キリエのうたのレビュー・感想・評価
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美しい映像
178分間、美しい映像に浸ることができた。
どんな体勢でも腹の底から声を出し、唸るアイナは最強。役者というより、やっぱり歌い手。
東京であろうが釜山であろうが、どんな舞台でも皆を圧倒する。このパワーが、津波を乗り越え各地を転がるように生きてきたKyrieの人生。
だから姉の希は別な人の方がよかったな。
広瀬すず、黒木華は岩井組の映画には欠かせない存在。彼女たちの演技の時に、余計なBGMはいらない。
松村北斗の没入感には舌を巻いた。どんどん声が低くなり、背中を丸めてボサボサになっていく姿が可哀想だった。自宅の部屋に飾られたいくつものトロフィーや賞状が、かつての栄光を想像させる。岩井組にもう一コマできた。
人生の参考にはならないが、相当考えさせられた
予告など一切見ずに話題の映画をなんとなく観ましたら多少長くても大丈夫でした。
映画の中に引き込まれていく…という風にはならなかったけど、私自身も全くゼロではなかった3.11の体験を思い出したり…ちょっとなかなか味わえない不運なことのイロイロから、日常ありがちなこと…思春期の…例えばそんなに好きでもない人と付き合うことになったり……後に惹かれていくとしても…など、トータルして感じたのは生きていくことの辛さや強さを私の中で考えさせられた映画でした。
生きることを断念するひともまぁまぁいるこの世の中で、それはあってはならないと思う一人ですが、
この映画を観ると、「私はこれで生きていく!」みたいな諦めない姿勢はとても力強く勇気が湧いた。
小学生時代のルカちゃん(イワン)は可愛かったし、ホームレスなんて危険すぎる!と信じられなかったけれど小学校の先生に保護されたときはホッとした。
イッコの胡散臭さは好きになれなかった。
ナミダメさんの未遂に終わるレイプシーンは恐怖でした……が、「そうだよなぁ」と納得もしました。やり取りの会話は変だったけど(お願いします、とかゆーなよ!)。
ナミダメさん、結果いい人… かわいそうだった…
ルカ(キリエ)はもっと可愛そうだと思ってしまった。貞操守れてよかったけれどね…。イッコ(まおり)を嫌いにならないのもスゴイ。
路上ライブの様子は自分が客側だったら足を止めて聴くかな、投げ銭するかな……どうだろう…と思ったりしました。
音楽ですから好みは様々だし、急いでいる人もいる。かといって流れてくる数曲をたまたま聴いたら自分の中でしっくりとした曲に巡り合うかもしれないし…という一期一会感。
全ては雰囲気次第のような、こうしてよく生活していけるのは並大抵のことじゃない、と感心してしまいました。
都会に居るからこそ、田舎じゃ無理なことも可能になる…(その逆もしかり?)成功や失敗を繰り返していく生き様っていうのかな…田舎者の私にはやはりこういった映画をみないとわからない世界観であり、シンプルにお勉強になります。
ラストシーンはネカフェのようなカラオケ?のようなところでしたのでキリエはまだメジャーデビューしてない感があり、お家は無いのかな?と思いました。
余計なお世話ですが…
温かいものを食べられる環境、そして暖かい寝床を確保してもらいたい気持ちでいっぱいです…
(音楽業界…エンタメ界の闇も相当怖い…個人的に思う)。
アイナ・ジ・エンドが好きならば
監督本人の原作を読んで、これがどう映画化されるのか楽しみにしていました。
3時間という長尺の割には端折られている部分が多く説明不足で、原作を読んで観た人と読んでいない人では受け止め方が違ってしまうのではないかと感じました。
エンドロールは原作にないエンディング。そういう生き方があってもいいんだよ。
岩井俊二ワールドとアイナ・ジ・エンドの歌が好きならば最高に楽しめると思います。僕はそうでもなかったので、すみません。
奥深く、実は泣ける作品でした。
タイトルを見る限り「歌」が主役だと思っていましたが、実は深く深く悲しみのあふれる作品でした。
広瀬すすが演じる複雑な背景の女性が、キリエの人生を切り開いているように感じました。
最近の作品に多いのですが、時代背景の切り替わりが早く途中ついていけない場面もありましたが、最後には1本のストーリーが見えてきて感動しました。
夏彦の「ずるいよな」はずるいよな
人間の綺麗なとこも汚いとこも全部ひっくるめて抱きしめたくなるような映画でした。自分の嫌いな部分も肯定してくれるような感覚。すごく苦しいお話だけど観終わった後は明日も頑張って生きようと思えました。完璧じゃなくていいんだと言ってもらえた気がします。
被災地の孤児のゆくえ
「映画」としては見れなくて、あの時孤児になってしまった子は、どう生き抜いたんだろうと、感情移入してみてしまいました。筋立てに無理なところもありますが、子どもたちへの「情」に溢れた眼差しに、優しい映画だと感じました。
スッピン広瀬
主演の女優さん?シンガー?の歌声が響くので、全編を通して見応えはある。
180分超えとちょっと長いのと、場面の切り替えがかなり多いので、途中ダレてしまった。
オリジナルの曲は聴きごたえあるが、もっと皆が知ってるようなカバー曲を入れてくれると良かった。
化粧してる時よりスッピンの方が可愛い広瀬すずが一番の見どころ、と言えなくもない。
20231022 イオンシネマ心斎橋
岩井監督の映画、想像していた通りの雰囲気漂う良作、人を選びますが
アイナさんの歌は胸に沁みます。
岩井監督の映像と相性良いと思いました。
個人的に凄く良かったです。 アイナさんの歌を劇場で聴けたのも良かったです。
アイナジエンドありきの映画
公開週に見るつもりが、サントラとアイナジエンドの配信が翌週の水曜日とのことなので1週遅れで見ました。
良い作品を見た帰りにそのまま配信購入して余韻に浸りながら帰宅したかったので。
アイナジエンドも広瀬すずも好きなので楽しみにしていました。
劇場で予告を見た時は声を上げそうなほどびっくりしました。
岩井俊二監督は好きですが長い、、、膀胱が心配しながら鑑賞です。
アイナジエンドありきの映画。歌は素晴らしい。心が震えますね。また、ダンスも良かった。さすがというところ。
また、幼さと妖艶さを合わせ持つ魅力がありますね。実際は広瀬すずの3つ上。28歳なのだからびっくりですね。
イジウン(IU)とイメージが重なります。
広瀬すずと黒木華のおふたりもさすがです。
ネタバレしませんが、やっぱりあのシーンは泣いてしまう。
岩井俊二監督作品らしくら、演出が薄味ですが、たぶん今夜は余韻だけで大満足です。
欠点があるとしたら、、、
やっぱり3時間は長い
音楽映画といいつつサントラの発売が遅い
終わり方が予想を超えなかった
といいつつ、やっぱりアイナジエンドの魅力は凄い。たぶん、アイナジエンドがいるから生まれた映画ですし、アイナジエンド以外の人では成立しない映画だったと思います。
良い意味での裏切りでした
3時間の長編ということで、監督特有の細やかな心理描写や明確な行動原理の表現が描かれていることを期待しました。
そこに対していうと、正直「ん?」と思うぐらいリアルさに欠けるところがあると感じました。
ただし!総論としてはそんな事は些細なことだと思わせるぐらいの圧倒的な歌唱力、表現力による作品としての説得力を感じました。
キリエを演じられる唯一の俳優だと確信しています。
素晴らしい!
いつも通り面白かったし、謎深い(監督が)
どこか岩井俊二の集大成的な作品のようにも感じたが、最近観る岩井作品はいつもそんな感覚があるので、やっぱりいつも通りの岩井作品か。物語自体は雑でわりとどうでもいい作りだったり、子役の使い方が抜群に上手かったり、あらゆる場面が抒情的で美しい、などといったところもこれまでのフィルモグラフィーと同様で、つまりいつも通りに面白いということなのだけど、その上で今作はアイナ・ジ・エンドという稀有なアイコンを得て、いつも以上にエモーショナルな作品にもなっていて、新鮮味があった。
そしてこちらの好きなものをバンバン投入してくるのも相変わらずだった。今作では七尾旅人が重要な役どころで登場するし、花澤さんまで歌で岩井ワールドに入ってきた。毎回のように特撮人脈や、ややアングラ寄りのアーティストを使ってくる感覚はどう考えてもこちら(オタク)側なんだが、本人からは全くその気配が漂ってこない、それどころか監督自身から漂うのは広告代理店的な自己演出感で、キャスティングなども含めて色々計算が働いてそうなんだけど、作品自体は感性と純粋さに溢れていて、ほんと謎である。感覚で生きてるように見えるのに作品自体は客観的な視点で作ってしまう勝新や西村賢太の逆パターンなのか。そもそも今作も含めて少女への執着とかかなり気色悪い筈なのに、殆どそういう受け取られ方をされない立ち位置というのもかなり特殊だ。3.11のドキュメンタリー映画で見せたような、ちょっと行き過ぎたぐらいのピュアネスを持っていながら、日本映画のオーバーグラウンドの中心点で作品を作り続けられるのは、その外面の、こちら側からすると鼻持ちならない感じがあってこそだろうな、とは思う。
で、今作はやはりどうしたって主演のアイナ・ジ・エンドの歌が肝になっていて、陳腐な言い方だけど、ブルージーな歌声の存在感が際立っていた。声の感じからすればジャニス・ジョプリンとかエイミー・ワインハウスみたいにエモーショナルな悲劇性や情念の方向にいきそうだが、本人が飄々として、わりと普通な佇まいなのが暑苦しさ少な目で良かった。そして広瀬すずはもちろん良い…。すでに大物の貫禄すらあったよ。あと、出てくる業界人やセレブ層がいかにも実在してそうなキャラクターで、全員イヤな雰囲気を醸し出しているのも良かったし、流石だった。この業界人のヤな感じっていうのが、そのままこちらの岩井俊二への印象にも重なるというのが、ますます監督の謎深さを助長させてもくれるのだが…。
期待しすぎたので残念度がすごい
岩井監督作品なので期待していたのに…
今の時代にこんなこと有り得ない、の連続過ぎて、残念としか言えなかった。
そもそも13年の物語と言われるのに、見た目的に分かりやすい変化があるのはルカだけだし、回想シーンもなぜルカとイッコが仲良くなったか、の説明にすぎず、時間の変化が全く感じられなかった。
キリエと一人二役を演じている明確な理由も不明だし、高校生までバレエをやるシーン描かれてたけど、結局歌うことに全振りしてて、バレエという要素必要だった??となってしまった。
これはキリエ役のアイナさんが好きな人のための作品。
岩井さんワールドで、映像や音楽の世界観が凄く、長時間ではあったが、...
岩井さんワールドで、映像や音楽の世界観が凄く、長時間ではあったが、最後までダレずに観れた。
そして、アイナちゃんの歌がやはり鳥肌もの、広瀬すずちゃんのもはや大ベテラン感の安定感でとにかく良かった。
ただ、ここいらないなーと思うシーンが何個かあったのと、ずっとローキックで心揺さぶられるが、泣きまでは至らない感じがちょっと残念ではあった。
祈り
路上ミュージシャン、キリエの絶叫。
キリエの守り神のようなイッコの呪文。
キリエの兄貴分夏彦の号泣。
キリエをほっておけない教師フミの献身。
小さな祈りは 暗くて巨きな時の中に
かすかながらもしっかり燃え続けようと 今 炎をあげる。
谷川俊太郎の『祈り』の一節である。
映像の根底に流れるのは、祈りなのだと実感する。
みんなが祈っている。そして敬虔なクリスチャンのキリエは、祈りの中で守られている。
震災の津波にさらわれた、キリエの姉の影をひきずりながら。
都会の雑踏、震災後の瓦礫。たとえ暗くて巨きな時の中であろうと、祈り続けるのだ。
炎をあげるまで。そんな映像。
祈りがある限り人は生き続けられる。どんな十字架を背負おうとも。
キリエとイッコが、あたり一面雪の中大の字になるシーンで、その思いは最高潮に達する。
それは、岩井作品の『Love Letter』と重ね合う、珠玉の雪のシーンである。
岩井俊二監督は圧倒的
3時間近くの大作。。。でありながら、その淡々とした語り口は岩井監督独特の空気感。
そして社会に転がる病理や不幸を良し悪しと判断する訳でもなく描く表現力は圧倒的です。
僕にとっては繰り返し観るようなテンションの作品ではないですが、長い間心に残るでしょうし、次また監督の作品が世に出たら、きっと劇場で観るでしょう。
どんな世の中に生きても「自分の歌」を叫ぶことが大事。せめてそれが許される社会であって欲しいですね。
見応えあった。そして切ないストーリー、、
危うさのある子ども達が身勝手な大人や環境に巻き込まれて運命も過酷で、被害の連鎖もあって‥。想像力と判断力が欠如した警官や児相は法律を盾に処理で片付ける。心を動かされたはずの聴衆は自分に不都合な状況ならただの傍観者になる。擁護する声すら発しない。あの日の当事者達の悲しみに寄り添わないまま世間は多くを忘れて風化を受け入れる。いろいろな痛みや無垢な心を映画から受け取った。分かりやすいストーリーと展開、音楽が仕上がるまでの曲のアレンジも丁寧で嘘がなく、映画の長さを感じなかった。万人受けや評価狙いのない映画は誠実で心を解放してスクリーンと向き合える。アイナジエンドの歌はさすが。説得力がある。初映画であの役を演じながらあれだけの曲数を歌ったのはすごい。広瀬すずの存在感、松村北斗、黒木華のストレートな演技はとても好きだ。世界は足元が崩れ始めていてそれが加速している。現実逃避出来るファンタジーは必要だけど、深く見つめる事が必要。人の善良さが求められると思う。映画は心を育てる大切な表現。やはり映画監督は尊敬する。岩井俊二監督を評価するには映画知識が足りていない。自分の人生で出逢えて良かったと思う作品を作ってくれる監督のひとり。映画と音楽はなくてはならない素晴らしいものだと改めて感じた。
キリエのうたが
岩井俊二らしい画面の連続で、ファンとしては嬉しかったです。
ただ、予告編から感じてましたがこの作品のキモであるキリエのうたが好きになれず、、、そこが残念でした。
もっと優しい癒されるような声だったらなぁ、と思いつつ。でも原作が有るらしいので、そのイメージには合ってるのかな?
原作を読んでみます。
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