オオカミの家のレビュー・感想・評価
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言葉にするのは非常に難しい作品だぁ〜!
いやぁ,観た人は誰もが口にしてると思うが、(観た事が有る人が居たらスミマセン🙇)そりゃ初体験の映像で有り&何もかもが新鮮で有り&兎(ト)にも角(カク)にも凄い!!
誰かが言っていたと思うが,チリの2人組の監督らしくチリに実在したコミューン(スウェーデンの基礎自治体<何と無く調べた処に寄ると,日本で言う市町村に当たる事らしい>)に,着想を得て制作した内容もしっかり有るストップモーションアニメで作った事自体が凄い!!
1つ1つの細かい部分(マリアがブタを逃がしてしまった事と,新たに飼育仕出した子ブタに襲われる迄の過程)の心情を生身の人間で作品にしていない事で(狙い通りなのかな?)、面白い!と言うよりも私は繰り返し言ってる“凄い!”に尽きる。
映像表現は◯だが独特すぎてなにを伝えたいのか分かりづらい
凄い才能from🇨🇱チリ
チリで実際に存在した元ナチス信奉者が運営する施設から脱走した女性のはなしをリアルサイズでやる立体アニメ。アイデア満載!
これは思い付いても実際撮影するのを躊躇してしまう作業量ですよ。とくに壁のペイントアニメと逆回長回し撮影がエグい。作業途中の釘もテープもタッカーも針金も表現に取り込んでしまう柔軟さと取り組むテーマの深淵さ、そのギャップにやられました。表現に対する判断が、ゆるいように見えるけど行き当たりばったりじゃ到底無理なんですよ。
比較すると「骨」の方が好みなんで4.5にしたけど5でも良かったかな。エグいアニメーターが地球のはずれでまた誕生したことを素直に喜びたい。
コロニアディグニタというチリの黒歴史は映画2本、最近公開されてた「コロニアの子供たち」はあっという間に上映終わったし、エマワトソンの「コロニア」もタイミングあわずチェックしてだけど見逃した。
どっかでまたやらないかな、、、。
同時上映の「骨」にもレヴュー書いたのでそちらもよろしければ見て下さい。
唯一無二の体験。これを映画と呼んでいいのか…?
チリ発のストップモーションアニメ。
フライヤーには『実在のコミューン:コロニア・ディグニダにインスパイアされたホラー・フェアリーテイル・アニメーション』とあるが…全く想像が付かなかった。この映画の正体を知るには、実際に鑑賞するしかなかったのである。
ちなみにコロニア・ディグニダとは、ピノチェト軍事政権下のチリに実在したコロニーらしい。キリスト教の教えをモットーに掲げた秩序ある集落の実態は、ドイツを追われた元ナチス党員が設立したカルト集落であり、性的虐待や強制労働、拷問が行われていたという。この恐ろしいコロニーからインスパイアされた作品?もう怖いのだが…。
ところが本作は、全くと言っていいほど怖くなかった。なぜなら、見たこともない驚愕の映像表現に夢中になり、怖がっている場合ではなかったからである。実寸大の部屋のセットの中で、ミニチュアではない等身大の人形を作っては壊わす、絵画を描いては塗りつぶす が繰り返され、空間が変容し続ける。それを全編ワンシーン・ワンカットで見せてくるのだ。1秒たりとも目が離せず、恐怖感を抱いている暇など無い。ある意味では、そんな状態にあったことが恐怖かもしれない…。
ストーリーは決して難しくはない。チリ南部のドイツ人集落に暮らす少女マリアがある日飼育していたブタを逃がしてしまい、それに対する厳しい処罰に耐えられず集落から脱走する。逃げ込んだ森の一軒家で出会った2匹の子ブタを世話をしながら隠れて暮らすことにしたマリア。子ブタが安心したのも束の間、森の奥からマリアを探すオオカミの声が迫ってくる。(このマリア~マリア~と呼ぶ声がめっちゃ不気味w)怯えるマリアに呼応するように、名前を与え洋服を着せ人間の子のように育てていた子ブタ2匹が恐ろしい姿に形を変え、家は悪夢のような禍々しい世界へと化していく。結局マリアは家を出て、オオカミの声がする方へと戻っていく…。
このストーリー、実在したコミューンで行われていた非道、そして本編前に上映された短編「骨」の設定を踏まえると、本作はコロニーで子供たちに見せている教育ビデオなのではないか?失敗は許されない、脱走してはならない、コロニーの外に幸せはない。そう洗脳する映像であり、オオカミの声はコロニーの教祖が子供達を招き入れようとする声なのではないか?そんな感覚に陥ってしまう。
本作の監督・脚本・美術・撮影・アニメーションを務めた2人組のビジュアル・アーティスト:クリストバル・レオン&ホアキン・コシーニャ。ラテンアメリカの伝統文化に深く根差した宗教的象徴や魔術的儀式を、実験映画として表現するユニットだ。世界10カ所以上の美術館やギャラリーに撮影場所を構え、前述の通り実寸大の部屋のセットを組み、等身大の人形や絵画をミックスして制作、その制作過程や制作途中の映像をエキシビションの一環として公開しながら5年の歳月をかけて完成させたという。手のこみすぎた制作手法に、こんな贅沢な作品を見せてくれてありがとう!の気持ちだ。
これは果たして「映画」と呼べるのか?私は今「映画」を観ているのか?
唯一無二の映像表現に、瞬きはおろか呼吸すら忘れてしまうほど惹き込まれていた。実際、劇場内の観客はみな物音ひとつ立てずスクリーンを凝視しつづけていた(ように感じるほどの静かさだった)。その光景を俯瞰的に想像したとき、逃げられない黒い部屋の中に集められ、洗脳を受けている最中のような、異様な光景のようにも思えてくるのだ。「映画館で映画を観る」という行為、「映画」そのもの在り方にさえ疑問を投げかけてくるような、彼等からのプロパガンダのようにも思え、とんでもない作品に出合ってしまった驚きと喜びと、やっぱり恐怖に慄いていた。まさにカルト的だ…。
映像すばらしいんだけど〜、ぜんぜん悪くないんだけど〜。 ほーら不穏...
あらすじを読んでから視聴しましょう
アートパフォーマンス
映画にストーリー(整合性やテーマやキャラ性)を求めちゃう私には、アートすぎるって感じで、ちととっつきにくかった。
油絵や立体芸術品を作成していく過程ごと見せるようなフィルムで、アートのライブパフォーマンス記録ってとこ。
”もしもカルト教団が子供向けプロパガンダアニメを作ったら…”
というアイデアなので、ストーリーそのものはシンプルですけども。
「豚を食わずに保護すれば人が飢える。人が飢えれば人同士で殺し合い食い合う。甘い言葉の裏に隠しごとがあるように聞こえたオオカミは、実は優しくて真理を言っているのでは……?」
とまぁ、ざっとこんな趣旨なんですがとにかく、不条理で意味のわかりにくいシーンばかりでして。
この「不快さの連続」の印象はむしろ、『MAD GOD』あたりが近いような気もしました。
デヴィッド・リンチな世界観
怪物だ~れだ?
暗く薄気味悪い
生きている人間が一番怖い
悪い夢でも見てるような
至ってシンプルなお話を、唯一無二の異様なセンスで見せ切る珍品。
想像を大きく上回る異常な映像表現に耽溺し、翻弄される。
おそらくこのような映像体験は後にも先にもないだろう。
たいへん珍しいものを観せてもらった。
この監督(コンビ?)が実写映画を撮ったらどんなものが出来上がるのだろう?
是非、観てみたい。
惜しむらくは、終始一本調子なので中盤あたりで退屈を誘ってしまうところ。
もうちょっと緩急というか呼吸というか強弱というかメリハリをつけて欲しかった。
同時上映の短編「骨」も異様な魅力。
悪趣味で不謹慎でけしからんことこの上ない(誉めてます)
ところでこの「オオカミの家」
平日の昼間にもかかわらず、やけに客入りが良いですね。
映画ファンの嗅覚?
悪夢
マ リ〜ヤァ〜
「チリ映画お試し」みたいな位置付けなので、上映館がかなり少ない。
回数も少ないにも関わらず満席に近い状態だったのは、あの予告編のものすごいインパクトのせいだろうか。
カルト教団が制作するキャンペーンビデオのようなものなので、ストーリーは決してホラー映画ではないが、映像のグロさが不気味感を出している。
(個人的にはこの雰囲気は好き)
高熱が出たときに見る夢みたいな(笑)
「JUNKHEAD」「マッドゴッド」に通ずるものあり。
またひとつ南米チリに新星が誕生した。
こういう感性を持つ人材を大切にしたい。
堀監督やティペット監督はどう見るだろうか?
感想が聞きたい。
惜しむらくは中盤中だるみで眠くなるところか(;^ω^)
秘密の家
仕事をせず動物と遊んでばかりでコロニア・ディグニダから追いやられた女性の話。
2匹の子ブタと共にコロニア・ディグニダの外に出たマリアが、オオカミの声に怯え助けを求める中で、空き家を見つけブタと共に暮らしていくストーリー。
絵と立体物の混合で人物や情景を描いているが、シーンによって造形がえらく変わり、それはその都度の機微によるものなのかあまり意味がないのか良く判らないし、述べていることも抽象的な上に焦点がどこにあるのかわからなかったり…特定の宗教を否定しつつ、信仰だったり優良人種がどうのとか言っているのかと思ったらまさかのオチで、これは皮肉と取るべきか、偏向思想と取るべきか…色々解釈できてしまい、それによってエラい意味合いが変わってしまう印象。
コロニア・ディグニダだからってところを自分が考え過ぎなのか…?
目が離せなくて乾く。
こんなアートなアニメ初めて観た!!
実写とアニメを一緒に使うのはディズニーで観たことあるけど、これは実寸大のセットで等身大の人形を使い、アニメと立体人形が同じ空間でどちらにもなり、背景も登場人物も目まぐるしく自在に入れ替わっていく。
お話も独創的で寓話的。
世界観も表現方法もこれまでになく新しいのだけど、アフタートークを聞いて、色々まんまと騙されていたことに気づいた箇所も。笑
とにかく画面から目が離せないので、めっちゃ目が乾いたよ。
そしてマリーアァ、の声がやっぱり怖い。。
大音量であの迫り来る音を是非聴いてほしい。
以下、アフタートークからの学びです。
皆さんはナチスの残党がチリに逃げてコミューンを作って生活していたことをご存知でしょうか。
私は恥ずかしながら知らなかったのです。そして、この物語にはそのコミューンから逃げてきた子どもだということを念頭に置いてみると怖さが増すので、是非「コロニア・ディグニダ」を先に軽くおさえてから観ていただくことをお勧めします。
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