「2085年の世界は、AI擁護派vs.反AI派に分かれていた。 20...」ザ・クリエイター 創造者 りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
2085年の世界は、AI擁護派vs.反AI派に分かれていた。 20...
2085年の世界は、AI擁護派vs.反AI派に分かれていた。
20世紀後半からロボットが登場し、人型AIが登場したことで人類は幸福を掴んだかにみえたが、2075年、米国ロサンゼルスでAIが核爆発を引き起こしたこと、ふたつの陣営に分かれることになったので。
米国を中心とする反AI派はAI抹殺を唱え、主に東アジアを中心としたAI擁護派はAIとの共存を望んでいた。
そんな中、退役軍人であるジョシュア(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は、AIがニルマーナと崇める創造主と最終兵器抹殺の任務を受けて、AI擁護派の中枢に潜入捜査をしていたが、任務途中で最愛の妻マヤ(ジェンマ・チャン)をお腹の子どもとともに喪ってしまう・・・
といったところからはじまる物語で、その後、ニルマーナの居場所が判明、そこにいた最新最終兵器の子ども型AIとともに逃亡することになる・・・と展開する。
映画の根底には、自分たちの存在を脅かす他民族への恐怖からくる反マイノリティ意識のようなものがあり、西側の連合軍隊はAIのみならず、AI擁護派はおとなといわず老人も子どももバンバン殺しまくっていくあたりは、やりすぎ感がないでもない。
映画は、ジョシュアとアルフィーと名付けられた子ども型AIとの逃避行が中心となって描かれるが、20年ほど前に流行したディーン・R・クーンツのノンストップ小説のよう。
これは誉め言葉。
ただし、映画終盤、ジョシュアとアルフィーによる敵方の大型基地への潜入エピソードはお定まりといえ、やはりちょっと無理があるなぁ、と苦笑するものの、最後に親子の愛に決着するあたりも微笑ましいといえば微笑ましく、好ましい映画でした。
『TENET テネット』と本作で、SFアクションの主役といえば、ジョン・デヴィッド・ワシントンとなりそうな雰囲気ですなぁ。
<追記>
アジアが舞台なのは、製作費を安く上げるためだろうが、結果、ベトナム戦争の悪夢も脳裏をかすめたりもした。
米国中心の西側勢が敗北するので、本作、米国では受け入れられているのだろうかしらん、と余計な心配も。