「ベラの成長が色彩として現れていた。」哀れなるものたち サラさんの映画レビュー(感想・評価)
ベラの成長が色彩として現れていた。
ヴィクトリアは失われ・胎児になり何も知らない・そして外に出たい好奇心を抑えられる鬱憤→モノクロ
やっと外に出れた!・美しさや刺激がいっぱい!→まるで現実をかけ離れたドリームコアのような不思議な色彩
たくさんの知見を得た本当に大人になったベラ→現実世界の色彩
どれも美しい世界観でした。
ドリームコアな世界観は、ベラにとっても「待望の夢のような光景」に見えたからなのかな。
でも一見モリュートコアのような、病みと狂気に満ちた世界観でもあり、さまざまな美学を見せつけられた気がします。
ドリームコアな美学が好きな私にとっては見ていて楽しい映像でした。(音楽もドリームコアっぽい)
お洋服も可愛かったですね♡
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ベラの成長にフェミニズムとか今の社会現象がとか、無理矢理現代社会の問題を入れ込むレビューを何個も見かけたけど、そんな難しく考える必要もないのかな。と私は思います。
なぜならベラはまっさらな純粋な心で世界を見たいと思い、無知な故の良き悪きはあれども自身の心の赴くままに冒険を続け、純粋な心で惹かれた学問を追求していった。
ただそれだけ。ただ普通の1人の女性の生き様、なのです。
そこに小難しいややこしい“大人の事情”は入らないのではと思います。
その証拠に、ベラは確かに博識になり、賢い思考を持ち合わせました。
だけど、最初から最後まで芯は変わってません。
「知りたいから」「行ってみたいから」「ゴットに会いたいから」
その理由は、子供ながらの好奇心と、家族を愛だけなのではないでしょうか?
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誰1人まともな人がおらんし、上半身ブルドッグ下半身ニワトリとかの動物もかわいいけど最高にクレイジーだし、最後なんか幸せな日常だね♪みたいな雰囲気出しておいてヤギ人間おるし、シュールだけど
毎秒、毎秒、美しい。
そんな惹かれる世界観でした。
観てよかったです。