「どうにもトキメかない」四月になれば彼女は 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)
どうにもトキメかない
ヒロイン偏重主義の俺的ヒロイン力ランキングでは、森七菜は20代以下層の第3位、長澤まさみも30代層のTOP3に入る。この2人がWヒロインという申し分無いキャスティンを見て、ずいぶん前から公開を楽しみにしていた。
だが・・・
【物語】
精神科医・藤代俊(佐藤健)と藤代の元患者で動物園勤務の獣医坂本弥生(長澤まさみ)は結婚を間近に控えていた。 ところが、ある日弥生は藤代の前から何の前触れも無く突然姿を消す。
藤代は訳が分からず当惑する。友人(中野太賀)からは最近藤代に届いた元カノからの手紙が関係あるのでは?と言われる。 それは大学時代に交際していた写真部の後輩伊予田春(森七菜)からの手紙だった。 当時2人で旅行を計画して、結局行けなかったボリビア、チェコ、アイスランドを1人で訪れ、その旅行先から写真と共に送られて来たものだった。その手紙については弥生にも包み隠さず説明し、弥生も読んでいた。
藤代は弥生の行方や失踪の理由を考えるうちに、弥生そして春と出会った頃のことが胸に蘇る。
【感想】
序盤10分で
「これはダメかな・・・」
となった。やはり映画は“つかみ”は重要で、いい作品は冒頭からグイグイ引き付けられる。
しかし、本作は淡々と進むだけで、全然引き込まれるところがない。15分もすると退屈して来た。
結局、いやな予感は的中し、どこまで行っても物語に引き込まれない。ラブストーリーなのだから、オジサンだってトキメキを味わいたいのに、全く・・・
期待の森七菜、長澤まさみが悪いわけではない。 佐藤健が悪いわけでもない。
ストーリー・脚色、演出の問題。
ラブストーリーとして「こういうシーンは素敵でしょ」「こういう展開は切ないでしょ?」「この景色はキレイでしょ?」みたいな、凡人でも思いつくような展開、設定、美景をただただ集めたように感じてしまった。
舞台挨拶中継で登場した監督は若く、長編としては初監督だったとのこと。しかし、申し訳ないが、映画監督としてのセンスは無いと思う。名監督と思う人は、若い時の作品でもどこかキラリと光るセンスを感じるが、残念ながら本作は・・・
正直言うと観る前から不安は有った。原作が川村元気とあったからだ。以前観た川村元気原作の作品“百花”も俺的には全くダメだったからだ。この人のプロデュース作品は好きなものがたくさんあるが、小説家としての才能は甚だ疑問。
監督だけ責めるのは気の毒で、そもそも原作が良くないのだと思う。
期待が大きかっただけに、ガッカリの度合いも大きな作品だった。