時の目の輝きなど観ていてこちらもワクワクしました。原作のよさをそのままに映画ならではの表現で観にいって良かったです。なによりライブシーンなど音に入り込めるので映画館で観るのがマストだと思いました。
老若男女、特に音楽好きの人全員見て欲しい
単なるボーイミーツガールの話ではありません。
人と人が関わることのめんどくささ、素晴らしさが音楽を通して丁寧な描かれている映画です。
主な出演者はいわゆる若者ですが、かつて若者だった人も今の自分の心に響くものが絶対にあります。
音楽業界のリアルも嘘なく描かれていて、夢物語ではないリアリティのある内容でした。
あととにかく音、音楽が素晴らしい。早くサントラを出していただきたい。
また清澄、潮、陸、航太郎、岬に会いたいです。てか、会いにいきます。
合わなかった
64本目。
自分の常識だったりとかで観てしまうと、始まった時から、合わないと確信。
才能ある人間の設定だし、最初に掴んで置かなきゃねってとは分かった上で。
そう思うともうダメな訳で、雰囲気映画にしか見えてこずで。
参考にしないで欲しい。
バジーノイズ
昨日見た 今余韻に浸ってる 序盤は主人公の二人が身近にいたらめんどくさいし関わりたくない存在だったけど、主人公の二人を演じた役者の繊細な演技に引っ張られ応援をしたくなる存在と徐々に変わっていった キラキラした青春映画でなく 苦悩を抱えた若者たちのもがきを素敵な音楽とともに目の当たりにできた作品 嫌いな人はいないと思う
また観たいしお勧めしたい作品に出会えた
単純に音楽で繋がる関係 分かち合える関係いいな
とても清々しい気持ちになれる映画
口数が少なくても表情や行動で伝わる川西くんの演技とても良かったです。ひよりちゃんの演技も素晴らしく感情移入してボロボロ泣いてしまいました。一緒に行った男友達もすっごく面白かったと川西くんを絶賛していました。1日経ちましたがまだ余韻に浸っています。
好きなものいっこ!
感想
人との関わり合いを諦め、深くコミュニケートする事が無くなってしまった男。DTMを趣味とし、その世界観は個人的なまま、そこで全てを完結させて生きてきた人間に視点を当て、
ただ諦めて受け入れるだけが人生では無い事。
人は人を観ているという事。
人生の中で自分で選択し、進んでいく道は、時に誤る事がある。その誤りを救ってくれるのも人という事。
人との関わり合いを通じて、音楽が好きでやり続けると、自分の世界観も、そして人生観も変わり、広がっていくという事!
世界は自分が思い知っている以上に広く、多様である。多様な世界で、様々な経験をしていく事が人間性の幅を広げ、人の個性を創り上げる。
時には人生の道を誤る事もある。誤ってしまったら、反省も必要だが、それ以上にまた別の、新しい道を探して行けばいい。
人生は辛い事もある。辛いときは楽しい、好きなことをしたり考えたらいい。
人は他人同士いろいろな事がある。だけど、いろいろな人がいるから、たがら、人生は、世の中は面白いし、楽しいんだよ。
そんな表面上で当たり前に思う事を、あらためて強く再認識させてくれる作品。
この映画を観れて良かったと感じる。
昭和の『若大将シリーズ』に始まり、最近では平成の『BECK』『サヨナラまでの30分』等の音楽をテーマにした、若者の生き様を描いた作品を観てきて音楽と青春は斬っても切れないモノで、大好きなジャンルなのだか、今回、令和にしてまた素晴らしい作品が出来上がったな。と映画が始まってすぐに確信した。
原作◎大変失礼ながら存じ上げず。テーマが原作者の身近な問題であったからか、ある視点としてとても秀逸な導入と展開で良かった。
音楽・脚本・演出◎
この物語に出てくる音を全てが納得する形で創造し、音楽として出来上がるまでのプロセスと登場人物の人間性が、きちんとオーバーラップされた脚本構成となっていたところが素晴らしい。坂本さんをはじめとする音楽家の皆さんの創造力の高さと、風間監督の演出力の賜物であると感じる。映像、アングル的にも人そのものが中心に落ち着いてよく捉えられており、映画の印象を強くしている。全体的によく纏め上げられていた。DTMの魅力全開で、誰でも新しい音楽世界の創造
が可能である事を感じさせる。
出演者◎若手中心であるが、全員が配役をよく理解した丁寧な演技で素晴らしい。柳さん、円井さん、奥野さん、他若手ミュージシャン役の方々。本当にプロミュージシャンなのですね。と感じる程、歌い方含めて技法が出来ていて素晴らしいと感じる。演技する上での苦労があったのだなと同時に感じた。
主演の清澄役の川西さんは主人公の内面にある沸々と燃えるエネルギーを静かに印象的に演じていた。桜田さんの潮役はとても印象的で良かった。演技的にもスキルが上がり、成長した姿を見る事が出来た。寅さんからの推しが続いている。これからが楽しみな俳優さんである。航太郎役の井之脇さんは着実にキャリアを積んでいる、とても安定した演技。青春モノには欠かせない俳優さんになってほしい。
⭐️4.5
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