BAD LANDS バッド・ランズのレビュー・感想・評価
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ネリと、ジョーと曼荼羅
曼荼羅の言葉、
「姉さん姉さん姉さん」
「何かあったら僕の命をあげる」
爆発天然パーマ、刺青、賭け事、もういない惚れた女…
原田監督は対になる演出をよくするけれど、曼荼羅はある意味、生きてネリと別れていた場合のジョーの行く末の姿として描かれているのかもしれないと思った。
ジョーの胸に秘めた想いを曼荼羅が最後に伝えられたこと、ネリに向けた微笑みがとんでもなくエモい。
大切な人のために生きて、大切な気持ちを伝えることができた。ジョーと曼荼羅の魂は救われて、ずっと他者に踏みにじられ悪意に閉じ込められていたネリの魂をも救って、ネリは再生の海に向かって走た。
他にも面白かったところ、演出と美術の素晴らしさ、役者さんたちの魅力的な演技、沢山言いたいことがあるけど、
とりあえず
ほんと良い映画見た!!
前後編くらいの要素
西成の詐欺組織の話はリアリティがあり面白かっだですが映画としては要素が多いなと感じました。
原作では実業家のエピソードはもっと重要なんだろうなと思いつつ映画では浮いているように思えました。
と思ったら原作の主人公男性なんだ。
裏の世界の情
原田監督作品は燃えよ剣、ヘルドッグスに引き続きとても楽しみにしていました。
裏の世界の愛情やら友情、様々な情に溢れた映画だと思いました。
安藤サクラさんはどの作品でも見かけるような気がします。哀愁漂うカッコイイお姉さんで、そして色んな意味でとてもつもなく強い。裏の世界の人間なのに優しい。最後は幸せになって欲しいと思いました。
山田涼介さんは金田一少年の事件簿イメージが強かったのですが笑顔のサイコパス役とても似合うなぁと思いました。まさかのとある方との出会いで銃を怖がっていた彼がまさかあの後人を殺すとは……そもそも親を殺したのも彼であり、しかもその理由がお姉さんを助けたいからという……
他の役者陣も素晴らしい。謎の人物が何人か登場しますが流石としか良いようが無かったです。
某最強に強い方の存在感は半端なかったです。
人間のぐちゃぐちゃの感情を受け止めることとなり、ヘルドッグスに引き続き、自分はとても唸る事となりました。
中だるみのような感覚も途中でありますが、それは続きが気になるから早く観たいと自分が思ってしまうからなのかなと感じました。
どういう意味なのか考察したくなる。また見に行くだろうなぁと思います。
合計2回観賞(メモ用)
岡田は先輩だから?
すごく練られた良い映画でした。
しかし、
岡田のシーンは?????
なぜあの時だけ撃たなかったのか?
ジャニーズの先輩だからっていうことかなぁ?
また、盗撮映像は誰が撮って渡したのか? 回収されてなかったような。
大事なとこ見落としたかも
安藤サクラと山田涼介に釣られて鑑賞。
安藤さんは『贖罪』の怪演を観て以来、気になる存在に。
山田さんはアクションが好きなんだけど、この作品では無かった。
(まぁ、アクションがあると思ってなかったけど)
ヘルドックスと同じ監督だったんだ。
雰囲気似てるかも。
『思いがけず3億円もの大金を手に』
なんて書いてあったから、
何かに巻き込まれるのかと思っていたら、お前かいな…
撃ちたくないって言ってたのにな。
岡田准一、いると思わなくてビックリしたが。
詐欺のこと勉強になる。
本当にあんなんか知らないけど、
実際はもっと複雑な作りだろうな。
あんな簡単に繋がらないよね。
逮捕の時、警察が花屋を装っていたけど、
元カノの名前を出したら危ないんじゃ…
実刑くらっても、いずれ出てくるんだし、
元カノが真っ先に疑われるじゃん…
警察の大丈夫は、実際にアテにならないからな…
つーか、まさかのトップって有りなのか?
トップだけど、バックにも色々ついてたってことか。
事務所(?)に誰も居なくて、
ジョー達に簡単に忍び込まれるし、襲われるトップか…
まさかすぎてビックリした。
ジョーは短絡的でおバカだったけど
恐らく最後はネリのために。
曼荼羅もネリのためにやったのかなって感じで、
詐欺に関わったりして、ネリは人生詰んでるように
見えていたけど、愛されてたんだね。
ジョーと曼荼羅が格好良かった。
長いかな?と思ったけど、他のキャストもみんな良くて、
長さはそんなに気にならなかった。
でも… なんか今日はお手洗いが近くて…
ラスト20分なのに途中退席… 泣
5分くらいで戻れたけど、なんかジョーだけ別行動してる。
キャラメルラテ飲むんじゃ無かった…
心残りがあるので、何かで必ずもう1回は観ると思う。
安藤サクラが愛されていて満足
皆不器用すぎるだろ〜〜〜〜!!!!
生きるのが上手い人間が居るわけないけどそれにしてもだ!!大好きな人を命張って守るっていうさ〜〜〜!!
そんな裏社会をリアルに演じられる俳優ってやっぱりすげーなあーと感じます。よくあんなキツめの関西弁で演じられたね!!?
この手のストーリーでは必ず女性が良い扱いされてないけど綺麗な女性同士のシーンがあってドキドキしました。山田くんが全裸(※背中)になって色々な意味でドキドキしました。ラブホではしゃぐな〜〜!!!
なんか見た事あるなと思ったら!まえだまえだ(兄)か〜〜!兄弟で俳優やってたのか。
岡田くんはいつの間にかハードアクション俳優ですね!!!
この悪地(badland)から走り抜け出ろ
原田眞人監督の作品に何を求めるか。
王道的エンタメを期待したら、金をスラれた気分になるかもしれない。
近年の『関ヶ原』『検察側の罪人』『燃えよ剣』『ヘルドッグス』など一見エンタメ作ではあるが、なかなかに万人受けしづらい。題材ではなく、その作りがだ。
原田作品を楽しむには、このセンスに酔いしれるしかない。
もはやトレードマークとなった作風や演出は本作でも健在。
スタイリッシュでクール。早口の膨大台詞量。展開も早い。ムーディーな音楽。入り乱れる人間模様。
アメリカで映画を学び、日本映画離れしたセンスや作風は、原田監督にしか出せない世界観。
その一方…
アメリカンナイズされ、台詞回しや用語にインテリアチックをひけらかす。分かる人には分かる。ハマる人にはハマる。合う人には合う。
そうでなければ完全シャットアウト。
センスと言ったが、自分に酔いしれているような気取った作風は鼻にも付く。
別に原田監督とその作品が嫌いなわけじゃない。好きな作品は多い。
ただ時々合わない時がある。
本作はそれであった。
大阪。特殊詐欺を生業とする女、ネリ。
グループの名簿屋の下、“売り子”として手腕を振るっていた。
ある日血の繋がらない弟ジョーが現れた事から…。
ある博打で負け、借金を作ってしまったジョー。
返金の為、名簿屋の金庫を狙う。その時、歯車が狂い出す。
大阪府警の摘発班が執拗に追う。
特殊詐欺のグループのみならず、そのバックの組織や巨悪の思惑絡み…。
思いがけず手に入れた3億円という大金。ネリとジョーは負ければ死、勝てば人生一発大逆転のチャンスをものに出来るか…?
これが万人受けのエンターテイメントなら、コン・ゲーム展開の騙し騙され、裏切り裏切られ、二転三転の醍醐味や面白さあっただろう。
本作も無くはない。一癖二癖ある人間模様。誰もがキケンな奴ら。
誰が敵か味方か。一瞬の隙を見せたら突かれる。
常に命の危機と隣り合わせ。
ヒリヒリとしたサスペンスは充分だが、どうも世界観に入り込みにくい。
状況や背景の説明ほとんどナシ。ぽんとその場に放り投げられたような。
人間関係図も複雑。時々人物名や派閥がこんがらがる。
話も複雑のようだが、整理するとそう複雑ではない。台詞量や小難しい用語で難しそうに感じ、また伝わりにくい/入り込みにくい作風や演出がそれに拍車をかける。
それでも見ていく内に面白味は増していったが、しかしそれが決定に至るまではいかなかった。
闇の稼業の怖さは伝わった。
開幕の“仕事”。
ある老女に詐欺電話。
マークし、至る所に配備し、裏でグループが指揮を執る。
老女の周りに群がるは特殊詐欺グループだけではなかった。大阪府警の摘発班。
老女は摘発の為の囮。まあこの老女も安易に騙され過ぎと思ったら…。
結局この攻防は…。
人がごった返す街中で、犯罪グループvs警察が当たり前のように。
本当にこんな事が行われているのか…?
今もすぐ目の前で、すぐ隣で…。
世界一安全とよく言われる日本だが、実際は…。
姉弟がそれぞれ抱えるもの。
サバサバして度胸もあり、男前なネリ。
怖いものなど無いように見えて、深い闇や過去を抱えている。
まだ十代の頃、義父から性的虐待。実母は自殺。住んでいた工場は焼け…。
ある男の下で働く。メディアでも話題の大企業の会長にして投資家。部下として働き、欲望を満たす道具としても…。この時受けた暴力が原因で…。
逃げ、助けを求めたのは…。表向きはNPO法人の理事長だが裏の顔は特殊詐欺グループの名簿屋。実父であったのだ。
感動的な父娘の再会などではない。上役と部下。非情な世界。
もうこの世界で、この男の下で、この仕事で生きていくしかなかった。
そんな時思わぬ“事件”。返金でジョーが名簿屋の金庫を狙い、争いになり、ネリが助けたのはジョーの方だった。
この手で実父を刺し殺し…。
ネリもいい加減この仕事や実父にうんざりしていたのは否めない。
これはチャンスか。それとも…。ジョーは疫病神か。
トラブルメーカーで自由気ままな性格、悪びれる様子もない。サイコパスな一面も。
しかし、この二人にしか分からない“姉弟”の絆がある。
10代の頃に出会い、苦楽を共にしてきた。
血の繋がりはないが、血の繋がりある実父よりその関係は濃い。
ネリが思っている以上に、ジョーは姉思い。ラストのある行動…。
無謀で結果的に悲劇となったが、ジョーにとってはこれで良かったのかもしれない。
自由に行けよ!…とでも。
大阪の雰囲気がムードを上げている。
所謂有名所ではなく、シャッター街や裏賭博場、アジトにしている一見廃屋…。
お天道様の下はまともに歩けず、誰の目にも付かぬ日陰のような場所。
そこで生き、蠢き、一触即発。
クライム、ノワールの世界に充分浸れる。
キャストの熱演も素晴らしい。
安藤サクラに関しては…、もう何も言うまい。ただ単に巧い!名演!を通り越して、発する台詞や存在感やカッコ良さ全てを含め、完璧に役を自分のものにしている。原作では安藤の役は男と言うから驚き。全くその違和感を感じさせない。
山田涼介も安藤サクラに触発されるように。ふてぶてしさ、危険さ、人懐こしさ。彼も作品や役によって化ける実はなかなかの演技巧者。
その他の個性派や異色で揃えたキャスティング。ネリと因縁あるイケメン投資家や賭博場の女仕切り屋などインパクト充分。
ベテラン性も負けてはいない。
前半はイッちゃってるが、後半からはシラフになって渋いカッコ良さを魅せる宇崎竜童。
いつもならコミカルな役柄多いが、それを一切封印し、恐ろしさと凄みを効かす生瀬勝久。
キャストの熱演はいずれも見応えあった。
悪くはなかった点もあるが、しかし…。
心底満足した、面白かったとは言い難い。どうも不完全燃焼感が燻る。
他のレビュアーさんの評価はなかなか高く、堪能したようで。
あくまで私個人の意見。ラストシーンの疾走のような、もっと突き抜けた面白さや分かり易さ、エンタメ性が欲しかった。正直に。
よかった
•ジョーが最後男を見せるの良かった、サイコパスの感じが良い感じで出てるように思った
•ネリの言葉印象に残るセリフ多かった!固い方が、、、怖すぎ笑
•曼荼羅が最後カッコよかった。
•裏社会のテーマの映画ほとんど見たことなかったけどこれを機に見てみようかなと思う。
題材は好みではないが良作
特殊詐欺という題材は好きになれませんが、日本のクライムムービーとしてはとてもリアルに仕上がっている作品だと思います。安藤サクラさんはもちろんですが、特に捜査班側の描き方が良かったです。大抵の犯罪映画では、捜査班側が妙にマヌケに描かれることが多く白けてしまうのですが、本作では捜査側もしっかり描かれているので全体の質が上がって見えました。
ただ、山田涼介さんは犯罪者役としてはイマイチでそこがちょっと残念でした。あと、岡田准一さんの出演は不要というかマイナスだったと思います。
とにかく安藤サクラさんがやばかった。最初の事が最後に結びついて凄い...
とにかく安藤サクラさんがやばかった。最初の事が最後に結びついて凄いし、山田涼介の役がお姉ちゃん想いでとても感動した。どのシーンもハラハラドキドキで途中岡田准一出てきて心が休まった(笑)とても見応えあった👏
【令和版、仁義なき数々の戦い&復讐。”そして私は”BAD LANDS"から抜け出す為に藻搔く!”大阪弁飛び交うフィルム・ノワール。取分け屹立した安藤サクラの演技に魅入られた作品である。】
ー 今作は、原作小説はあるが、名匠原田眞人監督が大幅に改編した作品である。ー
■ネリ(安藤サクラ)と、ジョー(山田涼介)は血のつながっていない姉弟で、小さい頃から親から虐待を受けながら、助け合って生きて来た。
ー このシーンは描かれずに、二人の台詞から分かるのだが、それが再後半に効いてくるのである。ー
そして、ネリが実父である高城(生瀬勝久)の元、特殊詐欺に加担する日々を過ごす中、東京から出所したジョーが彼女の元にやって来る。
◆感想
・久方ぶりの、ジャパニーズ・ノワールである。テンポよく進む展開。練り込まれた構成に一気に魅入られる。
・大阪、新世界の底辺で暮らす人たちの中、ネリが且つて酷い仕打ちをされた父、高城の元裏稼業で受け子たちを束ねている姿。
ー 特殊詐欺の仕組みなどが分かり易く描かれるし、警察との攻防も面白い。-
■多くの役者さんを関西出身者で固めているためか、大阪弁シャワーと雰囲気をタップリと浴びる訳だが、その風合が犯罪組織が行う特殊詐欺のマニュアル化された仕事ぶりと作品舞台に合っているのである。
・高城がジョーの連れ合いともめる中、高城はネリに刺殺される。
- ネリと、ジョーは手際よく高城とジョーの連れ合いの死体を山中に埋める際の二人の会話は最早、コントである。ー
そして、二人は高城の莫大な隠し財産を高城の元相棒で、今はアルコール依存で時折壊れる曼茶羅(宇崎竜童)の助けを借り、手に入れる。
・そして、二人はジョーを待つのだが、彼は”姉を只管執念深く追う、表向きはベンチャー企業のトップだが裏の顔は女性に酷い仕打ちをするドSのゴヤ”(渕上泰史)を殺しに、ゴヤの晴れ舞台に拳銃を持って殴り込み彼を撃ち殺すのである。
ー 勿論、姉の事を思っての行為である。血が繋がって居なくとも幼い頃から助け合って生きて来た姉弟の絆が沁みる。-
<再後半、曼茶羅がネリを送り出すシーンや”電池が切れたかのように”息絶えるシーン。
そして、全ての柵から解き放たれた様に、朝焼けの中、街を疾走するネリの姿が印象的な作品である。>
くるくるティースプーン。
大阪で特殊詐欺に手を染めた者達の話。
雇い主の名簿屋高城、表向きはNPO法人理事長、その雇い主高城を殺ってしまい金を奪った事で巨悪から狙われる事になってしまったネリとジョーのストーリー。
過去の男から追われるネリ…
色々な人物から見せて進むストーリーって感じ、最初何か話が分かりにくいなと思ったけど雇い主の高城を殺っちゃった辺りから分かりやすく面白かった!
安藤サクラ演じるネリ、サクラさん何の役をやっても染まるね~
サバサバした男気ある立ち振舞いのネリよかった!
山田涼介演じるジョー、何か頭の悪いヤバイ奴だったけどネリ思いのいい奴だった。
宇崎竜童さん演じる曼荼羅(上松)、何か最初はイっちゃった奴だったけどシラフになるとまともでラスト辺りの自分は降りてネリの乗るタクシーを見送った辺りの上松の振る舞いに何か分からないけど泣けてしまった。
賭場にいたショートヘアの金髪悪女子、ミッションインポッシブルだっけ?何かの作品に似たキャラがいた様な(笑)
この先どうなる?と終始引き込まれ面白かったです!
口座の暗証番号、高城がオヤジだとわかってネリの誕生日だろ!って察せた!(笑)
原田眞人✖️黒川博行✖️安藤さくら
面白くない訳がない。
この世界にずっと浸っていたい。
黒川博行の小説は、最後に事件が解決しなくとも主人公は必ず決着をつける、って誰かが評していたけれど、この映画で、ジョーと曼荼羅がつけた決着には思わず涙が溢れた。黒川博行原作の映画でまさか泣くとは思わなかった。
新撰組のセットで「なんか懐かしい感じがするな」と山田涼介に言わせたり、天童よしみの舐めたらあかんとかところどころで放り込まれる小ネタも楽しめる。
吉原光夫主役で黒川博行の警察犯罪ものシリーズ化してほしい。
ラストシーンと宇崎竜童に拍手。
金がすべての世の中で、男に傷つけられ、育てられ、闘ってきたネリが、最後に金がすべてでない男たちに助けられ、夜明けの大阪の街を外へ向かって走って行く。
ラストシーンを思い浮かべるたびに涙が出てしまう。
映画史に残るラストシーンじゃないか。
映画っていいな。
勁草
オレオレ詐欺に携わる犯罪グループに焦点を当てた黒川博行先生の「勁草」の実写化。
原作未読だが、主人公は男性だそうです。
そこを原田監督が女性に変更し、サクラちゃんをキャスティングした事はお見事でした。
ジャパニーズノアール!
原田眞人監督、主演「安藤サクラ」
ってだけで勝ち確!!
そして原田監督が珍しく女性を主人公に据えたので興味がわきました。
大阪で特殊詐欺を生業として生きる血のつながらない姉弟、ネリ(サクラちゃん)とジョー(山田君)
ジョーのやらかしがきっかけで、億を超える大金を手にしてしまい、警察だけでなく他の組織にも追われる事になる2人を描いて行くクライムサスペンス。
本作では、ニュースで見聞きする特殊詐欺の内部、仕組みなどを登場人物のセリフや動きで細かく説明されます。
⚫︎掛け子。。電話を掛けて騙す役
⚫︎出し子。。振り込ませた金融機関から現金を引き出す役
⚫︎受け子。。被害者に接触し現金を受け取る役
⚫︎見張り役。受け子が被害者と接触しても良いか判断する役
⚫︎名簿屋。。多重債務者などの名簿を売る組織
⚫︎道具屋。。足のつかない携帯、パスポートや架空口座を売る組織
ネリは"三塁コーチ"と呼ばれる見張り役でかなり手慣れな様子。
「教授」と呼ばれる出し子
(大塚泰正さん)との「仕事中」も警察の気配を察知し、犯行を中断。逮捕を免れる。
細分化された部署とも呼べるその徹底的に管理されたシステム。加えて、お互いの素性は知らないという巧妙さ。
現実でも逮捕しても一斉検挙につながらないという怒りや、やり切れなさと重なる。
本作でも、
地道な捜査を粘り強く続け、確実に犯罪者達に迫って来る佐竹刑事(吉原光夫さん)達だが、結局は、
「追う刑事」と「逃げる犯罪者」
あと一歩の所まで来るのに届かなかったり、逮捕してもごく一部。
そんなもどかしさもリアルなのかもしれない。
そして、ネリを頼ってバカでサイコパスなジョーがやって来る。
役に立っているんだか、いないんだか。
しかし借金の工面までしてくれるネリ。いつもジョーを気にしている。
ジョーのネリに対する異常な愛情と執着は狂気すら感じたが、その過去の繋がりを知ると、理解し難いその歪んだ関係性も納得してしまう。
ネリの親玉で実は父でもあった高城
(生瀬さん)は、最初ネリの味方か敵かわからなかったけど、結局クソだった。
曼茶羅(宇崎竜童さん)は高城とは古い付き合いらしく、幼いネリを可愛がってくれた人物だ。
アルコール依存なのか?と思ったが、ネリが秘密を語った後からは、強力な助っ人となる。
"曼茶羅"と呼ばれるだけあって人生を悟っていた人だったな。
ネリ達が隠れ家にしているプールバーのママ
(鴨鈴女さん)もネリとジョーを助けてくれる。お金だけの関係ではなかったと思う。
(敢えてこう書きますが)
クズ同士でもそこには人情があった。
心底の悪人ではない描かれ方に救われました。
しかし、主要人物が全て犯罪者なので勿論共感はしない。
ネリとジョーの生い立ちや、過去の不幸には、少しの同情は出来ても肯定は出来ない。
金は持っている奴から掠め取ればいいんだと笑いながら話した2人には怒りさえ覚えた。
んですけど。。あそこまで闇落ちした2人を、むしろ憎むべき存在である彼女らを、突き放せない自分がいて驚いた。
ネリはジョーを、ジョーはネリを、
深く必要としていた事、常人には理解出来ない形をした愛でも、固い絆で結ばれている事が、ヒリヒリ痛みを伴って分かるのだ。
ネリの過去の男に対する決着の付け方もジョーと曼茶羅の愛だ。
ラストのネリの疾走。空の色が変わっていく。印象的なシーンでした。
もう、ジョーも曼茶羅もいないけれど、その先に小さな希望があって欲しいと思ってしまった。
本作の収穫としてはやはり!
今まで見たことのないサクラちゃんが見れた事!
彼女からは目が離せません。
山田君もサイコパスな役をしっかり
こなしていたと思います。あの見せ場はもうひと盛り上がりあったら尚良かったです。
宇崎竜童さんは素敵でしたわぁ。
背中の入れ墨がお似合いでした。
そして!
天童よしみさんにあんな事言わせちゃう原田監督にあっぱれww
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