劇場公開日 2023年9月15日

「臨場感がイマイチ」グランツーリスモ 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5臨場感がイマイチ

2023年9月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

プレイステーションの人気レーシングゲーム・グランツーリスモのトップゲーマーが、実際にプロドライバーになり、ル・マンなどの国際的なレースに出場するという実話を基にしたストーリーでした。そもそもゲーマーをレーサーにしようという企画は、グランツーリスモを開発したソニー、そして車は日産が担当するという日本企業発のイベントだったようですが、不明ながらこの映画を観るまでこのことを知らず、その点ちょっと驚きでした。私が知らなかっただけなのかも知れませんが、日本国内でももう少しPRしていて良い話だったんじゃないかと思ったところです。

それはさておき映画の内容ですが、実在のプロドライバーであるヤン・マーデンボローの半生記に、創作を織り交ぜているようでした。ただその描き方が、ステレオタイプなスポコン物ストーリーという感じで、新鮮味が欠けていたように思えました。また、「トップガン」がトム・クルーズと一緒に戦闘機に乗っているような臨場感を与えてくれたように、本作でも主人公のドライバーと一緒にレースをしているような臨場感を与えてくれる、自動車レース版「トップガン」を期待していたのですが、残念ながらそうした感覚を得ることは出来ませんでした。車の内外のいろんな角度から車を撮影し、かつピットから支持するコーチの姿などが目まぐるしく入れ替わったせいで、観ている者が車に乗っている錯覚が生まれなかったのが原因じゃないかと思いますが、これはまあ人ぞれぞれなのかも知れません。いずれにしても、こうしたジャンルの映画に必要な高揚感とか主人公との一体感が得られなかったことは、残念でした。

鶏