キリエのうたのレビュー・感想・評価
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今もなお響き続けるあの歌声
この映画を観終わってしばらく経つが、今なお胸中で歌声が深く響き続けている。類稀なる歌声を持った少女が才能を開花させていく物語ならば、過去に幾つか観た覚えがある。しかし本作における「歌」のあり方はそれらとは根本的に違う。主人公には頼れる者が誰もいない。思いを口にすることすら困難だ。そんな孤独に生きることを余儀なくされた少女が、歌うことによってのみ、この世界と繋がり続けようとする。と同時にこれは彼女が自分でも意識せぬうちに一つの使命に身を捧げていく旅路でもあるかのようだ。言い換えるなら、祈り。大切な何かを忘れぬため、これまでもこれからも「共に歩いていること」を実感するために、彼女は今日も無心になって歌い続けるのだろう。こうした歌声の周りにいつの間にか多くの人たちが集まっていることの尊さ。その人生を記憶のタペストリーの如く伝える本作もまた、私たちに忘れてはいけない何かを強く思い起こさせてくれる。
過去作品と交差し、ループする“岩井俊二ワールド”
二人の少女、雪、地方の景色、誰かを想い佇む人物、人物の感情に寄り添うようなカメラワーク、自然光の多用、学校、制服、時空を超えた恋や友情、青春、手紙、同じ俳優や本物の歌姫の起用など、過去作品のキャラクターやシーン、設定やセリフ、物語、音楽を想起させる“岩井俊二ワールド”の記号が散りばめられています。
それらとつなぎ合わせて見ると、まるで岩井監督の頭の中のパラレルワールドがそれぞれの作品で交差し、ループしているようにも見えてきます。本作でも時代の空気をつかみとり、魂の救済を見つめ、小林武史の音楽とともに映像に昇華して、見る者の心と共振しようとしているのではないでしょうか。
アイナ・ジ・エンドの歌声に包まれる3時間
アイナ・ジ・エンドのハスキーボイスと人々を魅了する歌声に包まれる3時間。ただキリエと路花を演じたことで、物語をわかりにくくさせている。
ストーリーも結局何を描きたいのかがよくわからない。
内容的には可もなし不可もなし。 ただ3時間はちょっと長過ぎる。 ま...
内容的には可もなし不可もなし。
ただ3時間はちょっと長過ぎる。
また、過去のシーンが頻繁に出てくるので時系列が分かりずらい。
終盤の野外イベントのシーンでは許可証を保持しておらず、警官から止められているのにライブを強行するのはまずい。
「警官に逆らうのがかっこいい」みたいな描き方は共感できない。
岩井俊二監督ワールド
◯リップヴァンウィンクルの花嫁
◯リリィ・シュシュのすべて
◯花とアリス
◯花とアリス殺人事件
を見た上で今作を映画館で鑑賞。
歴代トップで何が伝えたいのか良く分からなかった。
突然回想シーン、突然現代シーン
それが交互で前のシーンを思い返しながら現代はここで終わったよね、回想はここまでだったかな?
とややこしさが増す。極めつけに岩井俊二監督あるいるだが上映時間の長さが⋯
長い⋯
ロード・オブ・ザ・リング? と思うほど長い⋯
それも面白さの一つかもですが。
まるで推敲していないような荒々しい脚本、故に生が強く強く訴えてくる
都会の片隅に響く歌声はきっと何処までも片隅のまま。だが、それで良い。
3時間に及ぶ、言葉に出来ない人生。それはまだらであり、時に厄介。途方も無い感情の隙間に孤高の声が響き渡る。
心臓を抉る生き様は荒い走り書きのまま観た感覚。そこに余計な飾りは必要ない。
やっぱり、これしかない。本作のタイトルは。
ストーリーとしては切ない一本ではあるのですけれども。
しかし、万感迫る物語に浸っているうちに、もはや手の施しようのない?涙腺脆弱症の評論子も、落涙はしませんでした。
素敵な歌声の歌がいっぱい散りばめられていたことも、作用として大きかったでしょうか。
ことほど左様に、歌は人を楽しませることには、間違いがないかとも思います。
ミュージカル大好きの評論子でもあってみすれば、なおさら。
音楽(ストリートミュージック)いっぱいの本作の…。そして希(きりえ)が路花から見ての唯一の肉親だったことを併せ考えれば、本作のタイトルは、やっぱりこれでなけれはならなかったのだろうとも思います。
評論子は。
過去と現在、人と人との関係性の機微という岩井監督の作品に通底するモチーフは本作でも健在であり、一人の女性の生き様(ざま)の切なさということでは、胸に万感の思いが染みわたるように思いますし、観終わって、たっぷりとした情感に浸ることのできる作品としても、同監督の手になる作品の例に洩れない一本たったとも思います。
十二分に佳作の評価を超える一本であったと思います。評論子は。
(追記)
本作のストリートからはほんの、ほんの脇筋なのですけれども。
しかし、路上フェスを開くなら、公園管理者の許可を取らなかったのは、どう考えてもNG でしょう。
(それに、場所の予約の連絡を入れた時点で、公園課?から許可申請の話が出たはず。予約もなしでの強行なら、他のイベントとかち合う可能性もあるので、それも「考えられへん」ところ。)
確かに煩雑な手続きでもありますし、そういうことには不馴れなストリートミュージシャンたちには尚更のことでしょう。
ストリートミュージックに理解があり、ボランティアで許可申請手続きを代理・代行してくれる行政書士は、どこかにいないものでしょうか。
(追記)
ちなみに、路上でのロケーションは、略々(ほぼほぼ)が「ゲリラ的敢行」と聞いたことがあります。
短時間で終わるので、無許可でも摘発されづらいという事情もあるようですし、映画を観た道路管理者(の職員)が気づいて連絡して来たということもないようです。
(道路を通行するシーンであれば、道路の自由利用の原則の適用範囲内ということもできそうですけれども。ただし、一時的にしろ、機材を道路敷内に据え付けるなら、間違いなく占用許可が必要。)
(追記)
<映画のことば>
最近に感動したことは…。
あなたの歌ですよ。
選挙が始まると放送される政見放送(Powered by NHK)では、歌を歌うことは禁止されているそうです。
歌を歌うことは、聴いている相手を楽しませることになるので、公職選挙法の適用上では選挙民に対する「饗応」に当たるということらしいのですけれども。
ことほど左様に「歌」というものが、いかに人の心を楽しませるものであることは、本作が鮮やかに描き出すところだとも思いますし、人の声が「楽器」として、いかに素晴らしいかも、本作は多くを語ると思います。
(追記)
本作の岩井俊二監督の手になる作品だけでなく、観たい作品は山ほどあり、観る時間が足りないことを、いつもいつも嘆いている評論子ではありますけれども。
同監督のどの作品にも共通している「観終わった後の、たっぷりとした情感」にまた浸りたくて…。
本作のレビューもまだ満足に書き上がらないというのに。なんと早々に、同監督の手になる別作品の『Love Letter』と『ラストレター』とを、地元のレンタル店から、とっととレンタルして来てしまった評論子でありました。
もはや病膏肓に入っていることには自覚症状もありますし、「何をかいわんや」というご批判は、申し開きもなく、甘んじて受けたいと思います。
岩井俊二の“勝手にしやがれ“
令和の今の時代にこんな歌に命を預ける歌手が存在していたのか?
メッセージソングというのとも少し違う。
ともかく衝撃的な歌手だった。
《悲しみの伝道師》
それを言うなら中島みゆきの方がもっと伝える力は数倍大きいが、
キリエ(アイナ・ジ・エンド)の歌はテクニックも普遍性もなく、
ただただ荒削りで生身の人間の飾りのない叫びと苦しみ、怒りを
歌う。
それは生理的で食べる行為、眠る行為、生きる行為・・・
と言った原始的なものである。
卑弥呼が歌うとしたら、
卑弥呼が舞うとしたら・・・
多分そんな原始的な感じ。
それは心に
過去の人生を生きて来た人間の
苦しみと痛みを思い出させる。
繊細で上品な岩井俊二監督の過去作とはかなり印象が異なる。
それはこの映画のミューズである《アイナ・ジ・エンド》の
歌声によるものだ。
剥き出しのその歌声は【死】より【生きたい・・・死にたくない生命】
に訴えかける。
震災で亡くなった人々の死にたくなかった叫び、
残された人々の慟哭に聞こえるのだ。
ある意味でアイナ・ジ・エンドは霊能者であり霊媒師である。
この映画は映画館の暗闇で173分集中して観ると絶対に評価が上がる。
とても残念だ。
2011年前後のキリエ(路花)の少女期。
両親・姉のキリエの震災死により孤児になる路花。
養護施設と帯広の高校生活を経て上京。
路上ミュージシャンとして姉の名前・キリエを名乗る。
震災の後、路花は歌う時以外には、
声を失う。
過去と現在が目まぐるしく行き来して、
キリエの友・イッコ(広瀬すず)との時間は
自由と憩いがある。
音楽映画。
そう呼べる筈なのに、路上音楽という制約のためか、
アイナ・ジ・エンドの歌の歌詞そして歌声が挑戦的で、
シャウトするエネルギー源は怒りであるから、
それに釣られて他の楽曲とBGNも
とてもバランスがブレて壊れている。
やたらとうるさくて感じる時間も多い。
いつもの岩井俊二作品の端正なフォルムの映画を観慣れてる私には
とても挑戦的で新鮮で、そして居心地が悪い。
それほどに岩井監督はアイナ・ジ・エンドに魂を奪われた。
語り部のように歌い、叫び。
軽い羽のように舞い。
哀しみを育み、空気を栄養にして、
妖精のような少女は岩井ワールドをアイナ・ジ色に
染めたのだった。
アイナ・ジ・エンドを愛でる映画。
テーマは何だったのか、もう分からない。
エンドロールの5分間は、
アイナ・ジ・エンドのMVでPVみたいだが、
この映画は岩井監督のターニング・ポイントになりました。
岩井俊二の「勝手にしゃがれ」or「気狂いピエロ」
ジャン・リュック・ゴダールのミューズ=アンナ・カリーナは、
岩井俊二にはアイナ・ジ・エンドらしい。
話の構成が分かりにくい
話が行ったり来たりで分かりづらいのと、キャラクターの掘り下げがあまりされないので、もっと整理すればいいのにと思った。
特に一条逸子はこの話に必要だったのかな?ラストを見せたいだけのキャラのようにも感じた。
アイナ・ジ・エンドはよかったし、震災で行き場がなくなる展開も個人的には良かったです。
どうしても苦手だった
岩井監督もアイナジエンドさんも元から苦手意識があって、この作品はどうかなと思ったけどどうしても。個人的にしんどい3時間だった。ですが村上虹郎はどうしてこんなに良い味出してくれるんでしょう、、、やっぱり大好きな役者さん。
『キリエのうた』公開初日のレイトショーで見た後、一番大きなスクリ...
『キリエのうた』公開初日のレイトショーで見た後、一番大きなスクリーンと最良の音質を求めて新宿バルト9のスクリーン9で拝見。試写会で観た方の絶賛は把握しつつも、小説版を読んだ方の「覚悟して観ないと」との言葉等、ネタバレ忌避派なのに得てしまった事前情報から観るのをちょっと恐れてすらいましたが、冒頭から覆されました。広がる風景の美しさや風合い、話の間合いや速度から、この映画を好きになりそうと思った開始数分。3時間を経て日付が変わる頃、贖罪、天災、人生の理不尽…重い縦糸に編まれる物語の鑑賞後でありながら、松村北斗=夏彦の在り方に腹落ちしたことで深夜の映画館を出る足取りも軽く、心楽しくなりました。キリスト教の素養もないから「主よ憐れみたまえ」の意図は明確にはわからないし、次に観た時は泣くかもしれないし、憤るかもしれないけれど。今回は自らの”しでかしてしまった”事と災害に翻弄される夏彦の来し方を紐解き、キリエ(路花)とイッコ(真緒里)の関係性を微笑ましく見守り、キリエ(=路花)の音楽家としての成長を楽しむ3時間でした。さすがに岩井監督が砕身された音楽映画、パンフレットで監督の音に対する見識を拝見しましたが、これだけ音楽を中心にすえた作品でありながら台詞が聞き取れないことがなかったことに後から感心したものでした。
印象的だったのは夏彦の内面が語らずして自ずと表れていたこと。葛藤と同居するずるさや小賢しさ。誰もが持つ負の感情。自身のそれも、他人が隠し持つそれにも敏感で、それらを回避せずにきちんと見つめてきた人だからこその人物造形ではないかと勝手に想像し、素晴しいことだと思いました。
例えば友人に伴われて希が登場した瞬間からのぞく夏彦の打算。将来を期待されるプレッシャーこそあれ、恵まれたお坊ちゃまの「彼氏とかいるの?」と切り出したこずるさの迫真に膝を打ちました。希に迫られた時の優柔不断で受け身な「えー...」は秀逸*1)。希の事は好きではあるのだろうけれど、宗教的にも経済的にも女系という点でも、盂蘭盆会の光景から推し図れる潮見家とは圧倒的に異なる小塚家でのいたたまれなさ。幼い路花をかわいがっているし、外面よくそこに居るけれど「アーメン」とごく当り前に祈りを捧げる女性達の中での複雑な表情。駅での見え隠れする後悔。腹をくくったと口では言いながら「また電話するよ」に含まれた迷い。震災がなかったらその後あっさり希を捨てていたのでは、とさえ思えたり。普通の人間の内包する複雑さがありありと表れているように思いました。
希との関係性を語る上で欠かせなかった性的描写。高校生という前提もあるからでしょうが煽情的にならず、観た後読む派がうっかり開いてしまった小説版の1頁の描写よりあっさりとしていて品すらあるような。大阪で過去を語る表情も、最後に泣き崩れる様も、石巻へ走るシーンも、悲痛な心情は十分に伝わるけれど過剰にならない。様々な場面での、何か不思議なフィルターでもかけているかのように抑制の効いた感情の表出が私は好きです。
走るシーンは大変なご苦労だったと伺いました。かっこよく走るシーンも勿論よいですが、舞台挨拶で話題にのぼった「徐々に丸くなる背」のような、身体表現の的確さユニークさは松村北斗の強みだと思います。
抑制、品、身体表現と併せてもうひとつの重要で大好きな資質、巧まずして表れてしまうおかしみ。例えば「コメディーシチュエーションだった」と事前に伺って楽しみにしていた夏彦の登場シーンでの真緒里とのやりとりの何となく滲むそれ。これぞ松村北斗の夏彦、壮絶な人生でも100%の悲惨などあり得ないという微かな希望。この作品を深夜に1人で観ても嫌な後味がなかったのはこれらの北斗さんの特性のお陰かもしれませんし、松村北斗さんの作品を観ていくうえで私にはありがたいことです。
余談ですが岩井監督は脚好きなのでしょうか?夏彦のマンションのクローゼットから出てくる希、雪中の素足等、なかなか必要以上に脚を露出されているように思われ。監督自ら「ボクらの時代」で「オタク活動は仕事、職業選択はオタク故」と語っていらしたように、映画制作というのは一種の盲目的な愛好を形にするお仕事ではあろうかと思うのですが、例えば新海監督はご自分の作品の中のフェティッシュ要素にセルフツッコミしながら上手に足し引きされる方で、蜷川実花監督はフェティッシュ全開上等、それこそ制作意義とされているように思っていて、さて岩井監督についてはなんと評したらよいものでしょう(笑)
一部で物議を醸しているらしい罹災時の”服装”といい、波田目社長に襲われるシーンといい、アイナ・ジ・エンドさんにはその点でも初演技にしてなかなかの大変な役でしたでしょう。希の自分の欲求に素直で素朴でありながら強かな人物像が強烈で、路花の柔軟さや繊細さとの演じ分けは凄かった。一番好きだったのは高校生の路花が帯広の夏彦の家で1人別室で踊るシーンで、アイナさんの技術が路花の孤独を最大限に表現しているように思いました。路花の在り様も私がこの作品をファンタジーのようにうけとった要因と思うのですが、何よりイッコ=広瀬さんのファンタジー全振りが大きかった。素の真緒里の美しさ、結婚詐欺という生生しい犯罪、刺される末路もありながらのイッコの外連味の強さと非現実感。広瀬さんは常々”映画女優”だと思って拝見していたのですが、すごい存在感でした。逆の意味で、うっすら不精髭で日常生活をこなしながらも憔悴と後悔の果てに若いのに疲れが沁みついたような顔をさらし、美しく存在せずとも役柄を成立させた松村北斗も素晴しかった。お二人とも美しい外見故に不当に演技を割り引いて評価されがちだと思っていましたが、最早アイドル俳優とは誰にも言われないと思っています。
1) 以前松村北斗が演じた役の女性に翻弄される様(『恋なんて、本気でやってどうするの?』の柊麿、『一億円のさようなら』の若き日の鉄平など)を思い起こさせられたり。YouTubeやライブMCで見る松村北斗の、時々相手の出方の強さに気おされて「え…」となっておられる様を思い出してしまったり。
付記:ひとつだけ残念だったのは、バルト9の一番良い席で鑑賞した際、地震のシーンの映像ですっかり酔ってしまい、必死でカバンの中の吐気止め(映像酔いしやすいので常備(笑))探す後半。周りの方にも申し訳ないやら、情けないやら。同体質の方は睡眠を十分とって、万全の体調と酔い止めを握りしめて(あるいは先に飲んで)鑑賞される方がよいかもしれません。それだけ迫真ということですが。
美しくて切ない映画
歌がとにかく印象的な映画。歌姫アイナ・ジ・エンドのために作った映画かな。
キリエ、ルカ、夏彦、イッコそれぞれの存在感が素晴らしくてキャスティングが最高だった。この人達でなければこの世界観は作れなかったと思う。
いちばん泣けたのは夏彦がルカと再会して号泣するシーン。私の周りの席でもすすり泣きしてる人が多かった。夏彦だけがまだ恋人を亡くした(助けられなかった)震災の地獄から抜け出せていない。助けられなかった悲しさと共にそれを少しホッとする気持ちもあった情けなくてダメ男な自分をずっと許せず忘れられない夏彦が辛かったな…
松村北斗くん名演技だった。
レイプ未遂シーンと下着姿の長い長い地震のシーンはちょっと嫌だった。5回観に行って2回目からは目を閉じてその時間が過ぎ去るのを待っていた。
イッコの結末は可哀想だけど自業自得な気もした。生きる為に男達へやってきたことへの報い。
キリエの歌は最後イッコに聴こえていたのかな…それが知りたかった。
田舎の自然や真っ白な雪景色の美しさ、純粋でキラキラ眩しかった高校生時代…反する都会の大人のドロドロした闇の世界が真逆過ぎて切ない気持ちになった。
児相の相談員がまつひこと二人暮らしをしてる家に来て連れ戻そうとするときの、るかのバレエのシーンが忘れられない
イメージビデオかなと思って不安で見るか迷っていたがすごく面白かった 観客はカップルと私だけ 夜の回 一人で集中して見れて幸せ
今回の蒼井優的な 広瀬すず 最後やっぱり自殺逸脱のイツコ この映画を見てよかったのは彼女の人生がすごく覗けたから 男を食い物にする女詐欺師役(木嶋佳苗を彷彿とさせる)
チャラがアイナジエンド ファムファタルミューズ鈴木いづみブサイクインスピレーション
(淫売風メイク 爪が赤い唇赤い下品)
狂っていく男 人生の歯車が一人の女性によって狂わされる 大学受験から時が止まる
女同士親友への憧憬
1実の姉命を守る2黒木華声かけて救う戻す3親友広瀬すずマネージャー作る感動したから
男は連絡を待つ
奇跡の空気を再現
1東京の深夜路上ミュージシャンに声かけて二人で歩きだす感覚
2神社の境内でキス
3強姦未遂シーン(アンガールズ田中やんけ きもい)
小林武史 エイベックス?音楽スタジオの中見れたような気分
ネットカフェで寝泊まり
白(派手な色のかつらモード系)と黒(トー横的?)の対照的なファッション
黒木華は古き良き時代の女性のあり方を体現してる
体に響く轟音がクラブチックでいい
港区女子的なマンション
バレエ
家庭教師のシーン
最後まつひことるかが抱き合うシーン お互いの傷いたわり合いながら生きていく感じ 結局男の方がより傷ついてるのね るかが助けてあげたいと思ってるのが伝わる るかは優しい
追記
小田和正の「さよなら」カバー頭に残る
岩井俊二さんの作品を見たのは、この映画が始めてです。
岩井俊二さんの作品の世界観を知らなくて、始めて見たこの作品は、「楽しい」「嬉しい」など、眩しいような明るさはない作品で、こんな世界観なんだなぁーと、感じるものでした。
日常で感じるような「楽しさ」を感じることはあるものの、人の内側の醜さ、哀しさのようなものも同時に感じる作品でした。
岩井俊二さんの作品に触れるのはこの映画が始めてで、
後からキリエのうた、ラストレターと小説を読んだ上で思うのは、キリエのうたのテーマに震災があるからという事ではなくて、
岩井俊二さんの世界観が、少し重みのあるものなのかなと感じています。
心から叫んでいるように聴こえるアイナさんの歌は、特徴的な歌声で、被災を体験した女性の歌だと思いながら聴くとどこか、泣きたくなるような歌でした。
決して明るい映画ではなかったけれど、世界って楽しいだけではないので。登場人物から感じる人間らしさ、色んな人の物語がある中、どこかの誰かの一部の世界を見ているような世界観。
小説を先に読んでいた人とではまた、感じ方は違うのかもしれませんが、
小説で後から答え合わせが出来て良かったです。
夏彦との電話の最中、希(姉のキリエ)が風呂上がり服は着ていなくて、映画なのに何故?と感じつつ、震災や災害というものは予期せぬタイミングで起こるものだし、現実感を追求した結果なのかなと、感じもしたのですが、
いくら現実の世界のような雰囲気を感じる映画とはいえ、キリエは映画の中では妊婦の女性で、演じてるアイナさんは、妊婦ではない。
まじまじとお腹を眺める余裕などないような状況での映像ではあったものの、
もし現実感を追求した結果でのことだったとしても、お腹が見える描写をしてしまったら、「見た目での違和感」を、生み出さないかなと、映画を見ながらそこが少し気がかりだったので、
監督に、どういう理由での事だったのか、その部分に関しては少し聞いてみたくなりました。
※追記・・・
調べたら6つに割れた腹筋を、妊婦12週のお腹に見えるように映像の修正をしたという内容のものが出てきて
もう一度見て確認してみたくなりました・・・笑
映画の後、キリエのうた、ラストレターと読んで感じるのは、辛さ、重さもありつつ、人の温かさ優しさも感じる岩井俊二さんの世界観が、私はそこそこ好きみたいです。
アイナ・ジ・エンドよりカールスモーキー石井の歌がほうが好き
2023年映画館観賞66作品目
11月19日(日)イオンシネマ新利府
6ミタポイント0円
監督と脚本は『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』『スワロウテイル」『リリイ・シュシュのすべて』『花とアリス』『ラストレター』『リップヴァンウィンクルの花嫁』の岩井俊二
あらすじ
東日本大震災の津波で母と姉を失った石巻の小学3年生の路花
大学進学で引っ越した姉の婚約者に会うため石巻からトラックに忍び込み大阪へ
自宅に泊めてくれた地元の小学校教師寺石風美に調べてもらい夏彦に会うことができた路花
しかし児童相談所によって路花は夏彦や風美と引き離されてしまう
帯広の里親に育てられた路花は高校生となり牧場で働く夏彦と偶然再会し同棲を始めるがやはり児童相談所に引き離されてしまう
夏彦は牧場主に頼まれてスナックの娘の真緒里の家庭教師を務めることになった
夏彦から妹として紹介された路花は一学年上の真緒里と親しくなる
なんやかんやで高校卒業後里親の家を出て路上生活をしながらストリートミュージシャンで生計を立てていた路花は偶然新宿で真緒里と再会
路花はミュージシャンとして姉の名のキリエと名乗り真緒里は真緒里の名を捨て一条逸子またはイッコと名乗った
イッコはキリエのマネージャーを買って出て音楽プロデューサーの根岸を紹介
ところがイッコはなぜか結婚詐欺の疑いで警察に遭われる身でキリエにもなにも言わず逃亡行方不明に
キリエの歌声に惚れ込んだミュージシャンたちが次々と集まりやがて新宿中央公園でフェスが開催されることになった
1番の問題は178分
およそ約3時間
120分でも長く感じる最近の若い子はなんでもかんでも早送りして鑑賞するらしいがそれで高倉健なんて観たら台無しだ
そんな時代に178分
でも苦痛には感じなかったし眠くはならなかった
それこそ岩井俊二の映像マジックであり主演俳優の歌唱力のチカラが大きい
2番目の問題
自分はアイナ・ジ・エンドの歌声があまり好きではないということだ
稲葉浩志や椎名林檎のようなクセのある歌声でも快く受け入れることができたのに
林檎だって彼女のことを高く評価してるにも関わらず
背中がゾクゾクっきて聴いた後は拍手する気にはなれなかった
なにが良くてなにが悪いか極めて微妙だが生理的に無理なんだろう
鑑賞するのに迷ったが比較的地元感覚の仙台石巻も舞台となっているのでは観ないわけにはいかなかった
アイナ・ジ・エンドって芸名はプロレスラーでいうとバッドニュースアレン的な意味合いがあるのだろうか
元BiSHらしいがあそこはみんな変な芸名でたけし軍団をリスペクトしてるんだろうか
3番目は大きく分けて3つの時系列があっちに行ったりこっちに行ったりと忙しく順番通りじゃないこと
自分は頭が悪いせいかこういう映像作品は苦手
4番目の問題は広瀬すずの風貌
警察などに遭われる身で身を隠す意味合いがあったのだろう
数種類の色々な色したウィッグも茶色いサングラスも
生理的にあまりああいう格好の女は嫌いだ
国産車のCMやっておきながらあの格好で外車を乗り回してたら彼女の愛車ミニにこっそり傷をつけたくなるだろう
なにかといえば児童相談所関係と警察が邪魔をする
イライラする
子供の頃から威張っている奴をみると懲らしめたくなるが実際は懲らしめることはない
ただいかりや長介が他のメンバーから懲らしめられると涙を流して腹が捩れほど大笑いするのは確かだ
松浦祐也が今回もゾッとするほど気持ち悪い
男の自分でも嫌なんだから女はもっと嫌だろう
これが怪演というやつだろうか
キリエの母親役が「もういっかい」さくらんぼの大塚愛とはエンドロールを見終わったあとでも気づかなかった
地元のエキストラかと思っていた
そのくらいオーラがなかった
イオンモール石巻のフードコートでお昼時に丸亀製麺の前で並んでいても違和感は無いと思う
カルディで子供にお菓子をねだられ「高いからダメ」と言ってそうな庶民丸出しのお母さん感が溢れていた
役作りがはまったのかもしれないが大塚愛も少し綺麗めな昔はモテたかもしれない普通のおばさんになっていた
岩井俊二監督作品の一番の売りはやはり映像につきる
駅のホームで夏彦と姉の希(きりえ)がイチャイチャしてる少し後方でバレエを踊る路花のシーンが特に好き
どちらかといえば岩井俊二監督とはあまり相性が良くない
その点でいうと『花とアリス』は奇跡的といえる
蒼井優と鈴木杏の演技力表現力のコンビネーションと設定が見事にはまった名作
岩井俊二監督作品には珍しくユーモアがたっぷり溢れていた
ああいう作品をまた作ってくれないかな
配役
キリエと名乗る住所不定の路上ミュージシャンの小塚路花にアイナ・ジ・エンド
路花の姉の婚約者で真緒里の元家庭教師の潮見夏彦に松村北斗
石巻から大阪にたどり着いた子供の頃の路花を自宅で保護した小学校教師の寺石風美に黒木華
キリエのマネージャーを買って出た帯広愛国高校時代の路花の1学年先輩の⼀条逸子またはイッコこと広澤真緒里に広瀬すず
夫を海の事故で亡くした路花と希の母の小塚呼子に大塚愛
路花の姉で夏彦の子を宿した石巻白百合女子高校2年の小塚希にアイナ・ジ・エンド
宮城県の児童相談所のベテラン児童福祉司の沖津亜美に安藤裕子
トラックに忍び込み夏彦に会うため石巻から大阪にやってきたイワンこと幼少期の路花に矢山花
夏彦と風美が路花に会うことを拒否する藤井寺の児童福祉司に光法
夏彦と風美が路花に会うことを拒否する藤井寺の児童福祉司に寺尾毅
希が受診する産婦人科医に三木美加子
石巻の小学校教師で路花のクラス3年2組の担任柳にたれやなぎ
3代続くスナックのママ3代目で真緒里の母の広澤楠美に奥菜恵
真緒里の祖母の広澤明美に浅田美代子
楠美のスナックの常連客で牧場経営者の横井啓治に石井竜也
真緒里の高校の担任教師の小笠原に林雄大
イッコの元恋人に豊原功補
イッコの元恋人のガールフレンドに松本まりか
しばらくのあいだ路花と真緒里を自宅に住まわせたナミダメことIT会社社長の波田目新平に松浦祐也
新宿駅前の路上で飲み会に行く途中グループから離れる真緒里に声をかけるイッコの仲間の女性に村中暖奈
夏彦の伯父で石巻にて塩見外科を経営する院長の潮見加寿彦に江口洋介
加寿彦のパートナーのマーク・カレンにロバート・キャンベル
夏彦の母の潮見真砂美に吉瀬美智子
夏彦の父の潮見崇に樋口真嗣
夏彦の祖父に鈴木慶一
夏彦の祖母に水越けいこ
イワンをザリガニ釣りに誘う風美が担任のクラスの男子児童の岡田に小尾颯
帰ったばかりの息子を叱る岡田の母に土井玲奈
キリエを応援しているギタリストの風琴に村上虹郎
キリエや風琴の協力者で「路上主義・新宿中央公園フェス」を企画したストリートミュージシャンの松坂珈琲に笠原秀幸
キーボード奏者の日高山茶花に粗品
天王寺公園で小学生の路花とコラボして歌ったストリートミュージシャンの御手洗礼に七尾旅人
イッコの仲介で音楽プロデューサーとしてキリエにいろいろとアドバイスする根岸凡に北村有起哉
根岸の以来でキリエの歌を聴く鬼頭に米本学仁
松坂珈琲と「AM11:00」を歌うミュージシャンにacanea(本人)
「あなたとのキス」を歌うミュージシャンに集団パラリラのジン(本人)
「春の音」と「マリーゴールド」を歌うミュージシャンに橋本桃子(本人)
イッコの結婚詐欺事件についてキリエと夏彦に事情聴取をする新宿南警察署の刑事の堀田に鳥谷宏
イッコの結婚詐欺事件についてキリエと夏彦に事情聴取をする新宿南警察署の刑事の沢井に足立理
他の子供達と一緒に路花にカレーをご馳走する教会のスタッフにサヘル・ローズ
騒音苦情でフェスの中止を求める新宿中央公園の警官に新井敬太
騒音苦情でフェスの中止を求める新宿中央公園の警官に細井学
幼い路花と一緒にいた御手洗礼を取り押さえる天王寺公園の警官に村角ダイチ
幼い路花と一緒にいた御手洗礼を取り押さえる天王寺公園の警官に馬塲由貴
根岸の無茶ぶりでキリエがアカペラで歌うカフェの店員に円井わん
キリエと橋本桃子の路上ライブを配信するユーチューバーにもっちゃん(本人)
暴漢に刺されて倒れ込んだイッコに駆け寄る通りすがりのキックボクサーに武尊
フェス会場の近くで「真緒里!」と叫んでイッコを刺した暴漢に豊満亮
ネットカフェの女性に畦田ひとみ
これはあと少しでもの凄い傑作になり得たと思う。
本当にあと少しのことで5.0つけられたよ!!!
だから、総じて良かったし、好きではあるの。
でもこーゆう映画ならもうちょっと
オシャレな画がほしいし、ちょこちょこ出てくる
大物俳優さんたちが、気になるし
3時間だったらもう少しすずちゃんパートも丁寧に出来なかったのかなぁ。
すずちゃんお芝居本当に上手だった!
アイナちゃんはBiSHの時が大好きだったけど
この作品会ってるようで合ってなかった感じ。
フラッシュ・バック・キリエ・ディス・娘
撮影4/5
脚本5/5
編集5/5
美術3/5
音響・音楽4/5
演出4/5
ミュージシャンの演技5/5
モブの演技5/5
俳優の演技2/5
天使の式日5/5
涙が出なかった自分の魂の穢れ5/5
☆庵野監督の式日を観てない方は鑑賞をオススメします。岩井さんが監督役で出演してます。自分も見直します。
☆良かった所
①4コの時間軸が交差して話が進んで行くが、脚本のお陰か、編集で神繋ぎをしたのか、難しい話を上手に纏めてます。
②ミュージシャンの方、モブの方の演技や表情がよく、切り取り方も良かったです。
③優しい嘘の突き方が勉強できます。
☆イマイチな所
①俳優陣の演技、演出がイマイチで足を引っ張ってたかな〜スケジュール的に撮影時間厳しかったのか?
②2023年のシークエンスでのいっことの出会いのシーンで、広瀬すずの演技を意図的にクサくしてるが、違和感が凄かったので、その前に前振りがあった方が良かったかな、イマイチ①とも重なって心配になりました。
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