北極百貨店のコンシェルジュさんのレビュー・感想・評価
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映画は70分でも豊かな世界が描ける
最近はハリウッド映画を中心に上映時間の長い作品が多いが、この作品はわずか70分で豊穣な世界を描くことに成功している。キャラクターデザインがシンプルで漫画的な心地いいデフォルメがすごく効果的で、アニメーションの芝居も素晴らしいものばかり。百貨店で働く人たちの所作が綺麗。動物キャラクターたちもそれぞれの特徴が生かしたアニメーションが堪能できる。
百貨店のお客は、絶滅動物ばかりで、そこで接客する人は人間。その構造の裏側にある意図は世界の理不尽について考えさせる。しかし、快活さは全く失われず、百貨店で客に歓びを届けることを誇りに思う一人の女性の成長劇として見事に完成されている。板津匡覧監督の長編映画デビューはとても嬉しい。今後もアニメーターとしてだけでなく監督として素晴らしい作品を発表し続けてほしい。
百貨店と動物園を合わせた人間観察日記
デパート好きで動物好きで人が好きで興味がある人には面白いと思う。デパートはおもちゃコーナーくらいしか興味がない私にはこの作品は面白くなかった。主人公のキャラが良い。人に対する真摯な態度の大切さに気が付かされます。みえみえのありがちなラストだがすっきりした気分になる。
心温まる お仕事系ムービーの秀作
手堅くまとまった作品
色鮮やか!
ネタバレ
人語を話す動物たちの世界のデパートのお話。
デパートのコンシェルジュに憧れ、その道に進んだ女性。
失敗しつつも、ならではの発想や考えでお客様に寄り添い満足させる。
ほんわかゆるーーいアニメを想像していたけど、
がっつり仕事を連想させて為になる反面、少し疲れた。
少しずつ明かされるデパートの謎。
確かに絶滅動物ばかりだと思ったが、
ここってあの世???
アニメの色調も独特で、
上記のこともあり少し不気味な世界観でした。
絶滅動物たちが過ごす世界なのかな…。
それが1番気になる…。
お客様の難問を解決していく短編をつなげたような映画でした。
動物特有の生態を組み込み、難問解決する10分ほどのアニメだったらサラッと見れそう。
24.11.3 ネトフリ
司書の資格を持つ者はリテラシーが必要なのだ
『コンシェルジュ』ではないが、図書館には『レファレンスサービス』と言うものがあるのを覚えておこう。
そして『レファレンスサービス』と『コンシェルジュサービス』の違いは、『コンシェルジュサービス』は利潤の見返りで、それは価格の中に含まれると言う事。
しかし、
『レファレンスサービス』はあくまでも無料なのである。但し、それは全て書籍に関わる事のみ。
だがしかし、本の内容は広がりを見せる訳だから、例えば『東京で美味いラーメン屋の掲載された本はないですか?』とレファレンスサービスを要求できる。
そうさ!そのサービスは司書と言う公的な資格がカバーしているのである。
是非、公共図書館にて、司書に質問してもらいたい。無料で教えてくれる。それが資格を持った者の役目である。従って、司書の資格を持つ者はリテラシーが必要なのだと僕は思う。
公共図書館ならば、顧客(納税者)からお金をいただなくとも、顧客は神様なのである。
だから、『コンシェルジュ』はお金をいただく訳だから当たり前。勿論、高価なもの程サービスは濃厚でなければ駄目である。
さて。それで良いのだろうか?
なんかブリシットジョブに感じるが。
アニメとしては、セルアニメじゃないと思う。少なくとも、
背景は全てCGだと思うが。
百貨店は世界の象徴
手放しに褒められてもいい作品
動物がいっぱい出てくるのでもっとほのぼのかと思ったらイヤなやつ多く...
動物がいっぱい出てくるのでもっとほのぼのかと思ったらイヤなやつ多くてイライラした。
土下座強要するクレーマーのシーンとか胸糞悪過ぎる。
レストランの料理の描写は良かった。
人間のキャラはみんないいのに肝心の動物のキャラが弱くて誰も印象に残ってない。
ハートフルでした
起承で終わっている作品
「百貨店」という夢を思い出した
従業員は人間だがお客様はすべて動物であるという「北極百貨店」。そこには多くの絶滅危惧種の動物も訪れるのだが、この「百貨店」そのものもまた、絶滅が危惧される存在というところがミソなのだろう。
都心の状況はわからないが、自分の身近なところでいうと、今年の4月に長野県松本市の井上百貨店(創業139年)が、令和7年3月末で閉店というニュースが流れ、何とも言えない切なさを感じた。
幼い頃の自分にとって、井上百貨店は夢の場所だった。よそ行きの服を着て出かける場所で、母親や祖母たちが買い物している間、おもちゃ売り場の鉄道模型やミニカーを飽きることなく眺められ、時には何かも買ってもらえて、食堂で食べるお子様ランチのチキンライスは文句なくおいしかった。
今もイオンなどのショッピングモールは元気で、人々の買い物の楽しみを満たす場所になっているのだろうけれど、「百貨店」と名付けられたところは、冒頭の井上百貨店のように、建物の老朽化などの問題もあって、徐々に減って来ているように思われる。
そこには、人々のライフスタイルの変化などが当然絡んできている訳で、映画の中で何度も出てくる「百貨店の未来」は、単純には語ることはできない。
ただ、この作品を観ている中で、かつて自分が味わった「百貨店」での夢のような時間を思い出したり、新人コンシェルジュと客やスタッフたちとの交流にほっこりした気持ちを味わえたりしたのは幸せだった。
全編で70分という長さなのでとても見やすく、ほっこりを求めている人にはおすすめ。
喜びの循環
原作も気になる
視覚的にもコンセプト的にも、非常に独創的な作品である。
登場人物が動物の作品は数多あるが、
各動物の動きひとつひとつの・・・
一羽一羽、一頭一頭の動きだけ観ていても楽しい。
何でも揃う北極百貨店は、
異種の動物たちがショッピングを楽しむ舞台となり、
その光景はまるで夢のようでありながら、同時に現実感をも伴う。
翼や蹄を持つお客様たちが店内を自由に行き交う様子は非常に魅力的で、
各動物のキャラクター設定が非常に細かく作り込まれていることに感心する。
性格や声色、衣装デザイン、動作のスピードや切れ味など、
アニメーション制作においてこれほど多様な要素を統合し、
最終的な形に仕上げるのは至難の業であることは想像に難くない。
特に、人間キャラクターに比べて、動物キャラクターの設定には無限の可能性とそれに伴う挑戦が含まれている。
さらに、丸くない眼球や瞳孔の動きなど、
細部にわたる表現の難しさは、アニメーション制作、表現の過酷さまで
も感じさせる。
観客に感情を伝えるために、諦めることができないアニメーターたちの奮闘が垣間見える。
作品のテーマとして、
愛が、種やDNAに縛られないという普遍的なメッセージが描かれているが、
象やライオン、オオカミなどのキャラクターのエピソードを通じて、
そのメッセージを助走なしの展開で感じ取れるかどうかが、
観る側の評価を分けるポイントとなるだろう。
ワンコインのエピソードに気持ちを乗せることができるかどうかは、
観客の個々の受け取り方に委ねられる部分が大きい。
このようなユニークな世界観において、
カスタマー・ハラスメントや賠償問題など現実的な要素を取り入れ、
より多くのエピソードで深掘りされるならば、
一話完結ではなく、シリーズ化して何話も続けて観たいという欲求が高まる人も少なくないだろう。
短いストーリーであるならば、
(百貨店の外観がグランドブダペストホテルの造り、配色に似ているので、GBホテルに関連させて書くと・・)
シュテファン・ツヴァイクや、
ウェス・アンダーソンの作品に見られるような、
感動や涙を誘うエピソードを狙うのではなく、
動きやギミック、デザイン、撮影技法など、
様式の美しさに徹底的にこだわることで、
特定のファン層を獲得できる可能性もあるだろう。
東京プラトンの東堂が難しい客をサポートしていたように、
北極百貨店は多種多様なアニマルたちをサポートする。
その違いを楽しみつつ、
導いてくれるコンシェルジュがいることは、
視聴者にとっても大きな魅力となるだろう。
北極百貨店のコンシェルジュや東堂さんのような存在が、
もっと多くのエピソードで描かれることを期待したい、、しらんけど、、、
原作も気になり過ぎる。
ほっこり
ツマラヌ理由。
もっと見ていたかった夢の世界
全く前情報無しに、映画館のポスターだけを見て鑑賞しました。
導入の心象風景のような無人百貨店内のイメージからアニメーションらしい目まぐるしいアクション→動物たちで賑わう華やかな百貨店へとの流れに一気にこの世界に引き込まれます。
お客様はすでに絶滅してしまった動物たち、それも「人間の欲で絶滅した動物」
ここから、この物語が単なる擬人化物語ではなく、百貨店自体も「この世ならざるもの」である事情が見えてきます。
「動物たちが擬人化して暮らしている世界で百貨店に買い物に来ている」のではなく「人間の欲で絶滅させられた動物が、その原因である大量消費を体験するアトラクション」であるということ。
動物たちが買い物中に語る事情も生活も、実際はこのアトラクション内で演じているだけなのではないか…もしかして人間も既に?
という想像を裏付けるかのように、ラスト百貨店周りの全景が映し出されます。
根底に重いテーマがありつつも、それ以上の楽しさと明るくふんわりした画面。
まるで目が覚めたとき、もっとあの世界に居たかった…と思わせる素敵な夢のような映画。
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