「天才の目を通してみた世界の鮮やかさと残酷さ。」哀れなるものたち 濁河さかなさんの映画レビュー(感想・評価)
天才の目を通してみた世界の鮮やかさと残酷さ。
前情報無しで鑑賞。天才の目を通してみた世界がこんなふうなのだと感心しました。
最前半の黒澤「赤ひげ」を思わせるモノクロから一転して、ロンドン、リスボン、アレクサンドリア、パリ、青い海の圧倒的な色彩が印象的でした。
ウィレム・デフォーの抑えながらも狂った演技は彼の華やかな芸歴の中でもピカ一(前情報無しだったのでアカデミー賞当確かと思っていたら候補にもなってませんでした笑)。エマ・ストーンの演技はうますぎて鼻につく。好き嫌いが分かれる感想です。
2時間超で長いですが、退屈なく観ることができました。様々な男たちのセックスプレイシーンも新鮮で、様子がよく分かり良かったです。
ラストのラストシーンは蛇足。ちなみに、特殊な環境から医者を目指す女性としてシーボルトの娘楠本いねさんを思い出しました。原作者は彼女知ってるのかなあ?シーボルトは若い頃やんちゃで、顔面が傷だらけだったというのは余分な知識ですね。
良い映画でした。
(一回運営様にレビューが消されて2回目のレビューです)
コメントする