哀れなるものたちのレビュー・感想・評価
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好き嫌いはあれど主演女優賞レベルです
予告CMをみた時は生理的に苦手かも…と思いましたが、解説やレビューをいくら読んでも作品のイメージがわかず、結局は気になって自分の目でみに行くことにしました。
フランケンシュタインでもマイフェアレディでもなく、もっと単純な成長物語のように感じました。性的なシーンが多いですが、動物的で色気がなく、あぁ人間も動物だわという気分になります。
かなりファンタジックで非現実的な衣装や装置、演出があまり私の好みではありませんでしたが、とにかく主人公を演じたエマ・ストーンから目が離せず、ベラが次にどうするのか、どうなるのかが気になって見守ってしまいます。いかに彼女が真剣に役や作品に向き合い、全身全霊をささげて演じているのかが見て取れて感動しました。
くせの強い内容で好き嫌いが分かれるとは思いますが、たとえ映画自体が嫌いでも、この演技はアカデミー主演女優賞レベルではないでしょうか。
ヨルゴス・ランティモス × エマ・ストーン
これは今年のベストワン候補となる傑作。
自ら命を絶った身重のベラ。天才外科医によって自分の胎児の脳を移植され蘇生した。
そう、これは新生児の脳と大人の体を持ったベラの成長記。無垢だからこそ、偏見がないからこそわかる物事の本質。
例えば性欲は食欲と同じように自然に存在するもの。なくてはならない大切なものなのに何故に恥ずべきもの、包み隠すべき存在になってしまったのだろう。
何の先入観もなく善し悪しを判断するベラ。
ここに清々しほど明確な哲学がありました。
美術も好きだった。好きな世界観を形成した。あり得ない世界で、作り物の世界で真実を模索する。久々に「映画は映画である」と叫びたくなった。
とんでもないムービー
これはとんでもなく面白い映画でした。
とんでもない実験で生まれたとんでもなく魅力的なキャラクター。
フェミニズ厶などのメッセージもありますが、主人公の成長物語として単純に楽しめます。
しかしエマ・ストーンの演技はとんでもなく素晴らしかったです。こういうハリウッドスターの体当たりの演技を見ると、日本の人気女優はとても敵わないなと思ってしまう。
とっても文学的
こういう小説があれば大好物と思ってたらハヤカワepi文庫で原作出てるんですね。早速購入して読んでみようと思ってます。
赤ん坊の知能、大人の肉体。彼女に常識なんて言葉は存在しない。不味いものは吐き出す。気に入らないものには暴力も辞さない。自分の欲望を満たすために駄々もこねる。お金と肉欲のために身体だって売ってしまう。気持ちいいことして何が悪いの?欲望、好奇心の思うままに何でも試してみる。それがベラという女。
物語が進むにつれ、赤ん坊が子供になりそして大人になるようにベラも成長していく。その過程も面白い。
人生謳歌
R18指定で奇想天外な話しだけど、ただの
所有物とされ感じてきた主人公ベラ・バクスター
は飛び降りを。
科学的実験も大好きな医師、ゴッドにより蘇生。
胎児の脳を移植され生きて行くお話。
行動、言動やシーンもかなり枠外ではあるが
徐々に知性と感情を身に纏っていくベラ。
自由を手に入れる為に出た冒険の旅立ちが
自分自身を築いていき、人生謳歌をしていく。
そして物扱いをしていた男性達を蹴散らす。
男性社会の権力により社会追放を受けてた時代。
性に対して自由な欲望を吐き出せなかったフェミニズムを主張してる感じもする。
エマストーンの陰と陽の演技は凄かった。
不協和音は頭がクラクラする程の余韻が
あり、心に残る色彩と世界観。
所有物では無く自由の権利を訴える。
男の支配力は哀れ。
哀れなものは誰だったのかを突き付けられた
映画でした。
『ベラ・バクスター』の世界を知る冒険
主役の『ベラ・バクスター』を演じる『エマ・ストーン』は
自身がプロデュースも兼ねる熱の入れよう。
それだけ本作の映画化を強く願ったということだろう。
そこで魅せるのは役者魂。
〔女王陛下のお気に入り(2018年)〕より更に過激に。
よくみればレイティングは「R18+」とされており、
予告編でもその類のシーンは一切無かったので
かなり虚を突かれた思い。
もっとも、余禄として嬉しくはあるのだが。
とは言え本作のテーマは女性の自立と解放。
型や枠に嵌めようとする社会や世間、
なかんずく男性からの。
綺麗ゴトを言い、
最初は自由に振る舞わせていても、
次第に束縛が強くなるのは、ありがち。
または最初から
女性を自分の所有物としか思わない者まで。
そこからの解放が終幕に向け、
うねるように紡がれる。
本編は若い女性が橋の上から身を投げるシーンで始まる。
彼女が次に目覚めた時には、
全ての記憶はおろか、脳もまっさらの状態。
そこから、驚異的なスピードで
しかも貪欲に知識を吸収する。
そこで再び『エマ・ストーン』の演技の素晴らしさである。
とりわけマリオネットのようなぎくしゃくとしたムーブと、
舌足らずのしゃべり方、
好奇心丸出しの表情も、観客を圧倒。
劇中ではそれを蠱惑と捉え、
入れ込む者が現れるのも納得なほど。
一旦死んだ『ベラ』を再生させたのは
医学者の『ゴドウィン・バクスター(ウィレム・デフォー)』。
彼の風貌は『フランケンシュタイン』が生み出した
『Frankenstein's monster』のよう。
それは彼もまた、父親から虐待に近い抑圧を受けて育ったことの結果。
しかし自身が生み出した創成した女性には『ベラ』との名を付け、
先のクリチャーが最後まで名無しの『?』だったことに比べ雲泥の差。
既にして、ハッピーエンドは約束されていたのだろう。
カラダそのものは最初から大人の姿。
一方で精神は幼いまま。
最初は子供らしい残虐さが
次第に憐みの心と共に
他人に感情移入できるまでに成長を遂げる。
その過程がユーモラスなエピソードで語られ、
観る側は思わず哄笑してしまう。
舞台の設定は「ヴィクトリア朝」を模したロンドンも、
建造物や交通機関や医学技術は時代を超越。
そんななか、幾多の失敗も繰り返しながら貪欲に知識を吸収、
セルフプロデュースもしていく主人公の姿は
現代に生きる我々の目から見ても
ほれぼれするほどのロールモデルかもしれない。
ただ寓話としてみた時には
〔ピノッキオの冒険〕の近しい
ストーリーと印象を受けもする。
導く人物により、
人はどうにでも染まる、との。
世界観は面白いが
ストーリーはエロが多すぎて、ややお腹いっぱい。訳が分からない世界観だけど、一応、蒸気機関で動いている乗り物が可笑しい。徐々に成長していくエマ・ストーンの演技は凄い。ハルクのマーク・ラファロがこんな役でもやるんだとビックリ。
哀れなひとたち 96点
いや〜これはすごい作品でした。面白くはないが凄い作品。まずは主演エマ・ストーン、そして監督がとにかく凄い。エマ・ストーンの演技、まるで子供かのような演技するのに苦労したんだろうなぁと思うぐらいぎこちない感じがまた不気味である。
また好奇心の塊の様な主人公なのでいまの現代人も見習わないといけないかもしれない。
そして監督もまた新たな変人監督を見つけた感じ。ベネデッタよりも変態監督かもしれない。
編集について、前半は画面がモノクロ、後半からカラーに変わり主人公の世界観が変わるという意味なのか分かりませんが、面白い見せ方だなと思いました。
ただ長すぎなのかなぁと思ったのでマイナス点数。
とにかくセックス!セックス!セックス!金!セックス!ずっとアクション映画ばかり見ていたのでたまにはイカれた作品観ると面白いですね!
無知な美女を愛でたい男VS自立したい女
面白かった!というよりも、現代においてもまだ女ってこういう扱い受けがちだよね〜(苦笑)ってなりました。もちろん、苦笑で終わらせてはならないんですが、嫌がる男性は居そうとも。あとマンスプ気味な(特に)男性からすると絶対面白くないし意味不明だろうなとも思いました。
開幕手術シーンがあったりしてウワと思ってたんですが、最後はめちゃくちゃ集中して見てたので星4.5。満足度はめちゃくちゃ高いんですが、グロテスクなシーンがあるので-0.5にしてます。
煌びやかな無知無知大冒険だと思って見たら寧ろ真逆で笑いました。というか予告の段階でアッこれは違うやつだ〜…ってなってました。
めちゃくちゃざっくり言うと、前世から男に散々振り回されまくった女が自立する話、という感じ。
自立してほしくなくてもがく男たちが滑稽でした。いるよね、女が自立してるのを嫌がる男。
時代設定が謎
でも多分そこに重きを置いてないんだろうなというのもわかる。たぶんこれまでずっとこうで、これから変えていかねばならない主題だからね。
あと急に手術のシーンやセックスシーンが出てくるのでびっくりしました。血みどろが苦手な人は気をつけてください。
英題「POOR THINGS」、邦題「哀れなるものたち」なんですが、これは誰のことなのかな〜と考えてみたらやっぱり出てくる男たちのことかなと。まあ、「物」なので違うかもしれないですけど。
個人的にラストの庭のシーンが一番好きです。化け物と罵っても結局同じことやってるのが最高に皮肉ですね。あの使用人の方々が幸せな未来を進んでいることを祈っています。もちろん、お洋服を着たワンちゃんも。
それから、wiki見たら「SFラブコメ」って書いてあって、コメディだったことを知りました…コメディ…?
1/31追記
「代金30フラン」、鑑賞時はあまり考えずに相場がへえそんなもんなんだと思っていたし「随分安くないか」というセリフでそうなんだ〜と思っていたんですが、1フラン170円としたら5000円くらいみたいで、そりゃエクレアだけで終わるわけだよと思ったし、ベラ(というより無知な人)も知っていればまた違う言葉が出てきたんだろうなと思って恥ずかしくなった。様々な事を知ろうとしなかった結果が上記の様な「へえ」であり、知っていれば「安すぎる」と思えたのかなと。凄く恥ずかしい。知識を蓄えたり見識を広めたいなと思う。
エマの将来を(勝手に)心配…
La La Landで好きになったエマ・ストーン。
これからの女優人生が心配になるほどの、さらけ出しっぷり。
胸チラくらいならまだしも…。
ということで、この作品は問題作です。
エマ・ストーンの将来を(勝手に)憂いてます。
アカデミー賞主演女優賞は間違いなし!
ですが…
女性解放ですか?これ
最初のシーンに 人造動物が出てきた時 何か嫌な予感がしましたが 的中!
ヨチヨチ歩きなのに 性には目覚めるって?
ラストシーンは やはり そうなりますよね?
耳障りな音のBGM に 奇妙な動物 夢に出てきそう!
久しぶりに胸糞悪い映画でした~
ベラの大冒険
ラ・ラ・ランド以来のエマ・ストーンという以外、
全く予備知識なしで行ったのはいいが・・・
あまりの作品に驚きであった。
自ら命を絶った女性が、天才外科医によりお腹の中の子の脳を移植され蘇生、
見た目は大人だが中身は子供。
成長するにつれ、外の世界に興味を抱き、冒険に・・・
といった、とんでもない設定。
最初は、中身は子供ということもあり、やることなすこと、子供だったのに、
外の世界でいろいろな経験をしながら、少しずつ成長していく姿や
話す口調もだんだん大人になっていくところは、いろいろと思うところはあったが。
でも、あんまり共感はできなかったなぁ。
そして最後のシーン・・・ヤギ?
とんでもないことに。。。
殺したくない、と言ってたけど、そうくる?笑
主役のエマ・ストーン、脱ぎまくってびっくりでしたが、
さすがの演技力でしたね。
原題は「Poor things」らしいけど「Poor pepple」だよね。
個人的にはやはり共感できない。
脳内洗浄2.0
前提、根拠、社会的常識、
凡ゆる思考的な作業を可能な限り取り払った上で純粋に没頭してみることレコメンド。
生後間もない幼児の様に、
見たままに揺れ、響いたままに声をあげ、
この瞬間に、全ての感覚を捧げて潜り込むことが出来れば、
感情と感性の解剖蘇生実験無事完了。
少女の自立とそれを許せない男たち
レビューが消されてる!?(セックスって3回連続で書いたからかな?)
身体は大人なのに、精神や知識が未完成なベラ。
男はそんなアンバランスなベラを自分の力で我が物にしようとするが、彼女が精神的に成長するにつれ、そのバランスは崩れていく。
表現はグロくて、どこまでも美しい。
夢の中のような話ではあるけれど…
少女の自立とそれを許せない男という構図は、現代でも関係として存在する。
今でいう過干渉、愛着障害、そしてDVってヤツかな。
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