哀れなるものたちのレビュー・感想・評価
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男なんてろくなもんじゃない、ほんと
このハードな“女性映画”は、男性の僕が気安く「感動した」などとは言えない。
だけど、ここ何年かでは一番面白い映画だった。
いろんなことを突きつけられる映画である上、笑える小ネタも多くて退屈できない。
撮影、美術、衣装もかなりキテる。
音楽もすごくいい。
体は大人だけど、脳味噌は真っさらなベラは自分の本能、性欲、知識欲に正直で、男性(=世間)に服従せず、期待に応える気も全くない。
成長するベラは人生の軋轢に悩むが、2人の老女(客船の貴婦人や娼館のマダム)との出会いで道を開いていく、というエピソードに考えさせられた。
男との出会いなんてマイナスばかりで何の意味もなく、結局、女性同士の出会いでしか前進できなかったという…。
男なんて碌なもんじゃない、ほんと。
エマ・ストーンの瞳のファンで、もしネトフリの「マニアック」を観てなかったら是非観てほしい。
彼女はクレージーだ。
かわいい子には旅をさせよ
圧巻。エマ・ストーン。
身籠った胎児の脳を移植された女性ベラの物語。
思ったのは「ベンジャミン・バトンの数奇な人生」のメンタリティに特化したバージョン。
その時点である程度の結末が想像出来ましたが、なぜ身投げしたのか?はたまたその父親は?という作品における重要な伏線回収が置いてけぼりの印象を受けました。
「あ、そういえばそうだったな」と。笑
理由も世界観が強すぎてあまりにも印象薄かったのもあります。
なぜならエマ・ストーンの幼児から賢人になるまでの表現力がすごすぎて。様々な世界を見る、体験、知ることで感性が蘇っていくさまを表現出来たのはすごいなと。
着目したのは歩き方。セリフ回しは猶のこと。
それにあんなにも体を張った俳優さんはあまり見ないです。R18+になるのもうなずけます。
最初、外の世界へ行く事を否定していたマッドサイエンティストのウィレム・デフォーも最期は愛する我が子の成長を感じながら往生するシーンは滑稽ながらも引き込まれました。「いろんなことを経験したんだね、、、よかったよかった。」と思って目の光が消えていく。印象的なシーンでした。
マーク・ラファロも演技の幅がめちゃくちゃ広い方なんだなと再認識。ただ最後結婚式の時の小物感はすごくシュールでした。笑
監督のヨルゴス・ランティモス。演出がスタンリー・キューブリックの撮り方の様で「女王陛下のお気に入り」からずっと個人的に思っております。
壮大な美術展覧会の様な映画でした。
最初の90分は、辛かった。
最初の90分は、この映画選んで失敗だったーと思ってた。残りは、そこまではなかった。
でも、この不思議な世界観を映画館で見ることが出来て良かったかな。
哀れなるものたちを2時間眺めさせられる映画だった。
登場人物に共感できなくてキッツイ。
ポリコレってこういうことなのかな?
ここまで吹っ切れると、それはそれでいいのかも。
主人公がモンスターどもって言うシーンだけは、凄く共感できて良かった。
この映画への私の感想にぴったりだと思った。
ミイラ取りがミイラになるって話なのかしら。
グロテスクな映画だとおもった。
サイコパスな人たちが怖い、でも、過去・現在・未来において、こんな世界もあるんだろう。偉人とか、医療の進歩とか、少なからず、こういうことの上に成り立っていて、私もその恩恵にあやかっているのだろう。
高尚に見えて底が浅く感じてしまう。こう思うのは、まったく共感できないからかもしれない。私の理解力の範疇外の映画のように思う。
不思議なのは、ハウルの動く城で感じた不思議な感じをたびたび思い出したこと。
ハウルの街並みとかを実写化したらこういう感じなのかな。
(ハウルの動く城は好きです)
好奇心と自由とダークファンタジー
さながら神秘の泉に近づく雌鹿。
天才科学者の手によって蘇ったある女性の話。
ファンタジーかつ独特な世界の中で、文字通り"裸足"で主人公は世界を味わう。
そんな中で色んな人間に触れるのだが、とりわけ主人公に対して独占欲を抑えれない像として男性が描かれるのが多い印象。
すごいフェミニズム的な要素の強い映画なのかなと思ってたけど、伝えたいのは1人の人間の成長を通して見るもっと普遍的なものなのかもと思った。
好奇心に身を任せて世界に飛び出た主人公が色んな経験を積んでどんどん気高く見えるのが面白かった。
若干歪んだ道徳観の世界だからこそ、その中の登場人物たちの台詞が刺さるものがあった。
もっと外の世界を感じたいと思う全ての人たちにおすすめの傑作でした。
ホラー?コメディー?社会派?
不思議な感覚
内容的には、痛々しいシーンや官能的なシーンなどあり、決して明るい内容でもないし、気持ちの良い物でもない。
だけど役者さんの演技もあり、引き込まれるんですよね。
映像にしろ音楽にしろ、画面がカラーになるところや音が鳴るところなど、映画の魅せ方は良かったですね。
一つ一つのシーンも印象的で、話だけでなく絵や動きでも魅せられました。
先述した通り、ストーリーは全然明るくないんですけど、なんだろう、妙なスッキリ感、満足感があるんですよね。
キャラの成長が明確にわかるのと、悪い(というほど悪キャラじゃないんだけど)キャラも相応の報いをうけるし、最後は落ち着くところに落ち着くのが良かったのかな。
面白かったけど、オススメはしづらいかなw
この世界感は好きだか…。
とりあえず面白かったは面白かったんだが…、私的にこの世界感は好きなので、予告を見た時に難しそうだけど見たいなとの気持ちにさせられたので鑑賞しました。
思った通りに魅せ方❓映し方❓は凄く綺麗だし西洋の雰囲気も出てたし世界に入り込めた。
物語もザックリいったら大人の身体を持って産まれた主役のベラの話しではあるんだけど(本当にザックリだけど(笑))、多少必要ではあったかもしれないが性描写が多いかな…💧思ってたより沢山あった😅、その分の評価を微々たるものだが下げました。
役を演じたエマ・ストーンさんはとても頑張って演じてたんだと思うし良い作品を作りたい気持ちも制作に関わってる所があるなら充分に伝わってきました。
凄く身体張ったと思います👏、作品内容はそれ以外はとても良かったしなんかノミネートされてるのかな❓確かに頷けます👍。
解剖的なグロいのもあってそれは慣れてましたが一応指の隙間から見てた(笑)。
最初はカラーだがすぐにモノクロでしばらく話がすすんでまたカラーになるんだけど、なにも知らないベラが家で過ごしてる間がモノクロで外の世界に出たらカラーになったからベラの世界の見方をそう表現したのかな❓それも美しかったな☺️。
演者さんもベラを作った(❓)人はスパイダーマンの初代ゴブリンだったのやっぱりだし、外の世界に連れ出した人は後で気づいたがアベンジャーズのブルース・バナーの人だったのね、これはわからなかったな〜。
みんな哀れ
耽美系エロに見せかけ、しっかりフェミニズム、ポリコレ
友人に誘われて事前情報ほぼ無しで鑑賞。
20世紀初頭の時代設定のようだがかなり独特な衣装やセットでややファンタジー寄りな感じ。
映画の雰囲気はfemme fatale、マダムエドワルダ、悪徳の栄え、ソドムの市、マルキドサド、澁澤龍彦、ハンスベルメール、球体関節人形などのキーワードを連想させる感じで、そういった類の作品を好んで鑑賞していた学生時代の自分なら神作と思ったのだろうけどなーと、昔を懐かしむ気持ちになりました。
主演のエマストーンの裸体やおしゃれコスチュームを着たビジュアルを記録する為の映画なのかと途中まで思っていましたが、一応主人公ベラの怪奇な出自の真相と、それに決着をつける結末にはなっていたので、話の筋は通っています。
個人的にはベラが人間性を獲得する中で有意義なストーリーやベラの苦悩や葛藤が殆ど描かれなかったので、ほぼ共感できず。
またベラが友好的に接するのは自らを蘇生させた、父親から苛烈な虐待を受けた老外科医と、その助手になり、ベラの婚約者となる知識はあるが少々気弱で小柄な男性、知識階級の老貴婦人とパートナーのイケメン黒人男性、娼館で出会う学のある黒人娼婦などのマイノリティで、
ベラが破滅させるのは強権的な白人男性としっかりフェミニズム、ポリコレ主義が描かれており、最近の洋画はそんなのばっかで正直うんざりしていまいます。
ビジュアルイメージが個人的にどハマりだったので星3.5にしてますが、2時間半もある割に大した感動も無い映画なので、ストーリーだけなら星1です。
美術とか不思議な世界観が好きな人におすすめ
めちゃくちゃなSFなのにきちんと成長を描く
マッドサイエンティスト的な発想でめちゃくちゃな手術をして逆コナンくん的な女性が誕生して、その女性の冒険と成長をきちんと描いているすごい映画。
設定や出来事だけを見たらなかなか倫理的にも心が動揺するような話である一方で、きちんとベラの成長が描かれていてラストのシーンの平穏さになんだか涙が溢れ出た。
自分は駄目でしたネ…。
私の身体は私のもの
亡くなった女性に胎児の脳を移植し、蘇らせるという女性版フランケンシュタインのような設定にまず驚く。幼児の自慰行為から性に目覚め、それから言葉や知識を覚え、社会を知っていくという流れも面白い。
テーマとしては、私の身体は私のもの、硬く言えば「性の自己決定権」ということか。後半になるほどフェミニズム的な色合いが濃くなる。
ただ、作品の構えがあまりに技巧的・人工的なので、感情を揺さぶられるという感じはない。美術・装置は凄い。そして衣装。ビクトリア調のようで現代的な独特さに目を奪われる。
映像としては、モノクロになったり、覗き穴から見るような魚眼レンズになったり、色々工夫しているが、それほど効果的とは思えなかった。
エマ・ストーンは、アンダーヘアまで晒しているが、いやらしい感じはしない。ウィレム・デフォーが最初はマッドサイエンティストと思ったが、切なさも感じさせて好演。ハンナ・シグラが出てきたのには驚いた。
観終わってから、タイトルの哀れなるものたち(原題Poor Things)とは何を指しているか考えている。複数形なので、主人公ベラのことではないのだろうが。
かわいい子には旅をさせよ!
大人の身体に子どもの脳を移植したら
どうなるんだろう?だなんて考えたことなかった。
前述からしてSFっぽいのかなーと思っていたが、
少女の成長に着目した作品。
設定は非日常的だけど、その成長過程はリアルさを感じた。
あらすじ
胎児を身籠ったヴィクトリアは自殺を試みた。
自殺は成功するも天才外科医によって蘇生される。
しかし、それは完全なる蘇生ではなかった。
見た目はヴィクトリア、脳は身籠っていた胎児の脳を移植されたのだ。
ヴィクトリアとして記憶のない女性は“ベラ”という少女として新たな人生を歩み始める。
急速に成長を遂げるベラの様々な体験の話。
かわいい我が子は
ツラい思いをしてほしくないし、
なるべく危険から遠ざけて
安全な場所で暮らしてほしい…!
みたいな気持ち ちょっとわかるかも(!?)
でもそれは子どもの成長には繋がらないし、
様々な経験をしてこそ、自分という“個”が
確立していくと感じた。
善悪も判断できない年齢の子が、
1人or信用できない大人と外の世界を知るのは危険!
信頼できる大人と共に、
様々な経験を経ていくのがいちばん良いんだろうなと思った。
すごいが苦手
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