「冒頭のダンスシーンに息を呑む」裸足になって ku-pa-さんの映画レビュー(感想・評価)
冒頭のダンスシーンに息を呑む
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舞台は北アフリカのアルジェリア。将来を嘱望されていたバレエダンサーの少女が、暴漢に襲われPTSDで声を失うも、戦争やテロで同じ様に心に傷を負った女性たちのグループに、ダンスを指導する中で再生していく感動ドラマ。
女性たちの力強いダンスが、イスラム社会での新しい女性の生き様を示唆している様で胸が高鳴る。
少女を襲った犯人の男が元テロリストで、警察の情報屋をやってるので逮捕されずに更に嫌がらせをやってくるとか、親友の女性が密出国で出稼ぎしようとして船ごと沈み命を落とすとかの、現代のアルジェリアの負の側面を暗示させるエピソードが随所に散りばめられていてなかなか重い作品でもある。
作品は早朝のピンと張り詰めた空気の中、無音で少女が踊るシーンから始まる。昏い夜明けの時間が、アルジェリア社会での女性の生き辛さや、そこから立ち上がる意志を示していて、まさに本作の内容を示唆する象徴的なシーンだ。
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