佇むモンスター

劇場公開日:2023年6月4日

解説・あらすじ

「みえない汚染」「動物愛護法」など近年は社会的テーマのドキュメンタリー映画を送り出していた北田直俊監督が、久々に手がけた劇映画。

個人制作のモンスター映画を作っている男・賢治は、ある日、町をさまよっていた9歳の少女・樹梨杏と知り合う。樹梨杏が学校に通っていないこと、精神を患った母親から虐待を受けていることを知った賢治は、監視用の犬型のおもちゃを彼女に渡し、母親から虐げられたときは録画スイッチを入れて撮影するように言い聞かせる。そして後日、樹梨杏から受け取った犬のおもちゃには、目を覆いたくなるような映像が残されていた。

2021年に東京・歌舞伎町のホテルの23階から母親が9歳の子どもを突き落とした事件に触発されて制作された作品で、児童虐待という社会問題とホラーテイストを融合させて描いた異色作。

2022年製作/90分/G/日本
劇場公開日:2023年6月4日

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映画レビュー

2.0 仮面の毒親

2025年11月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

モンスター映画は好きなのでタイトルに惹かれ鑑賞、なんと児童虐待の白マスクを被った母親がモンスターでした。主に社会派ドキュメンタリーを制作する北田直俊監督が2021年に歌舞伎町のホテル23階から9歳の男子を突き落とした母親の児童虐待事件に触発され作った社会派ドラマ。調べてみたら歌舞伎町の事件は無理心中を図ったらしい、母親は獄中で自殺だから本作の事件とは微妙に違う。ただ、児童虐待のニュースはよく聞くし、児童相談所も警察もお役所仕事丸出しで親身になって問題に向き合わないのは実態に近いのだろうから、一応は批判的な社会派ドラマだが脚色には疑問、少女が母親に殺される不条理な悲劇に母親の素顔を出さず仮面の毒親、なぜ主人公をちんけな怪獣映画の自主製作をする配達人にしてホラー・コメディタッチに仕立てたのだろう。愛犬コロが出てくるのは暗い話の中でせめてもの癒しだったのに施設で死亡にするのはもってのほか。心痛むばかりでした。
ただ、主人公の「人類なんて糞くらえ、滅亡して初めて平和が訪れる・・」という最後の独白はどうなんでしょう。

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odeoonza

3.0 ❇️低予算だからこその母親が怖い。モンスターは誰か?問う

2023年11月14日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

怖い

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シネマを喰らう

5.0  実際にあった事件をもとに制作された映画とのこと、作り物の話とはい...

2023年6月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 実際にあった事件をもとに制作された映画とのこと、作り物の話とはいえ、限りなくドキュメンタリーに近いお話なのかとさえ思えた。児童虐待問題にフォーカスされている作品だが、DV問題にさらりと触れている感じの作品。絶対的な存在である母親からの虐待がどれほど辛いものだったろうか、と思うと苦しくなるし、「母親の愛情」というものがどう人間形成に影響されるのか、改めて考えさせられた。誰もが分かってはいながらも目を背けている問題がこの社会にたくさんあるが、この映画は実際の事件で途絶えてしまった命に、再び新たな命というか、もう一度生き返えらせている、そんな作品に感じました。拝見して良かったです。

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doggieislove

5.0 モンスターは誰?

2023年6月5日
スマートフォンから投稿

泣ける

悲しい

怖い

実際に起きた児童虐待事件がテーマとなっている映画。

絶望しかない暮らしの中で生きている女の子。
生まれた頃は娘を大切にしていて本当は優しかったであろう母親。

いつも一人でウロウロしてる女の子を見かけて
気になり声かけた主人公。
でも、助けたい思いは上手くいかなくて…

ストーリーはホラー要素も織り交ぜつつ進んで行くが悲惨さだけでなくメッセージ性も強く感じました。モンスターは誰なのだろうかと帰宅中に考える。

そして、主人公と暮らす犬のコロちゃんがいい味を出してくれてます。

新しい視点の社会派ホラーは必見です。

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オハヤマワカメ