劇場公開日 2024年2月23日

「迂闊にただ笑っていると…」ネクスト・ゴール・ウィンズ TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5迂闊にただ笑っていると…

2024年2月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

最近、鑑賞後のレビューを書くのが本当に大変で、「これは劇場で観なくてもいいか」と考え方の論理としておかしいのが判っているのですが。。。
本作もタイカ・ワイティティ×マイケル・ファスベンダーならつまらないことはないだろうと思いつつ、恐らく「劇場」にこだわることないかな、と思い見送りかけて気づいた「配給:ディズニー(サーチライト・ピクチャーズ)」。私、ディズニープラス解約中なのです。「それが何か?」という質問には答えず進めますが、意を決して参戦してまいりました。
で、結論は「思った以上に良かった」ですよ。「おもろい」と「良いこと言ってる」のバランスが素晴らしく、迂闊にただ笑っていると、不意を突いて泣かされそうになる展開、特に後半の「W杯予選」のシーンではそれがつるべ打ちで、心底その尊さに対し感慨にふけります。
単純に「そこ(今作の舞台はアメリカ領サモア)に行けば何かが変わる」なんて自分探しとは違うんです。ちゃんと人生掛けて、本気で関わることで、何度くじけても起き上がるトーマス・ロンゲン(マイケル・ファスベンダー)にほだされ、結果で返す選手たちという構図が重要なんです。あぁ、思い起こしても素敵だわ。
事実ベースの物語に対し、タイカ・ワイティテイ自身が冒頭で「盛ってますけど」とギャグにしていますが、いやいや、その大盛りサービスもたれることなくペロッといただきました。特にキャラクター豊かなサモア人役キャストは皆素晴らしく、中でもジャイヤ役のカイマナさん、可愛らしく、カッコよく、兎に角素敵です。観る価値あり。

TWDera