劇場公開日 2023年10月27日

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「タイトルのインパクトほどは...」愛にイナズマ K2さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0タイトルのインパクトほどは...

2023年11月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

難しい

評判も評価も結構高いようですが、個人的には今一つぴんと来ない感じでした。
絶対にありきたりではなく、とても個性的でしっかり造られた映画であることは間違いないんですが、だからと言って必ず「好き」ということにはなりません。

出演者の熱演は間違いなく、ほぼ全員が個性や持ち味を存分に発揮して、見事に演じ切っていてそこに違和感はないんですけど。
序盤から、周りにザ・凡人!みたいな魅力的”でない”人たち(悪役)を登場させて、社会の理不尽に耐える主人公の姿を見せ、「ありえないことは普通に起きるんです!」「いやいや、無いから。」みたいな会話をさせることで、「何でもアリですよ」と前振りされるので、そのあとのシーンで「いやいや、無いから」っていうこちらの突っ込みは完全に封印されてしまいます。
なので、予想を裏切って転々とするストーリー展開も、今一つ共感できない登場人物たちの設定や言動の数々も、当然のように展開されて聴衆は引っ張りまわされることになります。
なにせ、「何でもアリ」なので。
(確かに「事実は小説よりも奇なり」ですからね。)

しかし、だからと言って全てに共感できるわけもなく、終始、違和感を引きずったまま脚本に引きずり廻されて終わる、ていう感じでした。
もちろん、(ネタバレになるので具体的には書きませんが)心を揺さぶられるシーンも数々ありましたよ。

これから観る人に対して一つ言えることは、虐げられた主人公(たち)が一発逆転!みたいなありきたりなストーリーではないので、そういうベタなのはわざわざ劇場映画で見たくない、という方にはお勧めです。
(逆に、その手のカタルシスはないですよ、とも言えますけど。)

K2