不安は魂を食いつくす

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不安は魂を食いつくす

解説・あらすじ

ニュー・ジャーマン・シネマを牽引したライナー・ベルナー・ファスビンダー監督が、1955年製作のダグラス・サーク監督作「天はすべて許し給う」の物語を下敷きに、愛に起因する苦悩や残酷さを鮮やかに描いた傑作ドラマ。

ドイツ、ミュンヘン。夫に先立たれ掃除婦として働く初老の女性エミは、ある雨の夜、近所の酒場で移民労働者の青年アリと出会う。2人は恋に落ちすぐに結婚を決めるが、エミの子どもたちや仕事仲間からは冷たい視線を向けられる。それでも愛を育んでいくエミとアリだったが……。

1974年・第27回カンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞し、ファスビンダー監督の名を世界に知らしめた。日本では2023年7月に劇場初公開。

1974年製作/92分/G/西ドイツ
原題または英題:Angst essen Seele auf
配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム
劇場公開日:2023年7月28日

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(C)Rainer Werner Fassbinder Foundation

映画レビュー

5.0淡々と描かれた本性

2025年5月28日
iPhoneアプリから投稿

新入社員、新入生、外国人、赤ん坊、人は外からやってきた何かに相対すると奇妙な感覚に陥る。それは暴力を生む。

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悠

4.5名作過ぎてひっくり返った

2024年6月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

知的

何の気なしに鑑賞して、我が人生のベスト級の映画に出会ってしまいました。「不安は魂を食い尽くす」、名作です。高度に洗練された映画だと思います。明瞭かつ芸術的。レイアウトにこだわり、人物の仕草を繊細に描き出すアプローチを取りながら、物語のテンポ感が全く損なわれていない事に驚きました。差別という題材を描く上で登場人物の情報が十分に立体的で、かつ必要以上には掘り下げない温度を保つのも上手い。全てにおいて匙加減が絶妙。例えば冒頭で掃除婦のエミが元ナチ党員である事が提示され、彼女が単純化された悲劇のヒロインでない事を観客に提示する一方で、その背景が罪としてクローズアップされる事はないのです。シンプルな物語だからこそ可能になった理想の取捨選択がこの映画にはあります。強いて作品の色を語るならば、客観的でやや乾いた映画だと思います。だからこそ、差別を題材にしながら、半世紀経った今でさえ通用する普遍性を獲得出来たのでしょう。
ラストについては悲劇で終わる事も楽観も許さない、本作の小市民的リアリズムからの帰結だと自分は感じました。その分ちょっと恋愛ものに求められるロマンスには欠けたかも知れないですね。

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フレンチクローラー

3.0話がトントンと進んでいく

Mさん
2023年11月11日
Androidアプリから投稿

あからさまな差別に驚いたが、日本でも、これからどんどん外国人が入ってきて、人種差別等のことも身に染みてわかるようになるのだろうか。

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M

3.570年代の西ドイツにて

2023年10月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー傑作選、にて劇場で観賞。

ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーは監督しつつ、チョイ役で出演してます。

センスいいオープニングから引き込まれて観ました。

人種差別や移民問題を扱ってて、いい題材だと思います。

今の日本にも通じ、考えさせられました。

70年代の西ドイツが舞台で、当時の西ドイツを記録した貴重な映像でもあります。

ビートルワーゲンが止まった雨の街角、街の雑貨屋、当時のアパート、などなど…

その点でも楽しめました。

良かったです。

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RAIN DOG