「Killer Ability」先生!口裂け女です! ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Killer Ability
「DIVOC-12」の中の一つの作品でずば抜けた面白さを誇っていた「死霊軍団 怒りのDIY」、そのナカモトユウ監督の最新作はまさかの口裂け女を現代に蘇らせるというどんな作品になるんだろう?とワクワクドキドキで鑑賞。特典はポスターをモチーフにしたポストカードです。
これがまた大好物、ジャンル詰め込みまくり、愛が込めまくられている快作でした。
バイク窃盗のバイトをしていたタケシとF1、そこに面白そうだというノリで参加したアヤカ、その3人が盗んだピンク色の原付が口裂け女の所有物というアイデアから、全力疾走で追いかけてくるというのも現代版の解釈がしてあって面白かったです。お姉ちゃんも妙にノリノリなので、その面でも隙がない面白キャラ渋滞でした。
その口裂け女と和解して、なんなら自宅にまで招き入れて、格闘技の修行なんかつけてもらって、一緒に写真撮っちゃうなんていうお茶目仲良しムーブを巻き起こしてて、その新解釈が最高に面白かったです。悪趣味に仕立てるのではなく、仲良くやろうぜ!的な感じの立ち位置に置くのが個人的にぶっ刺さりポイントでした。
屋敷裕子さんの身体能力、チンピラの方々のやられっぷりの激しさが、最後の特大バトルに繋がっていてとても良かったです。
屋敷さんの身長が高いのもあって、とにかく蹴りの迫力が素晴らしく、それでいて縦横無尽に駆け回り、その場の武器で攻守を共にし、思いっきりぶっ殺していく残虐性もその強さを象徴させるかのようで最高でした。思いっきりナイフを突き刺し、足ごと切り、何度もトドメを刺しての繰り返しの中にちょっとだけピンチに陥る感じを挿入しているのも人間味が感じられて良かったです。
コメディとホラーの行き来だったので、その都度緊張感が切れてしまうのが惜しかったんですが、コメディのゆるゆるっとした部分はほのぼのしていて好きでしたし、バイオレンスはしっかり暴れてくれるので、そのアンバランスさも好きでした。
少女誘拐事件の顛末が割と雑なのも、口裂け女に完全にフォーカスを移行させたかったんだろうなと思います。思いっきり口裂け女に首チョンパされているので、成敗はされたんだろうなと思います。生首状態でJKのパンツを見て思いっきり蹴っ飛ばされていましたし笑(なぜ出所できているのかはよく分かりませんでしたが)
色々やらかした後なので、あのほのぼのエンドにはならんやろと心の中でツッコんでしまいましたが、前向きに進んでいる3人の姿を見るとなんだか清々しくなれたのでこれも良いかなと思いました。
ナカモト監督はこれからも全速力で追いかけていかなきゃなと思いました。新たな都市伝説の映画化や、特大のオリジナルバイオレンス映画を作って、日本・海外問わずヒットをぶちかます監督になって欲しいです。キャスト・制作の皆様お疲れ様でした!
鑑賞日 7/10
鑑賞時間 21:10〜22:40
座席 C-13