劇場公開日 2024年3月22日

「恋を終わらせないための二択」四月になれば彼女は momoさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5恋を終わらせないための二択

2024年4月1日
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エンドロールで音楽が小林武史だと気づく。観ている間はわからなかったくらい控えめ。もっとエモすぎるくらい小林武史色を強く出して攻めて欲しかった。
そうすればもっと盛り上がったに違いない。

恋にはいつか終わりが来る。それを怖い、そんな日が来て欲しくないと恐れる気持ちはよくわかった。
佐藤健は何人もの女性と浮名を流すモテ男で遊び慣れたイメージがあるが演技となると一途な男にちゃんと見えるので感心しきり。
仲野太賀のバーテンダーのセリフが身に染みた。
一人の人を一生愛して、自分も一生愛され続ける自信の無いものは、ひとりで生きていく覚悟をもたないといけないなと。

ここからは共感できなかった部分を。
がんじがらめの登場人物たちを見て、自分はもっと自由な発想で生きていることに気付かされた。
父親とカレのどちらかを選ぶ必要なんてある?
一生移住する訳では無いのだからカメラが趣味の父親も連れて3人で旅行に行けばいいじゃないか。それも楽しい思い出になると思うけどなと思って見てました。男手が2人もあれば旅先で病状悪化しても安心だし。

原作を読んでいないため、なんの病気かもわからなかったし、海外を飛び回っていた頃には既に父親は死んでいたのだろうか?
また、元カノが気になるにしてもちらっと顔を見に行くだけならまだ理解できるがホスピスに就職して潜り込んで親しくなってしまうのは世にも恐ろしい。
今カノが元カノの所に行ったと現像された写真から知ってゾッとしない男も不思議だ。

4月1日生まれが嫌いな弥生ちゃんにとってはもう元カノはいないわ、彼は探しに来てくれるわでハッピーエンドではあるけど、人生まだ長いのでこの恋が続かないことに変わりはなさそうな気はした。

動物園の上司に橋本じゅん、ホスピスの職員に高田聖子と劇団新感線メンバーが出ていて長澤まさみの「メタルマクベス」を思い出さずにいられなかった。

そんな雑念も抱きつつ、恋が終わっても愛が長く続く方法や友情に変えてしまう方法を模索しながら悲しくならないよう傷つかないよう恋をするのか、そもそも恋をしないことを選び、だれも本気で愛せず愛さず愛されず、遊びの相手に慰められたりもしながら、ひとりで暮らす覚悟をするのかの選択肢、ひたひたと大人の判断をする日が迫り来るような気持ちになった。

momo