「楽しめたけどちょっと残念な出来」BAD LANDS バッド・ランズ よしてさんの映画レビュー(感想・評価)
楽しめたけどちょっと残念な出来
序盤は特殊詐欺とその取り締まりをめぐる、ドキュメンタリーチックな仕上がりで興味をそそられましたが、ジョー役の山田涼介さんが出てきたあたりからは、闇世界の全体の話がメインになって、フォーカスがややボヤけてきます。
また、ジョーがバカなお調子者なのか、やる時はやる男なのか、単にキレるとヤバいだけのやつなのか、よくわからないまま、中盤の山場を迎え、その後活躍が少ないままラストに突っ込んでいくので、見てる側としては、その行動原理がピンときません。
また、中盤の山場の後、ネリもジョーもチンタラとした仕事ぶりで、テンポのよかった前半に比べると物語全体がダラけた印象。警察パートやゴヤパートなども中途半端に長く挟み込まれるので、結果として2時間半近い作品ですが、実時間以上に長い印象を受けました。
安藤さくらさんの演技はさすがですし、宇崎竜童さんや生瀬勝久さんもしっかり仕事されていて、嫌いな作品ではないだけに、中盤以降のペースダウンが残念でなりません。
P.S 個人的には高城とネリの掛け合いが好きだったので、ネリがジョーと高城でジョーを選んだ時点で物語への思い入れを失ったというのも大きいです。ストーリー上はジョーを選ぶのが正解なのは理解できますが。
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