「正統派ファミリーホラー」ブギーマン なもしさんの映画レビュー(感想・評価)
正統派ファミリーホラー
少し前に事故で母親を失った家族。 長女は母親を忘れられずにいた。
ある日、自宅で精神科医を営む父親のもとに、世間から子殺しの疑いをかけられ心を病んだ男がカウンセリングに訪れる。
その最中、父親が席を外した隙に男は宅内で自殺。 それをきっかけに家族に不気味な影がまとわりつくようになる。
ネタバレあり感想
ホラー映画によく採用される「家族を守る」「家族の絆を修復する」を主題とした正統派ホラー。
主題はいいものの、シナリオの枝葉にまとまりが少し欠けている、というのが本作の感想。
おそらくブギーマンは家族のトラウマが具現化して、家族に取り憑く悪霊。
主人公家族は母を失ったトラウマ、自殺男家族は赤ん坊を失ったトラウマに取り憑かれている。
多分伝染すると思われ、ブギーマンは劇中2ヶ所に登場する。
コレ、両家族のブギーマンが同一なのか違うのか言及がない。
自殺男の妻が、自宅に現れるブギーマンをショットガンやクレイモア?を駆使して倒そうとするが、
倒したところで、主人公家族側のブギーマンも死ぬのか不明。 そのためこのシーンがとても中途半端に映る。
(自殺男家のブギーマンを倒して解決、と思いきや主人公家のブギーマンは健在でビックリ!
とかならわかるが、そういう展開では無い。)
また、「ビッチたち」は完全に蛇足で、こういうキャラが登場する理由は序盤で次々と犠牲になるというのが王道なのだが、
ブギーマンの性質から、襲われる可能性はないことが分かるし、ストーリー回しにも必要がない。
完全にポリコレ対応要員としての意味しか無い。
そのぶん、主人公家族の絆の描写がイマイチ不足しているので、学校のシーンは極力カット。
盛り下がるパーティシーン、草をキメるシーンは全面カットし、家族描写に当てた方が良かった。
良いところとしては、
伏線であることが見え見えの母親の遺品、コックリさん的な描写など
あえてわかりやすく先が読めるシナリオにしてあること。
母親との絆がしっかり描けているところなんかは割と好感が持てた。
最後に
本編開始後に入場してきて、携帯のライトを灯して前を横切ってきたクソ女。 二度とやるな!