「素晴らしかった」あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 ヴェルディの星さんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしかった
戦争や特攻隊を題材にした作品と聞くと条件反射的に否定したがる人いるけど、この作品はイデオロギーに染められない「本当の反戦映画」と呼べる作品だったかと。
タイムリープものがやたら出てくる昨今だが、当時の人の視点で見るより令和の人の視点から戦争を見た方が共感は得られやすいと言うことか。
別にこの作品は特攻隊を讃美したりはしてない。ただ特攻隊の若者や食堂の鶴さんの行動を令和人の感覚でおかしいと見るのはやはりおかしい。結果がわかればなんとでも言える。そのずれた感覚の百合(福原遥)は令和人の代弁者と言えるのだろうが。「ふてほど」で昭和61年にタイムリープした令和の人が昭和のコンプライアンス無視オヤジはおかしい、と見るような。
しかしそんな中でも敵前逃亡、生き恥をさらすことは悪いことではない、と言った百合の言葉にはもう😭今の時代の人だからこそ持てる感覚。決して間違ってない。板倉に「俺たちの分まで生きろ」。
令和に戻った百合が特攻隊資料館見学。そこで21世紀まで生き延び10年ほど前に亡くなった板倉の資料が。仲間を裏切る形で生き延びた彼は「敵前逃亡」の負い目で辛かったことでしょう。でも一人残され歩けない体になった許嫁を残していけない。板倉は仲間の分まで生き抜いた。戦争の愚かさ哀しさを語り継ぎ。もうそれだけで…。
そして最後に百合がみつけた佐久間の自分宛の手紙。もうだめだここで涙腺決壊😭
溺れてる子供を救って亡くなった百合のお父さん。貧乏になったのは英雄になって去ってしまったお父さんのせい、と恨んでた百合。でも短い間ても佐久間たちと関わってお父さんを誇りに思えるように。
平和な時代に生まれてたら教師になって子供たちがやりたいことが何でも出来る世の中作りたいと夢を語っていた佐久間。佐久間が目指したような教師になりたい、と決意する百合。戦争映画なんだから救いのない終わりかたしないといけない、と思う人もいるでしょうが、この結末が爽やかでした。
本当に平和な時代に生まれたことを感謝できた作品でした。まとまりなくてすいません。