愛にイナズマのレビュー・感想・評価
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観る順番が悪かったかも
石井監督作品で大好きなのは「夜空はいつでも」で、実は「河の底から」とか余リ好きではなくて、要はともかく、演出力というか、力量が半端ないなとはこの監督のことだと思います。細部までしっかり作り込まれていて、特にカットの繋げ方が最高に上手いなといつも思います(牛肉と太賀さんのオーバーラップとか)。ただ好き嫌いは出ます。
で、今作「愛にイナズマ」は余り面白くなかったです。こんなオリジナルを、監督好みの俳優を細部にまで集めて(思い出してみれば過去作に出ている方々ばかり)、しかも上映時間140分、そこはやはり石井監督の今の地位なんだと思いました。
前半後半2本立て観てるみたいでした。どっちを作りたかったのかとずっと考えてました。前半は監督自身のこれまでの苦労でしょうか。
今回は、この作品の直前に「ほかげ」を観てしまっていて、その衝撃から抜けきれていません。前半の業界人の場面、コントレックスなんか飲んでるMEGUMIさんの役とか、これもあれも戦争の犠牲者の方々がいてこそだぞ! とか考えたら何か没入できませんでした。順番が悪かったんだと思ってます。
けっこう複雑で難解だが真実を描いている
オリジナル脚本と知ってなるほどと思った。
この作品を小説にするのは難しいだろう。
この作品もまた難しい。
1500万
作品に必要な最低資金
コロナによるバーへの都からの援助金
見栄のために社長に借りたセイイチのBMW
父のした暴力の代償
詐欺を計画する男たちの皮算用
「意味」があるようなないような数字は、文字通り「意味があるのかないのか」ということへの問いかけだろうか。
さて、
すべてにおいて「理由がない」映画監督オリハラハナコ 決して理由がない訳ではないがその不明確さにいら立つ助監督
オリハラにとって心の中心にある「母の失踪」は、すべて謎のまま
だから「わからない」ことに焦点を当てているのだろう。
理由がないのではなく、なぜそこにこだわるのか「わからない」母の心境に焦点を当て続けている。
当然オリハラがわからないことを助監督には理解できない。
幼少時代に負った心の傷の正体を、映画というコンテンツを使って探そうとしている。
母の失踪理由をドキュメンタリータッチで作ろうとした。
タイトルは「消えた女」
ハナコ以外の家族は概ねその理由を知っていた。
それを「外国へ行った」ことにしていた。
当時はぼんやり受け入れていたハナコだったが、到底受け入れられない嘘に「なぜ?」が大きくなっていく。
兄と連絡しないのも、父からの電話を無視するのも、それが原因だろう。
人の心
「ありえない」ことが「あり得る」のが世の中。
助監督は作品という中で、「そんな人いない」ことが常識だと考えるが、ハナコは実体験から「それが人だ」と考える。
「突発的なあり得ないことは、ある」
「あり得ないことは起こる」
コロナ以降の世界
そして誰もが「体裁よく自分を演じている」世界
中学生の言う「マスク」「酒」 ルールと常識 それに従わないのは悪
中学生は変わってしまった世間の代表だろう。
かつてあった自粛警察と同様
従来の手法でなければならないという助監督
立場を理由に下心丸見え
結局それがきっかけでハナコは降ろされてしまう。
食べていけなくなった俳優オチアイソウタの自殺
その死を食肉と同様に描いているのは、助監督の言葉とは真逆の「死というものの軽さ」
コロナ関連自殺の数 食肉と同じ扱いにされている事実。
作品の中の「生と死」は軽くできないが、世間の「生と死」の扱いに対する驚愕の軽さ。
さて、
ハナコにとって赤は家族の絆の色だったのかもしれない。
それはおそらく母が好きだった色
母が好きだった赤いバラの色
誰もそんなことを覚えてはいないが、自然と赤を身に着けている。
使われることのないケータイの基本料金
思い切ってかけてみると、3年前に亡くなっていた。
父のDV 母の嫌気 不倫 失踪
「本当はまだ生きているかもしれない」という父の言葉の本心がわからなかった。
もしかしたら赤と同じで、いつか戻ってくると信じていたのかもしれない。
ハナコのすべての動機である母の失踪
ハナコの本心は「母の帰還」だったのだろう。
やがて知る父のDVの理由
詐欺計画を練る連中と喧嘩した後、自宅で乾杯 大きな雷鳴と停電
父がろうそくを灯し、ブレーカーを上げる直前火を消したのはなぜだろう?
ずっと一人暮らしだった父
胃がんと余命宣告
その報告で子供たちを集めたつもりだったが、彼らの中にあったモヤモヤの正体こそ母の失踪の真実。
胃がんの報告よりもっと過去のことについて説明しなければならなくなる。
そうして全てのことがわかってしまう。
「何が正しいのかわからない」
父の同級生の言葉
ブレーカーを上げる前の父の言葉「お前ら本当にそこにいるのか?」
実在に対する確認 実在の証明をしたかった。
真っ暗で何も見えないときに、声だけが頼り。
家族の実在を確認したかった父
家族の記憶のないマサオにとって、折原家での出来事は家族がどういうものなのか知る機会となった。
ハグ 存在の確認
ハナコの作品のタイトル 「消えない男」
家族の絆を取り戻した折原家
ハナコの心のもやもやがなくなったとき、もはや母のことよりも父のことの方に焦点が集まっていた。
いなくなった母を探していたら、知らないことだらけの父を、家族を見つけてしまった。
ハナコはこの事実を作品として世に出すことはできるのだろうか?
本当のこと
本心を言え
しかしそれを描くことはイナズマに打たれるようなことなのだろう。
心のもやもやが吹っ切れたハナコだが、自分の作品というものがまったく別物にならざるを得ないように思えてならない。
フィクションの中に垣間見える真実こそ、作品になり得るのかもしれない。
今後彼女はそれをどのように表現していくのだろうか。
これが余韻となって残る。
とても面白くいい作品だった。
凄いメンバー
松岡茉優 窪田正孝 若葉竜也 仲野太賀 親子(!)
佐藤浩一 池松壮亮 芹沢興人 北村有起哉
思い出すだけでも凄いメンバー。
役の端端も みんな凄い。
こんなの集めて作品作ってラインプロデューサーの苦労は如何許りかと。
前置きはここまで。
ストーリーは大まかに言おうが言わまいが
家族の話。
前半のMEGUMIと三浦貴大、ほんとに業界人こんなのいっぱい、というかこんなじゃない人いたら紹介してくれと思う。
後半 家族が集合してからが見応えある。
コロナの事も携帯の解約の事も、かなり監督の意向が全面に出ていて、自分が今まで遭遇してきた腹立たしい事などが羅列されてるのかなあと思ってしまうが。
役者でぐいぐい押してくる作品。
邦画の (私の)好きじゃない部分が満載で。
でも終わりはきっちり泣かせに来て。
いい映画だと思え 思うのが映画をわかってるやつ。
そういう感じなの ほんとに反発してしまう。
「生きてりゃ みんな俳優なんだよ!」とか色々と面白い名台詞が沢山出...
「生きてりゃ みんな俳優なんだよ!」とか色々と面白い名台詞が沢山出て来て、松岡茉優にピッタリなキャスティングとナイス脚本。
監督・脚本の石井裕也さん凄い。
映画業界やテレビの業界が本当にこんなだったら嫌だなぁと思う前半。たぶん本当で良くある話なんだろうと思う。おそらく世界中で。
最近インタビューで『ピアノ・レッスン』の2024年の4Kリマスターでの再上映の時にジェーン・カンピオンが言ってた「ニュージーランドでは まだまだ女性に映画製作は難しい環境、日本では?」と言っていたのも思い出した。
後半ではムカつく2人が出ずに、家族が合流して感動物になって行くのか? その先は?
携帯ショップの定員さんの演出も良かった。
2回も言うが松岡茉優のはまり役!
内容はあまり頭に入ってこなかったけど、実家付近の走水、観音崎、東京...
内容はあまり頭に入ってこなかったけど、実家付近の走水、観音崎、東京湾フェリーが出てきて懐かしかったです。
家族の絆を見直しするドラマ。走水・東京湾と懐かしい場面での家族の集...
家族の絆を見直しするドラマ。走水・東京湾と懐かしい場面での家族の集まり、東京湾フェリーでの散骨、父親の不行跡が実は親友の娘の暴行犯人を追い詰め暴力を振った結果でこれを受けての母親の家出。インパクトのある石井メッセージ。
松岡茉優の凄さをみた
チャプターで分けているのでわかりやすいが,始まりと最後の方ではテーマが変わっていった感じだった。
理由もわからずいなくなった母のことをずっと引きずって生きてきた、映画にする事で吐き出そうともがく成長物語から、家族の歴史を紐解いて絆を再構築する物語になって行く。自分だけが母のいなくなった理由を知らなかったという事実。ここから家族の話になって行く。
わたし的にはこの後半がものすごくささった。
それぞれに音信不通になっていた兄弟が集まり,本音を曝け出し,怒鳴り合い,そして寄り添って一つになっていく過程にとても涙した。
松岡茉優の演技がすごい。前半の言いなりになってストレスになりながらも最後まで振り回されている表情と後半に向けて感情を爆発させた剥き出しの表情は圧巻だ。
若葉竜也、池松壮亮、佐藤浩一,窪田正孝,仲野太賀,皆実力派で見応えあった。
家族愛
ストーリーはそれほど良いわけではなかったが、登場人物それぞれに個性と魅力があって良かった。
家族の間の言動も好きな感じでした。
しかし、一番印象的だったのは、チョロと大賀が出てて、「大賀がチョロやってる!!」シーンに尽きます。
今回はクドカンじゃないけど、クドカンがやりそうなオマージュ?でしたね。
じわじわじわぐわーっ!!!
久しぶりに邦画見たぞ!!!
という気持ち。
じわじわじわと腹立たしさやら胸糞悪さやら不気味さやらが漂う前半から、三兄妹と父が揃ってからの盛り上がりがすごい。
(序盤で1ミリもグッと来ずに寝た我が家族よ、勿体ないねぇ。)
やだ。ぼくもいきます!!!と
おれが長男だから!!!のお兄ちゃんコンビに愛
映画館で見たかったー!!!
消えない思い
石井裕也監督、松岡茉優&窪田正孝W主演。
日本映画当代きっての若手筆頭株の監督と若手実力派。
鮮烈さや勢いを感じる作品を期待出来そう。
タイトルからも。愛!イナズマ!
期待に違わず。稲妻の如き喜怒哀楽が迸る。
Wikipediaによると、折村花子は映画監督。
幾つかの短編を経て、長編デビュー。題材は、自身の家族。
若さか個性か、風変わりな見方や感性を持っている。
突発的な事、脈絡のない事だって起こり得る。それが真実。
例えば、コロナ。あれは一体何だったのか…? 奪われた命は…?アベノマスクとか。何か意味があったのか…?
石井裕也が『茜色に焼かれる』に続き、アフターコロナの現日本を問う。
そんな花子に対し、助監督の荒川は考えが全く違う。
突発的な事、脈絡のない事なんて絶対起きない。全てに意味がある。
業界も長く、ルールやこれまで通りが絶対。それが当たり前。
ちなみに花子は下見の時から異端。
プロデューサーの原は花子の才能を買い、いい映画にしようと言いつつも、何処か他人事。唯一のアドバイスは、もっと人をよく見て。まあ、こう言う輩に限って…。
MEGUMIと三浦貴大が超絶技巧のムカつき。
家族の映画を撮りたい花子。自分の主張を通しながらも、自分を押し殺し、悶々悶々が募る…。
ある時花子は、正夫という青年と出会う。
コロナ禍の現状を巡って言い合う人たちを仲裁しようとして、逆に殴られてしまう正夫。
そんな正夫が気になり、正夫行きつけのバーで話し掛ける。
何処かKYな正夫。でも、真っ直ぐ純粋。窪田正孝が素のような好演と魅力。
花子もそうであり、何処か通じるものを感じる。
また正夫のルームメイトが、花子の映画に出演。不思議な縁。
突発的に?何の脈絡もなく?二人はキスを交わす。
しかし、稲妻のような愛の情熱的なラブストーリーに非ず。
好き合ってるのか、ただ意気投合しただけなのか、どっち付かずの関係性がユーモラス。
遂に撮影開始。が、監督は荒川に。
花子は病気で降板。
さらに、花子の降板で正夫のルームメイトも辞退。職を失い、彼は自殺してしまう…。
葬式の時、花子は原Pに抗議。
花子は病気降板ではなく、“上から”の意見で原が荒川を監督に変え、病気を降板の理由にした。業界ではよくある事だから。
納得いかない花子だが、一番食い下がりたくないのは、企画を奪われた事。これは、私の家族の物語。
これも業界ではよくある事だから。次頑張って。
“病気”の私に次があるんですか? この時の花子の返しにちと胸がすいた。
が、原Pは一切気に留める素振りもなく。
騙され、ギャラも貰えず、何より私の映画を奪われ…。
数々の秀作や賞を受賞し、もはや名匠でもあるが、まだまだ若い石井監督。そんな実体験あったのかな…?
この悶々悶々、今にも爆発しそうなやりきれない気持ち…。
ある雷雨の夜。正夫が花子に貯金を…。
花子は拒むが、正夫はこれを夢の為に使って。
花子も夢を諦めたくない。
激しい雷雨の中に、誓う。
前半はアフターコロナや下劣な映画製作裏を訴えるが、後半からは一転して家族の話。
序盤から挿入はされていた。
一人暮らしの花子の父・治。
何度も花子に電話するが、花子は一切出ない。
何か訳あり…?
花子が撮ろうとしていた映画のタイトルは『消えた女』。自身の家族と、花子が幼少時突然居なくなった母について。
父から説明はされたが…、父が傷害事件を起こし、それに愛想を尽かして出て行った。海外に旅に出たとか、明らかに嘘。
映画を通じて、自身の家族と向き合う。真実を明らかにする。何故母は居なくなり、父は嘘を付いた…?
企画は奪われたが(ちなみに荒川新監督では大部分書き直し)、撮影を敢行。その方法は…
正夫と実家に戻り、スマホカメラで、実父を問い詰めるようなリアル・ドキュメンタリー。
カメラを向けられているからか、それともやはりただ話したくないからか、うやむやに言葉を濁す父。
そんな父に怒りを爆発させる花子。
自分を押し殺していた花子だが、家族の前では超強気。その変貌ぶりに正夫もびっくり…!
花子がヒートアップしてから作品も加速。
松岡茉優の演技力、存在感は頼もしいほど。
父も花子に話があった。
これを機に、子供たちを呼ぶ。
長男・誠一は社長秘書。
次男・雄二は神父。
家族が集うのは10年ぶり。が、和気あいあいではないのは言うまでもない。
花子と誠一は感情ぶつけ合って罵詈雑言の言い合い。
雄二は平和主義。
父は右往左往。
KY正夫はカメラを回す。
ピリピリ険悪ムードからの修羅場。
なのに何故か、笑えてもくる。
松岡と窪田、池松壮亮に若葉竜也に佐藤浩市らが織り成す激情アンサンブル。
にしても、白髪しょぼくれの佐藤浩市、もうすっかり三國連太郎だ。
荒川の言葉じゃないが、訳あり問題だらけのあり得ない家族。しかしそれを、異様な高揚感と快テンポと演出で石井監督が見せきる。
稲妻が鳴り響いた後の静けさのように、一旦の休戦。
沸々とした感情燻りながら、夕食。
遂に父が切り出す。
お母さんと話してみるといい。
出て行った後も、父は母の携帯代を払い続けていた。いつか話す日が来る、今日この日の為に。
電話を掛ける。出たのは男性。
その男の話によると、元々病気がちで、3年前に他界したという…。
結婚した時から男と関係があった。父はそれを知りつつも…。
病気が発覚し、男の元へ。
他界していた母。家を出て行った理由は…。
真実なんて時にそんなもん。
花子以外は皆、他界は初耳だが、家を出て行った理由は知っていた。
自分一人だけ蚊帳の外。
何ものけ者にされていたんじゃない。本当の事を知るに花子はまだ幼かったから…。
不器用な男家族たち。
母の遺骨はフェリーから海に撒かれた。
そのフェリーは家族との思い出。
フェリーに乗りに、久々に家族で出掛ける。
その間もずっと、花子はカメラを回し続ける。
携帯を解約しようとするが、担当店員が事務的な対応で解約出来ず。マニュアル通りとは言え苛々募るが、お母さんがきっと望んでいるんだ。
夕食は馴染みの海鮮料理店へ。店主は一人暮らしの父を常々気に掛け、ある恩義があった。
父の傷害事件の真相。店主の娘が男に弄ばれ、自殺。店主に代わり、父が殴って敵を取ってくれた。
それで父は自暴自棄になってしまい、母は出て行った。
またしてもここで、知らなかった真実。暴行は罪だけど、誰かの為にした事。ホント、不器用。
近くの席からクズ男たちの不愉快な話。父の傷害事件を彷彿させる話の内容。ぐっと堪えて店を出るが、あ~やっぱりダメだ。家族全員で行こうとするが、誠一が背負って立つ。
またこの時、父のもう一つの秘密が明かされる。子供たちに話したかった事。
胃ガンで余命一年…。
家に帰り、ビール乾杯で打ち上げ。
あのピリピリ険悪ムードはもう無い。
真実やそこにある真意を知って…。
何だかんだ言っても家族。何か色々あっても家族。
うんざりするほど。でも、どうしようもなく。
突然の停電。後から気付いたが、その暗闇の中で○○してた。
一年後、再び家族が集う。
一年前は花子のきっかけと亡き母が呼んだが、今回は…。
まだ映画を完成させていない花子。
タイトルを変えようかと。“消えた女”から“消えない男”に。
だって、ずっといる。今も。弔う為に家族がまた集ったこの場にも。
このシーン、ジ~ンと来たなぁ…。
訳あり家族の話が、普遍的な家族愛の話へ。
世の中、意味ある事や意味ない事も。
突発的に、脈絡ももなく、あり得ない事だらけ。
でも、それらを全て、ハグする。
それが人生だ。家族だ。映画だ。
だから稲妻のように鮮烈で、面白く、愛おしい。
なんだか残念な作品
映画監督としてデビューを目指していて、自分の家族のことを書いた内容でデビューがしようとしたが監督から降ろされてしまった花子
そこで、実際の家族のことをとって見返してやろうと思った
何年も連絡を取っていなかった家族と再会をして、そこで父と母のことがちゃんとわかったという内容だった
出演している人が豪華だったのに内容がよくわからなくて頭に入ってこない作品でした
松岡茉優さんが凄い、最初で決めつけず最後まで見てほしい
序盤「もしかしたらつまらないかもしれない…」と思ってしまった自分を殴りたくなるほど徐々に面白くなっていき、最後まで見てよかったな〜と思いました。
仄暗い場面、というか人間の固定観念やある種一定の物事に縛られ囚われて生きている周囲の人物達の中で葛藤する主人公の描写から始まりますが、間に挟んでくるコメディがバランス良くて面白い。
たぶんこれ序盤で見るの諦めちゃう人がいると思うんですが、絶対に最後まで見てほしい作品ですね。
何と言ってもキャスティングが素晴らしい。
この俳優さん方で良かったと心から思います。
特に松岡茉優さん。どんな作品でも惹き付ける魅力がありますね。
アベノマスク・・・忘れてたけど、ちっちゃっ‼️
コロナ禍が始まって丸4年。もう記憶も薄れつつあるけれど、
今もマスクを外せないでいますものね。
2020年4月からガーゼのちっちゃいマスクが1世代に2枚配布され、
【260億円】かかったそうです。
「愛にイナズマ」はWikipediaにも載ってる新進の映画監督の
折村花子(松岡茉優)が、初めて商業映画の監督作品を任されるが、
花子の面倒な性格から、監督を降ろされて、
反撃のため実際の家族を使って、「消えた女」という題名の
6歳の時に自分捨てて出て行った母親の【真実】を撮影始める
コメディ映画。
石井裕也監督は「生きちゃった」(2020年公開)と言うコアな映画を
撮っている。
石井監督がポカっと空いたスケジュールの3ヶ月で取り上げた映画。
脚本は3日で書き上げた。
香港映画の「原点回帰。至極の愛」のテーマで撮る取り決めで
提示された資金は1500万円。
なんか似てますね。
主演は仲野太賀と若葉竜也。凄くエモーショナルな傑作なのです。
この映画も割とそんな感じで発作的かつ即興的に取られてると思います。
脚本はかなり行き当たりばったり、出演者の演技に頼っています。
まぁ石井裕也が声をかければこの豪華な俳優が時間を割いて駆けつけるん
ですね。
役者一人一人の出番が輝いている。
三浦貴大(花子の助監督だがパワハラ・セクハラの挙句に監督を横取り)
【三浦貴大】の最近の変貌は見た目を含めてスゴい。
人から嫌われる《やな奴》に役者の喜びをみつけたか?
口八丁で海千山千のプロデューサーの【MEGUMI】
「本人でなければ解約出来ない、と規則を頑なに繰り返す」
携帯ショップの女が【趣里】
「俺の妹を侮辱した」と雇い主の社長に初めて(多分?)
食ってかかる池松壮亮(折り村家の長男)を
「こいつバカだから」を繰り返し、裏手に連れ込んで引っ叩く
冷酷な社長に【高良健吾】
佐藤浩市を娘の仇を討つってくれた恩人と言う食堂のオヤジを
【益岡徹】
主役の松岡茉優、父親役の佐藤浩市、兄2人の池松壮亮と若葉竜也。
そしてアベノマスクを貰って使ってる変な男を窪田正孝。
主役は当然なのだが、先に挙げた脇役陣の張り切り様と、
そのスポットライトの当たり方・・・
こりゃあタダでも出たくなりますわな(もちろんタダではない‼️)
石井裕也監督が全精力を傾けたとは思えないが、
端々に社会への反発や皮肉や風刺の効いた技アリの一本。
全224件中、21~40件目を表示