「漫画と映画は別モノ」違国日記 夜の樹さんの映画レビュー(感想・評価)
漫画と映画は別モノ
ヤマシタトモコ著『違国日記』を読んで、ボヤけていた感情の輪郭に触れることができた。心が震える体験だった。日々への憤りも甘えも信頼も、槙生や朝たちの物語とともにあり、彼女彼らが見せる喜怒哀楽に自分の行き場のない感情が昇華されていく感動があった。モノローグに紡がれる美しい言葉は真摯で、鋭く深く心に響いた。
原作が優れていればいるほど、映画化は困難なのかもしれません。本作は映画としての完成度は高く、役者陣製作陣の才も光る瑞々しい映画でした。ただ、私が見たかった映画『違国日記』ではなかった。では私が見たかった映画『違国日記』とは? 漫画をまた読み直し、しばらく夢想しながら楽しみたいと思います。
コメントする