モダンかアナーキーのレビュー・感想・評価
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終始、心がざわつく感覚、これも映画体験。
1回目の上映で観られなかったけれど、ポレポレでの再上映で、監督挨拶とともに鑑賞できた。
河合優実と村上虹郎の実力派俳優が観たくて楽しみにしていた。
あまりわけのわからない映画だろうと思っていたが、意外と話自体はシンプルだった。
監督が、この作品を観てなにかガツンとくれば、と言っていたように、すっきりはしないけれど、終始ワナワナ、心がざわつく体験で心に残った。
ピントがあわない、手ブレ、街灯のみの照明、そして、まさに不安定な思春期の心情。すべてがラストシーンにつながるまで、鑑賞者の心を(間接的に)揺さぶるように作られていた。
それを違和感なく演じている俳優陣はみごと。
監督本人は作品とは正反対の穏やかな方で、映画表現というものは面白い笑
映画を何度も見たくなる、その根源は脚本だけでなく、このような心の体験かもしれない。
2023年劇場鑑賞99本目
痛みの受け止め方と与え方
転落死したやさぐれスケボーキッズと仲間たちの話。
仲間の1人が8月31日に歩道橋から転落死した高校生達のそれまでとその後を見せていく。
警察の問いかけに、警察が学校になんちゃらかんちゃらとかマウント取れるとでも勘違いした様な発言する辺り、現代の勘違いキッズらしくてなかなかリアル。
夜な夜なみんなで集まって、スケボーやったりばか騒ぎしたり、時にはあったかいのやったり。
一括りに言えば不良なんだろうけれど、本当の意味で怖い目や痛い目にあったことはないし、打たれ弱いというより打たれたこともない若者が、好き勝手やった末の出来ごとという感じで、正味そこに響くものはない。
作中でもほぼ知れっとしている少年だけど、姉ちゃんとのやり取りをみるに、今回ばかりは混乱という感じもあって、虚しさみたいなものは感じられる。
ただ、他にあまりこれといったものは無くて、時系列をいじることでショッキングさを演出している感じかな?
それも具体的な映像は無いにしてもどうなったかはわかっているからそれ程でもないし、ドキュメンタリータッチで淡々と見せていたのも没入感が無くて逆効果に感じた。
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