「幸せな長編デビュー」四月になれば彼女は Moiさんの映画レビュー(感想・評価)
幸せな長編デビュー
感想
撮影◎美しい風景を印象的に撮影している。
アングルや色彩感も状況に応じた素晴らしい出来映え。
俳優◎出演者は豪華。出演全員の演技は充実していた。竹野内豊さん、キレ者役が最近多かったが、鬱ぎみの悩める父親役の演技が印象的で新鮮であった。仲野太賀さんのタスクも落ち着いた好きな役どころであった。
音楽◎デュアリティから殆ど全てを聴き続けている大好きな作曲、音楽家小林武史さん。映画音楽に関しても間違いないクオリティで心に投げかけてくるものあり。
原作◎
脚本◯
ベースとなる原作は良いとして、
ここからは脚本と演出に難があると感じるところだか、弥生の妹、純役の河合優実さんは実力もあり、大好きな女優さんで今回も良い味を出していたが、弥生との姉妹関係が幼い頃からもう少し映像的に細かく描かれると、現在の藤代と純の絡みに河合さんの味がひき立ち、意味を見出せたのではないかと思う。残念に感じる。
他、原作ありきなので付加出来なかったということがあるのかもしれないが、藤代と春の関係について、もっと丁寧に、ペンタックスを中心に大学生活4年間を春夏秋冬に例え、3人の学部の違いや性格等がわかるようなちょっとしたエピソードを説明ではなく映像化して創作し、交えると現在の藤代の人間性に焦点を当てた時にもっと深みが出たのでは。と感じる。中島歩さんは落ち着いた、若いのに渋さを感じる俳優さんで、印象深い演技だったので演出が残念に思えた。
佐藤健さん、長澤まさみさんは貫禄の演技で素晴らしいの一言。森七菜さんも演技巧者。3人の、特に顔の表情に訴える心を掘り下げた演技は本編の中で何度もあり感動した。
演出△残念ながら、制作期間が限られていたのか、資金も充分にあり、キャスト、スタッフも一流で幸せな監督デビュー作として、部分的に良いものは感じるが、最終的に演出全体に個性というか、作品への拘りのようなものを感じることができなかった。
厳しいようだが、映画監督として、単なるシチュエーション重視のMVやPVとは映画というのは根本的に違うのだという事を、認識すべきと私感する。
制作陣の素晴らしさ🌟
俳優陣の熱演が星🌟追加で、
⭐️3