高野豆腐店の春のレビュー・感想・評価
全72件中、21~40件目を表示
昭和を感じさせる愛情のドラマ
全編に尾道の風景を散りばめ、親子愛、恋愛、ご近所さんとのドタバタありの、どこか懐かしく感じる映画
藤原竜也と麻生久美子の親子のセレクトがピッタリ
自分の健康を気にして、遺される娘の幸せのために周りを巻き込んで一生懸命を相手を探す
いまどき珍しい光景
豆腐を作る工程も、昔は近所の豆腐屋さんで見られたが、今では、ほとんど目にすることがない
古き良き日本の文化を改めて考えさせられた作品だった
高野豆腐店は混ぜ物なしの本来の豆腐を作り続けている豆腐屋さん。本物の豆腐を作り続ける父と、父の豆腐を多くの人に食べて欲しい娘。父娘ふたりをめぐる人の交流を描いたお話です。
地域発の作品はなるべく観てみたい方です。
そしてお話の舞台が「手作りの豆腐屋さん」。
豆腐は大好きです。 うん いいかも ♪・_・
というわけで、鑑賞してきました。
舞台は尾道市。
高野豆腐店。こうや ではなく たかの。
尾道といえば大林監督の尾道三部作が有名。
豆腐も名産なのか と検索してみましたが
これはそういう訳では無さそうでした(汗)
※ 尾道ラーメンが有名みたいです。
あとは海産物とか柑橘類とか。
で、高野豆腐店。
店主 兼 豆腐職人 高野辰雄(藤竜也)
店員 兼 職人見習 高野春 (麻生久美子)
父娘の二人で経営しています。
娘は一度結婚して東京に出たものの離婚。
尾道に戻って以降、豆腐作り修行中。
父は心臓に持病あり。奥さんとは死別。定期的に通院中。
娘は父の豆腐作りを広めたい。再婚の意志は「?」
そして豆腐屋の二人をとりまく人びと。
・床屋のオヤジ
・転職やのオヤジ
・タクシー運転手 etc
みんな、豆腐屋のオヤジの老後を心配しつつ
娘は再婚しないのか と気にかけています。
そんなある日
病院で心臓の検査結果を聞いた高野辰雄
心臓の血管が詰まっていると知らされる。さらに
手術しないと命に関わる… と告げられてしまう。…あらら
ふらふらと診察室を出る高野辰雄。
落とし物をしてしまうのだが、気付いて拾い上げ
声をかけてくれた老婦人と出会う。
その老婦人、名は 中野ふみえ(中村久美)
彼女も病気を抱えながら、清掃の仕事をして暮らしている。
偶然の出会いが続き、辰雄と親しく話をするようになる。
この二人の交流が、このお話の軸の一つ。
そして、心臓が良くない辰雄が、娘の再婚相手を探さねば と
仲間に声をかけ、ムコ探しをするようになるのですが
この婿探しに関わる話が、このお話の軸のもう一つ。
高野辰雄と高野春。
二人を巡る人間模様が細やかに描かれます。
◇
派手な演出もエピソードも無いストーリーですが
作品の根底を流れるテーマには重いものがあります。・_・
尾道といえば広島県。
ヒロシマといえば… です。
最初、高野辰雄は被爆二世なのか と思っていたのですが
劇中 ” あの雲を見た ” と本人が口にしていました。
あの雲 とは多分 キノコ雲。
当時5才くらいの子供なら、記憶に残っているかも。
この作品が2016年の話(※)だとして、1940年生まれ
(仮定ですが)の高野辰雄は76才。娘は40代半ば。
うーん、何となくそれっぽい感じかも。
(※ 商店街の横断幕に、2016年と書かれた物がありました)
春の離婚の原因も、そこ(春が被爆二世?)にありそうで
今なお付きまとう被害の実態(の一部)に、考え始めると
重苦しい感じになってしまうのですが…
それをどこかに吹き飛ばしてしまうのが
豆腐屋をめぐる「友人・知人」たちの明るさ。・-・
時に言い合いをしつつ、助け合う姿からは
「生きる」とはこういう事
そんなメッセージを受け取った気がします。
観て良かった。そう思える
昭和ノスタルジー感漂う人情身溢れるドラマ。
でした。
満足です。
◇あれこれ
■タイトルとエンドロールの背景は「豆腐」?
白地の背景の上に文字が表示されるので見易いなと
思っていたのですが、よく見ればこれ「豆腐」なのでしょうか?
小さな黒いツブが見えるのは、豆腐表面の気泡みたいに見えます。
最後列の座席で観たので、詳細が確認できませんでした。
■「○○屋」という表現
「豆腐屋」に「床屋」に「電気屋」…etc
いかにも昭和的な表現に感じられました。
頭に「場所」がつけば、もう立派に「固有名詞」です。・_・
「駅前の豆腐屋」
「商店街入口の電気屋」
「三丁目の風呂屋」 …etc
■気になるその後
・財産目当てでオバに接近してきた姪夫婦
→ 「1カ月以内にハンコをつかせる」とか何とか、とにかく
穏やかでない発言をしていたのでその後が気になってます。
・ニガリを入れ損なった豆腐
→ ぼーっとしていて藤竜也がしくじった「あの豆腐」
丸々無駄にしたのかなぁ。
それとも救済する手段があったのか…。うーん。
◇最後に
昭和の中頃、豆腐は近所の豆腐屋さんで買ってました。
水に沈んでいる豆腐を掬いあげ、持参した鍋に入れてもらい
その鍋を落とさないよう、慎重に家まで持ち帰るのが
子供のお仕事でした。はい。
そのお店で豆腐を作っていたのかまでは覚えていませんが
瓶のラムネも売っていたような記憶がうっすらと…。
だんだんと昭和も遠くなりつつあるようです。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
心に染みる映画
尾道の昭和なお豆腐屋さん高野豆腐店。
少し頑固で無骨なお父さんと出戻りだけれど明るくテキパキと働き者の娘。親子二人が助け合って守っている日本一の豆腐の味。それを取り巻く父の地域の親友たち。人情があって笑いがあって、そして、予想を超えて号泣してしまった映画です。日本人の心に染みてくる、悲しい涙ではなく、人間の心の奥を揺さぶる涙、、、、派手なストーリーや小細工なしで、
愛とは、思いやりとは、人の心とは、、、
現代の世の中に消えかかっている温かいものが心に満ちてくる映画でした。久しぶりにこんなに気持ちのいい涙を沢山流しました。藤竜也さんの素晴らしい演技が圧巻でした。極上の舞台を見に行った時のように、終わった時に思わず拍手したい気持ちになりました。劇場が空いていてもったいなかったです。もっと多くの方々に見てもらいたい映画でした。
春は咲く
こっちの春は咲きました。
お見合いやリハーサルの茶番はやりすぎかも。
でもなんかいいなぁ。泣いた。
中村久美さんてあの色っぽかった中村久美さんですよね。 いい人見つけてきたなぁ。
よく見る俳優さんたちより、あまり見たことのない俳優さんたちがいい感じでした。(ちんちくりんなんて言っちゃダメでしょ)
優しい音楽も映像も美しかったです。
いい映画を観た! この一言です。
凄く上から目線の失礼を承知で言うと、
何の変わり映えのしないストーリー展開、
何となく先が見えるストーリー展開。
なのにも関わらず、全く飽きさせない脚本と演出と全キャストのハマり役!
たくさん笑った。
そして少しうるっときた。
で、凄く感動しました。
お父ちゃんの「いい人生じゃったと振り返れるように幸せにならんと」…本当にそうでありたいですね。
そのためには、家族や友人を大切にしようと思いました。
日本映画って、本当にいいなぁと思える作品です。
あー、良い映画を観たーって叫びたいくらい、幸せな気持ちになって映画館を出ました。
元々豆腐好きですが、無性に美味しい手作り豆腐が食べたくなりました。...
元々豆腐好きですが、無性に美味しい手作り豆腐が食べたくなりました。
街の豆腐やさんも無くなりましたよね
私はとある豆腐屋さんの胡麻豆腐が大好きだったなあ……
日本のいい物を残して、それを世界に広めて行くってのも大事なんだなぁ……
あっ!映画の感想じゃなくなってしまった……
映画は愛溢れる、良い映画でした。
尾道を舞台に演じる名優ドラマ
こうや豆腐の専門店なんですか?
いえいえたかの豆腐店という名前です。
お豆腐屋さんなんですね!
そうなんです。
今度寄せてもらいます。
どうぞいつでもお越しください。
恋が芽生える何気ない会話が粋に流れる。これぞ名優の証し。何ともほのぼのして良いではありませんか?
父娘のそれぞれの淡い恋物語を描きつつ親子の深い深い絆と愛情を見事に表現した秀作。
是非映画館で🎦
90
作り手の優しさが伝わってくる
尾道の美しさや、作り手の優しさが伝わってくる映画だった。
しかし、藤竜也の面倒を見たがる近所のオッサンたちとか、麻生久美子の意外な相手とか、そのほかあちこちで「映画的なウソ(虚構)」のつきかたが、古めかしく不器用。そのため、どうしても引いてしまい、イマイチ楽しめなかった。
ベタが過ぎる気が…
豆腐屋の頑固親父とその娘の恋愛絡めた豆腐屋の話。
ゆったりとしたテンポの下町人情物語な感じで、観客も年配の方が多い。
ステレオタイプな嫌なキャラはいるものの、話として大きく嫌な展開があるわけでなく、安心して観れる。
優しい話だけどやっぱり物足りないかなー。こういう映画がいいっていう人もいるだろうけどね。
あ、尾道に巨人ファンはいません(偏見)
「春ちゃん そこで寝てると風邪ひくよ」
人気ドラマ「時間ですよ」でミステリアスな二枚目を演じた藤竜也が加齢臭さえ感じさせる老人を見事に演じる。 泣かせ処 笑わせ処以上に何気ない所作で役者達が腕を競う。
「春ちゃん…」 娘にちゃん付けで声掛ける柔らかな物言いに泣かされちゃったよ。
瀬戸内に見守られている尾道の、懐かしい風景
町のお豆腐屋さんの頑固お父さんと娘。それを取り巻く人々。家族であっても、そうでなくても、大切な人と繋がりあって、助け合って生きていくことが大切だなぁと、しみじみ感じました。
藤竜也さん、80歳超えても背筋ピンとしてらっしゃるし、かっこよかったー^_^
温かく優しさが溢れて
尾道に暮らす豆腐店の父と娘の日常と昔なじみの人々や新しく出会う人たちを描いた作品でした。
前はこんな感じのドラマやら良く見ていたなと思うけど、そう言えば最近見て無かったなぁ。
父と娘が互いを思いやる気持ちが染みました。藤竜也さんやっぱり凄い。
父の辰雄さんが中野さんの病院に駆け付けるシーンと父辰雄と娘春の最後のシーン、二度泣きました。
見終わって優しい気持ちになって、見て良かったです。
ほっこり安心感
俳優さんの力量を感じられる作りでした。特に喧嘩のドスの効かせ方は半端ない!さすが藤さん。
重い話も含まれているが、心が暗くなることはなくて落ち着いてよい映画でした。
それにしても春さんは、男を見る目がありますねー。
ローカル色満載のほのぼの作品
広島県尾道市を舞台にした地域密着型の作品で、人情豊かな昭和の香りのする作品でした。
どこの街にもありそうな、でもちょっと癖のある男気満載の頑固おやじと娘の対決がとても愛情を感じます。
思うとおりに行かない親の気持ちと、親を思いながら自分の気持ちをうまく伝えきれない、見ているとどんどん引き込まれる良い作品でした。
柔らかい豆腐
シンプルながらに、とても心が癒される作品でした。この手にしては珍しく、テンポが良くて見ていて飽きない。藤竜也と麻生久美子の好演があって、すごく厚みのある人間ドラマに仕上がっていました。
豆腐屋を営む親子が繰り広げる一時。
色んなエピソードが綺麗にまとまっていて、普遍的なストーリーではありながらも、ずっと見ていられる優しい映画。上滑りすることなく、しっかり笑わせてくれるし、この年齢になってもまだまだ人は成長できるんだと人生の教訓となるドラマもある。繊細な作業が得意で一流の豆腐職人は、実はずぼらで不器用。王道ながらになかなか面白いです。
なかなか理想通りにはいかない人生。
期待と期待外れの対比はお見事。祝い酒からやけ酒に。大禁句ワードを放つ婚約者。フリが効いていてかなり笑っちゃいます笑 藤竜也の驚く表情と麻生久美子の呆れ顔がたまりません。女性は豆腐のように優しく扱わないと、直ぐに崩れてしまうから。にがりと人生、なんだか似ているね。
大好きなシーンがある。
藤竜也が全力疾走する、あの名場面。見ているこっちまで走り出したくなります。何してんだ、自分。平凡な毎日を、言い逃れする毎日を送ってたまるか!なにかに向かって突き進まなければ!監督の魂も篭っているように思えて、すごく、すごく胸が熱くなりました。
冗長な部分や無理があるな〜と思う部分がありながらも、今年のヒューマンドラマの中では結構ベスト級に良かった。こういう、こだわり抜いた豆腐屋のお豆腐、食べてみたいな。
余分な仕掛けが足引っ張ってます、惜しい
これは驚きの上出来佳作で得した気分。典型的なベタなお話ですが、監督・三原光尋のドツボを敢えてサラリと描くスタンスで、嫌味なく人情小話が活きてくる。もちろん、ウザ過ぎる商店街応援団4人組の鬱陶しさや、段取りの予行演習なんて完全に吉本新喜劇のしかも劣化版、さらに病院のレストスペースでの騒動の安っぽさ、女子高生の監督設定なんてマジ不要ですね。これらの大失敗エピソードを補っても余りある節度の勝利でしょう。
監督自らのオリジナル脚本のようで、数多の映画監督に愛される尾道を舞台に老いた父と出戻り娘の有り様を描く。「こうや豆腐」と「春」と二つも引掛けを含んだタイトル、その手書きクレジット文字の優しさがそのまま全編を支配する。自らの病状を知り、このまま娘を閉じ込めたらいけない、の優しさが発端。並行して自らの予期せぬ「春」も描かれる。
老いて盛んな藤竜也の佇まいのカッコイイこと、これで81歳ですか? 確かに老いはやむを得ないが、走る・倒れるなどの所作の美しいこと。そもそも80超えて主演とは素晴らしいですよ。実際問題では娘との年齢バランスからも小林薫あたりのキャスティングがベストでしょうけれど、どうやら監督とのこれまでのお付き合いがベースとなっているようで。しかもラスト近くになって明かされる過去からも歳の差やむなしと説得されます。対する娘役の麻生久美子は出しゃばらず控えめを貫き、節度ある美しさも漂わせ適役です。独特の鼻から抜けるアルト声が都会的で、過去は一切描かれないですが、それらを断ち切っての父への尊厳が極めて「男前」なのがいい。
大筋は松竹・大船調の、山田洋次が監督しても全然違和感ないトーン。適度な笑いを散りばめ、琴線に触れるシーンも案外サラリと描く感性が実に好ましい。随所に挿入される尾道の情景は当然に美しく、生活のリズム感の熟成に繋がる。この手の作品にお約束のように挿入される長老者の逝去まで、敢然と繋げなかった作劇によって、凡作から脱皮できたのは確かでしょう。
春の恋人役の「ちんちくりん」こと桂やまとさんは落語家だそうで、それでいて映画初とは見えない誠実さを際立たせています。しかし、でも、もうちょっと麻生久美子とバランスのあう役者ではダメなの? 今ドラマの「VIVANT」でご活躍の迫田孝也 なんてぴったしと思うのですがね。父親の病院仲間となる中村久美の自然な品格が、安っぽさに陥りやすい設定を高いレベルで保っている。
エピソードの構築のあちこちに不備といいましょうか、熟成不足のシナリオをもっと洗練させれば第一級の作品となったでしょう。
リメンバーヒロシマ‼️❓
ヒロシマを繰り返さないなんて、じゃなくて、戦争時には、アメリカもナチスと同等でした、その被害を忘れないことは、大切なことだとは思います。
この映画と被爆被害は関連しているのですが、麻生久美子が離婚されたことと被曝遺族であること、中村久美が被曝後遺症で癌になることの深掘りがないので、唐突感が否めない。
また藤竜也と中村久美の出逢いと関係が深まるのも、麻生久美子が再婚相手を見つけるのも、少し浅い感じです。
確かに感動的なエピソードと名演技です。
私には、再婚相手や町内会のわざとらしさや、中村久美の若すぎる姿が、何か入り込めないものがありました。
ほのぼのした演技と尾道の景色が印象に残りましたあ。
ありがとうございました😊
あと20才
113本目。
豆腐の勉強にはなったと思いつつも、渡鬼って、こんな感じなのかな、観た事ないけど。
場所が場所だけに、過去と結び付けられるとは思うけど、そこは差し引いて。
カープファンは広島舞台ならお約束ではあるのだろうけど、申し訳ない程度に映るペナント。
だったら無理にとは思うし、芝居なんかは分かり易さは伝わってくるけど、展開にクエスチョンな訳で。
話を進める為には、ってのは分かるんだけど、それがいかにもってのが、好きじゃない。
性格よろしくないんで仕様がないけど、あと20才年取ってれば、そんな事を考えず、素直に受け入れられるのだろうな。
全72件中、21~40件目を表示