キリエのうたのレビュー・感想・評価
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美しい映像
人生の参考にはならないが、相当考えさせられた
予告など一切見ずに話題の映画をなんとなく観ましたら多少長くても大丈夫でした。
映画の中に引き込まれていく…という風にはならなかったけど、私自身も全くゼロではなかった3.11の体験を思い出したり…ちょっとなかなか味わえない不運なことのイロイロから、日常ありがちなこと…思春期の…例えばそんなに好きでもない人と付き合うことになったり……後に惹かれていくとしても…など、トータルして感じたのは生きていくことの辛さや強さを私の中で考えさせられた映画でした。
生きることを断念するひともまぁまぁいるこの世の中で、それはあってはならないと思う一人ですが、
この映画を観ると、「私はこれで生きていく!」みたいな諦めない姿勢はとても力強く勇気が湧いた。
小学生時代のルカちゃん(イワン)は可愛かったし、ホームレスなんて危険すぎる!と信じられなかったけれど小学校の先生に保護されたときはホッとした。
イッコの胡散臭さは好きになれなかった。
ナミダメさんの未遂に終わるレイプシーンは恐怖でした……が、「そうだよなぁ」と納得もしました。やり取りの会話は変だったけど(お願いします、とかゆーなよ!)。
ナミダメさん、結果いい人… かわいそうだった…
ルカ(キリエ)はもっと可愛そうだと思ってしまった。貞操守れてよかったけれどね…。イッコ(まおり)を嫌いにならないのもスゴイ。
路上ライブの様子は自分が客側だったら足を止めて聴くかな、投げ銭するかな……どうだろう…と思ったりしました。
音楽ですから好みは様々だし、急いでいる人もいる。かといって流れてくる数曲をたまたま聴いたら自分の中でしっくりとした曲に巡り合うかもしれないし…という一期一会感。
全ては雰囲気次第のような、こうしてよく生活していけるのは並大抵のことじゃない、と感心してしまいました。
都会に居るからこそ、田舎じゃ無理なことも可能になる…(その逆もしかり?)成功や失敗を繰り返していく生き様っていうのかな…田舎者の私にはやはりこういった映画をみないとわからない世界観であり、シンプルにお勉強になります。
ラストシーンはネカフェのようなカラオケ?のようなところでしたのでキリエはまだメジャーデビューしてない感があり、お家は無いのかな?と思いました。
余計なお世話ですが…
温かいものを食べられる環境、そして暖かい寝床を確保してもらいたい気持ちでいっぱいです…
(音楽業界…エンタメ界の闇も相当怖い…個人的に思う)。
アイナ・ジ・エンドが好きならば
奥深く、実は泣ける作品でした。
夏彦の「ずるいよな」はずるいよな
人間の綺麗なとこも汚いとこも全部ひっくるめて抱きしめたくなるような映画でした。自分の嫌いな部分も肯定してくれるような感覚。すごく苦しいお話だけど観終わった後は明日も頑張って生きようと思えました。完璧じゃなくていいんだと言ってもらえた気がします。
被災地の孤児のゆくえ
スッピン広瀬
アイナジエンドありきの映画
公開週に見るつもりが、サントラとアイナジエンドの配信が翌週の水曜日とのことなので1週遅れで見ました。
良い作品を見た帰りにそのまま配信購入して余韻に浸りながら帰宅したかったので。
アイナジエンドも広瀬すずも好きなので楽しみにしていました。
劇場で予告を見た時は声を上げそうなほどびっくりしました。
岩井俊二監督は好きですが長い、、、膀胱が心配しながら鑑賞です。
アイナジエンドありきの映画。歌は素晴らしい。心が震えますね。また、ダンスも良かった。さすがというところ。
また、幼さと妖艶さを合わせ持つ魅力がありますね。実際は広瀬すずの3つ上。28歳なのだからびっくりですね。
イジウン(IU)とイメージが重なります。
広瀬すずと黒木華のおふたりもさすがです。
ネタバレしませんが、やっぱりあのシーンは泣いてしまう。
岩井俊二監督作品らしくら、演出が薄味ですが、たぶん今夜は余韻だけで大満足です。
欠点があるとしたら、、、
やっぱり3時間は長い
音楽映画といいつつサントラの発売が遅い
終わり方が予想を超えなかった
といいつつ、やっぱりアイナジエンドの魅力は凄い。たぶん、アイナジエンドがいるから生まれた映画ですし、アイナジエンド以外の人では成立しない映画だったと思います。
良い意味での裏切りでした
いつも通り面白かったし、謎深い(監督が)
どこか岩井俊二の集大成的な作品のようにも感じたが、最近観る岩井作品はいつもそんな感覚があるので、やっぱりいつも通りの岩井作品か。物語自体は雑でわりとどうでもいい作りだったり、子役の使い方が抜群に上手かったり、あらゆる場面が抒情的で美しい、などといったところもこれまでのフィルモグラフィーと同様で、つまりいつも通りに面白いということなのだけど、その上で今作はアイナ・ジ・エンドという稀有なアイコンを得て、いつも以上にエモーショナルな作品にもなっていて、新鮮味があった。
そしてこちらの好きなものをバンバン投入してくるのも相変わらずだった。今作では七尾旅人が重要な役どころで登場するし、花澤さんまで歌で岩井ワールドに入ってきた。毎回のように特撮人脈や、ややアングラ寄りのアーティストを使ってくる感覚はどう考えてもこちら(オタク)側なんだが、本人からは全くその気配が漂ってこない、それどころか監督自身から漂うのは広告代理店的な自己演出感で、キャスティングなども含めて色々計算が働いてそうなんだけど、作品自体は感性と純粋さに溢れていて、ほんと謎である。感覚で生きてるように見えるのに作品自体は客観的な視点で作ってしまう勝新や西村賢太の逆パターンなのか。そもそも今作も含めて少女への執着とかかなり気色悪い筈なのに、殆どそういう受け取られ方をされない立ち位置というのもかなり特殊だ。3.11のドキュメンタリー映画で見せたような、ちょっと行き過ぎたぐらいのピュアネスを持っていながら、日本映画のオーバーグラウンドの中心点で作品を作り続けられるのは、その外面の、こちら側からすると鼻持ちならない感じがあってこそだろうな、とは思う。
で、今作はやはりどうしたって主演のアイナ・ジ・エンドの歌が肝になっていて、陳腐な言い方だけど、ブルージーな歌声の存在感が際立っていた。声の感じからすればジャニス・ジョプリンとかエイミー・ワインハウスみたいにエモーショナルな悲劇性や情念の方向にいきそうだが、本人が飄々として、わりと普通な佇まいなのが暑苦しさ少な目で良かった。そして広瀬すずはもちろん良い…。すでに大物の貫禄すらあったよ。あと、出てくる業界人やセレブ層がいかにも実在してそうなキャラクターで、全員イヤな雰囲気を醸し出しているのも良かったし、流石だった。この業界人のヤな感じっていうのが、そのままこちらの岩井俊二への印象にも重なるというのが、ますます監督の謎深さを助長させてもくれるのだが…。
期待しすぎたので残念度がすごい
岩井監督作品なので期待していたのに…
今の時代にこんなこと有り得ない、の連続過ぎて、残念としか言えなかった。
そもそも13年の物語と言われるのに、見た目的に分かりやすい変化があるのはルカだけだし、回想シーンもなぜルカとイッコが仲良くなったか、の説明にすぎず、時間の変化が全く感じられなかった。
キリエと一人二役を演じている明確な理由も不明だし、高校生までバレエをやるシーン描かれてたけど、結局歌うことに全振りしてて、バレエという要素必要だった??となってしまった。
これはキリエ役のアイナさんが好きな人のための作品。
岩井さんワールドで、映像や音楽の世界観が凄く、長時間ではあったが、...
祈り
路上ミュージシャン、キリエの絶叫。
キリエの守り神のようなイッコの呪文。
キリエの兄貴分夏彦の号泣。
キリエをほっておけない教師フミの献身。
小さな祈りは 暗くて巨きな時の中に
かすかながらもしっかり燃え続けようと 今 炎をあげる。
谷川俊太郎の『祈り』の一節である。
映像の根底に流れるのは、祈りなのだと実感する。
みんなが祈っている。そして敬虔なクリスチャンのキリエは、祈りの中で守られている。
震災の津波にさらわれた、キリエの姉の影をひきずりながら。
都会の雑踏、震災後の瓦礫。たとえ暗くて巨きな時の中であろうと、祈り続けるのだ。
炎をあげるまで。そんな映像。
祈りがある限り人は生き続けられる。どんな十字架を背負おうとも。
キリエとイッコが、あたり一面雪の中大の字になるシーンで、その思いは最高潮に達する。
それは、岩井作品の『Love Letter』と重ね合う、珠玉の雪のシーンである。
岩井俊二監督は圧倒的
見応えあった。そして切ないストーリー、、
危うさのある子ども達が身勝手な大人や環境に巻き込まれて運命も過酷で、被害の連鎖もあって‥。想像力と判断力が欠如した警官や児相は法律を盾に処理で片付ける。心を動かされたはずの聴衆は自分に不都合な状況ならただの傍観者になる。擁護する声すら発しない。あの日の当事者達の悲しみに寄り添わないまま世間は多くを忘れて風化を受け入れる。いろいろな痛みや無垢な心を映画から受け取った。分かりやすいストーリーと展開、音楽が仕上がるまでの曲のアレンジも丁寧で嘘がなく、映画の長さを感じなかった。万人受けや評価狙いのない映画は誠実で心を解放してスクリーンと向き合える。アイナジエンドの歌はさすが。説得力がある。初映画であの役を演じながらあれだけの曲数を歌ったのはすごい。広瀬すずの存在感、松村北斗、黒木華のストレートな演技はとても好きだ。世界は足元が崩れ始めていてそれが加速している。現実逃避出来るファンタジーは必要だけど、深く見つめる事が必要。人の善良さが求められると思う。映画は心を育てる大切な表現。やはり映画監督は尊敬する。岩井俊二監督を評価するには映画知識が足りていない。自分の人生で出逢えて良かったと思う作品を作ってくれる監督のひとり。映画と音楽はなくてはならない素晴らしいものだと改めて感じた。
キリエのうたが
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