劇場公開日 2023年12月8日

「時代考証がおかしいのではないか? タイムスリップじゃなくて異世界転生」あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 nakajiさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0時代考証がおかしいのではないか? タイムスリップじゃなくて異世界転生

2024年8月4日
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鑑賞方法:VOD

自分の中での戦時中の生活がどんなだったかという知識が根底から覆させられる
専門家ではないが、自分の常識からはかけはなれている

たとえば、特攻隊は最初こそ志願であったが、昭和20年になれば、強制、あるいは強制に近い志願だったはず
なので、自分から志願したと堂々と言えるのには違和感があった
だいたい、主人公はなんで、志願したのかサッパリわからない
そのうえ、脱走するのも出てきたり
直前になって怖くなったのかもしれないけど違和感ありあり

それから、自分の名前呼び捨てにしてくれなんていう兵隊もありえないでしよう
男女七歳にして席を同じくせずの時代ですよ
あまりに自然に言わはるんでびっくりです

他にも、日本は負けるなんて言ったら注意される前にぶん殴られるでしょう
それどころか、捕まって制裁を受ける
ほかの住民だって、情報統制されている時代に、そんな事を言う輩を許せるはずがない

などなど
戦時中というより、今の時代の感覚なんですよ
僕の常識が正しいなら、これはこの世界の昭和20年の話ではない
つまり、作者は時代考証なんて考えていない
異世界転生と同じノリなんですよ

今、異世界転生物が大流行りなのは、時代考証の必要が無いからです
歴史物を作ろうとすれば、ちゃんと調べなければならない事が沢山あって大変
異世界なら、やりたい放題だからね

原作者は学校の先生だったらしいが、このあたり、考えが無さすぎだろ
映画化にあたって、制作陣は時代考証できたはずだと思うんだが、根本の内容からして、異世界ノリだから、どうしようもなかったんじゃないだろうか

典型的な悪い子ちゃんが、怖い目にあっていい子になりました的なチャラい話に戦争を使わないで欲しい
あまりにひどくないか

以前、ニュースでウクライナの志願兵が、
人を殺したくもないし、死にたくもない
でも祖国を、家族を守るために戦っている
と話しているのを見たことがある
あの、苦しい気持ちを考えてみてほしい

社会に害を与える作品にしか1の評価はしないのだか、安易に第二次世界大戦を題材にしたのは、あの時代に生きた人を侮辱していると思う
なので、久々の1評価です

nakaji