「何をどう判断して、どう理解すべきか難解」哀れなるものたち ヤマッチさんの映画レビュー(感想・評価)
何をどう判断して、どう理解すべきか難解
自ら命を絶ったベラ。しかし、天才外科医ゴッドウインにより脳を移植されて新生児として蘇生する。ゴッドウインはベラに知識を与え一から育てる。ゴッドウインの閉ざされた屋敷内での生活から更に外部の世界へ好奇心を持つベラ。放蕩者ダンカンの誘いに乗り、外の世界を旅する。ベラは現実世界に衝撃を受けながらも自分がどうあるべきかを模索していく。とあらすじを語れば単純ではありますが、この過程に絡む人物達、世の中の偏見、不条理などが様々あります。ある見方をすれば純真無垢な脳を持つ大人の女性が真の自由と平等を求めた話となります。ある見方では、男性の女性に対して、ある者は純真無垢な女性を束縛したいことを求め、ある者は性欲を満たしたい時にはいつでもできる対象と考えている。という男性の本性を描いているともとれます。またある見方をすれば、女性はどのような境遇になろうともその中で進むべき方向を見出すが、男性は立ち止まり嘆き、絶望してしまうものである。等等様々な感想を持つ作品です。
無垢な脳のベラは映像は白黒、目覚め好奇心が高まるとカラー映像になる演出、また様々な国々での映像、デザインは見事です。エンドロールではなく映像を駆使するのも流石です。
万人受けする作品ではありませんが、ストーリーのモヤモヤ、なぜベラは自殺したのか、移植された脳は誰なのか、ベラは何者なのかまでスッキリさせてくれます。
18禁となっているとはいえ、パリの売春宿でのさまざまなセックスシーンはもう少し短いもので良かったのではと思います。
ヤマッチさん、こんばんは。
私もこの作品に、あまり好意をもてなっかた者です。
ダンカンの下りは、自分と似ており、一時は精神が破綻する寸前でした。まさか映画で自分自身を観ることになるとは思いませんでした。
もう、私も歳なので苦笑でしたが、
端から見たら、何とも無様で滑稽なのですね。当時は理解出来ませんでしたが。長々と失礼しました。