劇場公開日 2023年10月27日

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「つるはしはフィンランド製に限る…、と実感させてくれる一作」SISU シス 不死身の男 yuiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0つるはしはフィンランド製に限る…、と実感させてくれる一作

2023年10月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

清々しいまでに黄金に執着するアアタミ・コルピ(ヨルマ・トンミラ)が、ちょっかいを出してくるドイツの敗残兵たちを血祭りに上げる話…、とあらすじはごくシンプル、というか、予告編で予想できる展開そのままなので、意外性についてはあまり期待せず、ひたすらコルピの人間離れした頑強さと、粗野だけど手の込んだ殺傷場面を堪能するべき作品です。

『マッド・ハイジ』(スイス製作)、『イノセンツ』(ノルウェー、デンマークなど北欧4カ国合作)に続き、欧州の中でも普段日本ではなかなか公開機会の少ない国(フィンランド)の映画作品ということで、鑑賞そのものが貴重な機会となっています(少々ジャンルが偏っている気もするけど…)。

『イコライザー THE FINAL』と同様に、屈強なおじさまが悪の軍団をなぎ倒す映画を観たい、という人には、上映時間は控え目ながら十分な満足感を与えてくれるでしょう。ただしロバート・マッコールほどにはスタイリッシュではなく、基本的に血と泥にまみれながらの戦いなんだけど。

中盤以降はコルピの超人化が進んで、「んなわけっ!」と叫びたくなるような場面の連続になるけど、それでもコルピがしっかりと握るつるはしの、『マイティ・ソー』におけるムジョルニア並みの頼もしさ。もしフィンランド製のつるはしが購入できるなら是非買いたい!と思わせてくれました!

本作が紹介するように、「シス(SISU)」は、フィンランドの人々にとって特別な意味を帯びていることは確かみたいです。き、聞いてみたい…。

yui